風邪
brkn
ほのぼの
きんとき視点
暑さで目を覚ます。
kn「あっつ…」
自分の頬に手を当てると熱さが伝わる。
なんか頭も痛いし…
熱でもあるのか…?
身体を起こし、ペン立てにある体温計を手って脇に挟む。
ピピピと高い音がなり体温を確認する。
kn「38度…」
自覚したら頭が更に痛くなってきた。
kn「ゔぅ…」
その場で蹲るように横になる。
動く気力がない。
コンコンとドアをノックする音が聞こえた。
br「きんさーん?入るよー?」
そう言って彼がドアを開ける。
br「えっ!?きんさん!どうしたの!?」
彼が駆け寄って来て俺の額に手をあてる。
br「あつッ、熱あるんじゃないの?体温計は?」
俺は手に持っていた体温計を渡した。
彼が体温計のボタンを押して履歴を確認する。
br「38度…、大丈夫?頭痛とか咳とかない?」
心配した表情で俺の顔を覗き込む。
kn「頭ッ痛いし、なんかダルい…」
br「わかった。ここで寝てるのもアレだし、ベッド行こう?立てる?」
kn「んん、立てない…」
そう言うと彼が俺を抱きかかえるようにして持ち上げ、ベッドに降ろしてくれた。
そして横になっている俺に目を合わせるようにして話しかける。
br「きんさん、食欲ある?」
kn「ない…」
br「そうだよね…、でも何か食べないと。消化にいいもの作るよ。あと薬だね。」
彼が真剣に俺の事を心配している事に少し嬉しくなる。
br「よし、僕ちょっと買い出し行ってくる。」
kn「え、」
小さく漏れた声は彼には届かず、彼は部屋を出て行ってしまった。
部屋が静まり返る。
この静けさが、段々と俺に恐怖を与える。
(早く帰って来こい、broooock…)
心の中でそう唱える。
だが、彼は帰っこない。
長い時間待っている気がした。
(broooockが帰ってこなかったらどうしよう)
ふと、そんな事を考える。
ありえないとは思うも、涙が出てくる。
kn「グスッ…broooock、早くッ帰って来てよ…」
願うようにして胸の前で手にギュッと力を込める。
ガチャと玄関の方からドアが開く音がした。
br「ただいまぁ〜」
慌てて涙を拭う。
トントントンと階段を登ってくる音が近づいて来る。
br「はぁぁッ」ガチャ
大きな溜め息と共にドアが開く。
br「きんさんごめぇぇんッ、久しぶりに薬局行ったから迷子になっちゃったぁ。店員さんも見つからないしぃッ」
彼がいつもより声の音量を下げてフラフラと俺の前に近づき、座る。
br「遅くなってごめんねぇ…」
彼は落ち着いた声で改めて謝った。
kn「いいよ。気にしてないし。」
br「ほんとに?でも、目腫れてるよ?泣いてたんじゃないの?」
気づかれるとは思わなくてハッとする。
br「やっぱり、泣いてたんでしょ」
彼が優しく俺の目元を撫でた。
br「僕、ご飯作ってくるよ。」
そう言って立ち上がる。
また、離れてしまうのか。
…嫌だ。
kn「待って、俺も行く」
br「え、大丈夫なの?無理しない方が─」
kn「いいッ、一緒に行く」
体を起こして彼の腕を掴む。
br「…わかったよ」
そう言って彼は先程と同じように俺を持ち上げる。
kn「これ、お姫様抱っこじゃん…」
br「ふふ、今気づいたの?」
彼が優しく笑うのを見てホッとする。
そして、彼の首に手を回し顔を埋めた。
リビングに着き、ソファに降ろされる。
座って彼が料理をしているのを見て出来上がりを待つ。
br「はーい、できたよ〜。」
コトッと机の上にお粥が置かれる。
彼は俺の隣に座り、スプーンでお粥をすくう。
ふーふーとそれを冷ますと俺の口に近づけた。
br「はい、あーん」
kn「ッな!自分で食べれるしッ」
俺は可愛げもなくそう言い、彼からスプーンを取って食べ始める。
br「もー、甘えてくれたっていいのにぃ〜」
頬を膨らませて彼が言う。
俺は構わず食べ続けた。
br「あっ!」
部屋に戻り横になると、彼が思い出したかのように声を上げた。
br「薬忘れてた!取ってくる!」
バタバタとキッチンへ行き、彼が薬と水を持って帰ってくる。
br「はい、薬。飲める?」
俺は頷き、彼から薬を受け取ろうとすると彼がつまらなそうな目でこちらを見てきた。
kn「…なんだよ。」
br「いやぁ〜、なんかなぁーって思って。」
kn「?、どういうこと?」
聞き返すと彼は薬を開けて口に含む。
え、と俺が驚いて固まっているうちに彼は水も口に含んだ。
後頭部を抑えられ、彼の顔が近づいてくる。
チュッ
柔らかい感触が唇に触れたと思ったら、水が口の中へ入っていく。
kn「ん…!んぅ!」
ゴクリとそれを飲み込むと、口が離れていく。
kn「はぁ、はぁ、何するんだよッ」
息を荒くして彼を睨む。
br「あははっ、かわいい〜♡」
彼は満足そうにしてこちらを見る。
kn「可愛いじゃない!風邪が移ったらどうするんだよ!」
br「ごめんってぇ、きんさぁん!一回くらいこれやってみたかったのぉ!」
身を縮こませて上目遣いになるように彼が言う。
kn「もう…、いいよ」
目を逸らしてそう言えば、彼はにこにこと笑顔を浮かべる。
br「ねぇ、もう一回ちゅーしていい?」
甘い声で彼が言う。
kn「〜、!風邪が治ってからね!」
そう言って彼に背を向けるようにしてベッドに潜り込んだ。
すると、ソッと頭に温かいものが触れる。
どうやら撫でられているようだ。
br「きんさん、体調が良くなったら沢山甘えてきてね。」
kn「甘えないし…」
頭痛を和らげるように撫でられる。
なんだか頭痛が治まっていくような気がして俺は眠りについた。
終わり
再投稿です。
修正しました。
教えてくれた方、ありがとうございます。
コメント
7件
48度はキツイ通り越して人間やめてる((((( 熱シチュ大好きですありがとうございます