TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

タイトル、作家名、タグで検索

テラーノベル(Teller Novel)
シェアするシェアする
報告する

━━あぁ、また、これか。

先の見えない、果てしなく長い道。

色のない、何も無い世界。

その道の先に、1人の青年が見える。

歳は…10代後半くらいだろうか。

とても遠くにいるはずなのに

どこからか、声が聞こえた。

恐らく青年の声だろう。

「回って転がって、僕のところに来て。

歩いたり、走ったりすると、

スタート地点に戻っちゃうからね。

いつか、僕のところにたどり着けたら……」


━━ううん、何でもない。


…何回、何十回と聞いた台詞。

ここに来ると、意識が朦朧として

思考がうまくまとまらない。

ぼんやりとした中で、思った。

早く、行かなきゃ……早く…











…………どれくらい、経っただろうか。

転がりすぎて、頭が痛い。

目が回って、視界が揺れている。

はぁ、はぁ、と息を切らしながら

必死に前へ、前へと転がり続ける。

疲れて、途中で休もうとすると

青年の声が何重、何百重にも重なって

不協和音となって聞こえてくる。

「まだ駄目。」

「もう諦めるの?」

「そんなんだから君はいつまでも上手くいかないんだよ?」




……うるさい。



無我夢中で転がり続けた。

ふと気が付くと、目の前に青年が立っていた。

…どうやら、たどり着いたみたいだ。

力がうまく入らない。

青年の袖を掴もうと、手を伸ばした。


その瞬間━━━━━━━、

コメント

0

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store