「ん、このアイス大我のもあるよ」
ソファの上に体育座りになってじっと見つめてくる私の彼氏。さっきまでなんてこと無かったのに私がお風呂上がった後からずっとこう。アイスが食べたいのかと思ったら違うっぽい、無反応だった。
怒らせることしちゃったかもしれない。
アイスを一旦袋に戻して私もソファに腰掛けた。
「大我?どうしたの?」
顔を覗き込んで肩を叩いてもぷいっとそっぽ向くだけで何も言ってくれない。
また拗ねてんのかな、ちょっと子供っぽいところあるから。そうゆうところが可愛いんだけどね!
機嫌を直すには下手に出るしかない。
「ごめん、何か悪いことしちゃったかな?」
「…わざわざ俺に言わせたいの?」
ええ、今日の行動を思い起こしてみても心当たりが全くない。
もしや別れ話切り出されるんじゃ…基本的に大我って塩だから照れ隠しでもしてんのかって思ってた。でも本当に愛が冷めちゃってたらどうしよう。
「お前誰のか分かってる?」
顔を上げ、声を低くして眉をひそめた。
別れ話じゃなくて良かったあああ。
本人は真剣なんだろうけど少女漫画みたいなセリフが面白くて、むっとした顔も可愛い。だからいつも喧嘩になっても本気にできないというか。
「急にどうしたの。私が好きなのは大我だけだよ!」
「思ってないくせに」
呆れたようにため息をついて視線を落とした。
質問の意図も、何にそんな怒ってるのかも全然分からない。
「もう、さっきからなに?」
痺れを切らして直接聞いてしまった。
「自分で分かってるんだから言えばいいじゃん。意地悪」
「は〜?分かんないよ」
そう言って口を尖らせたら大我の指先が首筋に触れた。
そういえば今日の朝アイロンで火傷したっけ。赤くなってたかな。
「浮気?もう俺のこと好きじゃなくなったの?」
___あれ、なにか勘違いしてるのでは。
まさかこんなこと言われると思わなくて動揺してしまった。
「図星なんだ」
「えっ、これは違うよ!?」
「何が違うんだよ」
焦りすぎて怪しまれた。
好きなのは嘘なんかじゃない。浮気だってするわけない。早く火傷しただけって言わないと。
「だからちが」
「言い訳なんて聞きたくない」
訂正する前に視界が回って無機質な天井が目に映った。倒れた衝撃でソファが跳ね返る。
組み敷かれて身動きできなくなった。綺麗な顔立ちだけどしっかり男の人なんだと実感させられる。
「ねえ聞いて、」
「黙れ」
唇に吸い付かれて乱暴に舌を入れられる。いつもの優しい触れるだけのものとは違って貪るようなキスに身体の力が抜けた。
息がうまくできなくなって苦しくて胸床を叩いたらやっとのことで唇が離れた。2人の唾液が混ざり、糸のように伸びてぷつんと切れた。
「はあ、待って、ぅ」
呼吸を整える私の首に吸い付いて跡を残す。
「別れたりなんて絶対してやんないから。今日は覚悟して」
コメント
9件
最高無理(Byめめきょも担)
わわ……最高すぎます🥲
めっちゃ好き~💕 これからも、続き出しますか?