テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#幽霊
凛道桜嵐 新
193
#日常
がくじゅつてき・あかげ
22,155
わーい
41
485
狭山さんたちから結婚式の招待状が来た。紙じゃなくてWeb招待状。返信が楽でいいな。
「千歳のところにも来た?」
『来た! 5月か』
「暑くないといいけどね」
俺も千歳も、もちろん参加で返信した。
その夜、狭山さんのDiscordサーバーに行くと、他にも招待状が届いた人がいるらしく、おめでとうで盛り上がっていた。俺もおめでとうを送った。
そしたら、狭山さんからDiscordのメッセージが来た。なんだろう?
「結婚式、参加してくださってありがとうございます」
「いえ、ぜひ参加したかったので」
「おもてなしできるようにがんばります。ところで和泉さん達、今度朝霧錦くんに会うんですよね?」
朝霧錦。確か千歳が言ってた、緑さんの甥だ。丸薬ですごく霊力が上がるんで、朝霧家の跡取りの跡取り候補になった子。
「会いますね、土曜に」
「僕たち昨日会ってきたんですけどね、錦くんお二人に会うのにものすごくビビってるんで、なるべくにこやかに優しくしてあげてくれませんか?」
えっビビってるの? まあ確かに千歳はすごく強い怨霊だけど……。
「千歳は、確かに人柄を知らない人は怖いでしょうけど」
「和泉さんにもビビってるんですよ。和泉さん、やったことだけ見たら相当だから。千歳さんを和御魂にし続けてて、九さんの怒りを鎮めて仲良くなって、和束ハルに複数回狙われても死ななくて、宇迦之御魂神様の加護を受けて、和束ハルの弱点を突き止めたんですから」
ええ!?
「いや、そんな、確かに何とか切り抜けてきましたけど、成り行きですよ」
「でも、和泉さんのそういう人柄を知らない人だとビビりますよ」
さ、さようですか……。
「千歳にも言っておきます、二人でなるべくビビらせないように努力します。錦くんって、どんな子ですか?」
「まあ、割と大人しそうな男の子でしたね。でもやっぱり今後が不安みたいで、僕達にいろいろ聞いてきましたね」
「聞く耳は持つ感じの子ですか」
「素直に聞く子です、大丈夫ですよ」
「なるほど、ありがとうございます」
と言うわけで、俺達は錦くんに大変にビビられていると千歳に伝えたら『お前もビビられてるの!?』と驚かれた。
「なんかね、千歳とも九さんと仲良くて、和束ハルに殺されずに弱点見つけ出して、宇迦之御魂神様に加護をもらってる、ってだけ抜き出すと、俺の経歴すごくゴツく聞こえるみたいでね」
『言われてみたらそうだな……』
千歳は考えたが『まあ普通に優しくすれば大丈夫だろ』と言った。
『別に何も怖いことする気ないんだしさ、ワシら』
「そうだね、あんまりにこやかにしすぎても不自然だしね」
錦くんは、確かに不必要に千歳を怖がることはしなかった。
むしろ、逆だったのだ。
コメント
1件
わあ、面白かったです!「成り行き」で切り抜けてきただけで、客観的に見るとめちゃくちゃゴツい経歴になってる和泉さん、笑っちゃいました。確かに「九さんと仲良くて、和束ハルに♡♡♡れずに弱点見つけて、宇迦之御魂神様の加護」って並べると、すごい人にしか見えないですよね。千歳さんが「お前もビビられてるの!?」と驚くところ、二人の距離感がほんわかしてて好きでした。最後の「逆だったのだ」という一文が気になる…続きが楽しみです!