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#魔道具職人
こはる
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〜超人とバケモノ〜
第37話
私は、床に投げ捨てられた手袋を見て「意味、分かってますよね?」と一応聞いてみた。
いや、分からないとは言わせないけど……え? いきなり決闘?
「あぁ。勿論さ。君みたいな超人は、こんなバケモノの僕を倒せるかな?」
ふぅん? 喧嘩……
「辞めとけ。ここで一番の腕だ。決闘なんか……」というローベルトさんの声を遮って「はい。その喧嘩勝ってみせますよ」
私は、笑顔で手袋を拾った。
私は、さっきのをウォーミングアップとみなして、続いて引き受ける事にした。
❂
彼女には、期待できる。本当の僕を出させてくれると。
……孤独なんだ。助けて。
そんな悲痛な叫びは届くことも無く勝利宣言をされてしまった。まぁ、魔力は少ない、可愛らしい力の女の子に負けたくないけれど……
ローベルト様でも、歯が立たなかった。
ちょっと期待してしまうのは、大人気ないかな。
それに、前前前世まで……面白そう。
僕は、訓練場の真ん中まで歩いた。それと同時に、あの子も歩いてきた。
「戦闘不能になるまで戦い抜きましょ? 私、そこまでやった事、あまり無くて……ふふっ。自滅しか、ね」
あの子は、軽く怖いことを言う。自滅とか、どんな技だよ……
そう思ったていたら「流石の貴方も見破れないのですね」と寂しそうに微笑んだ。
今回支給されたのは、自己回復回路が組み込まれた木の剣。まぁまぁって感じかな。
そこら辺の知識は皆無だから分からないけれど、中級魔道具師が手抜きで作ったくらい。そう見えた。
「初めっ!」
その声と共に僕は、地面を水びたしにした。
「わぁ……魔力、多いなぁ……」
彼女は、警戒心マックスのまま感心している。
……それは感心といえるのか分からないけれど。
取り敢えず剣を振ったけれど、案の定受け流される。
相手は体力があまり無い。それは、さっき自分から言っていた。
「あの、お互い本気で戦いませんか? 貴方なら、本気を出しても……って、出した事無いんですけどね」
この子は仲間かも……
僕は、生まれて初めて仲間を見つけたような気分になった。
どれも、下の方でうずくまってる何か。そんな認識だった。
そんな事を考えていると、彼女は光の速さで剣を振った。初めて見た。というか、見えない。
どこにいるのか、スピードが足りない。圧倒された。だけど、僕も負けてられない。
水の中に、電気を流した。僕は何か特殊体質で、電気が流れない。
「へぇ……電気、流れないのか……ふふっ。楽しいですか?」
「あぁ。勿論さ!」
そう言いながら僕は、軌道を間違えないように……じゃなくて、やりたいようにやった。自分の周りに風の刃を作って、炎の渦を思ったように作って、剣を鳴らしあった。木製だから、カンカンという音だけど……鼓膜が嫌がる音。だけど、僕には心地よかった。
でも、彼女の方が一枚上手……いや、もう何枚か上手なのだろう。本気では無かった。
寂しそうに微笑むから、本気を出した。でも、その表情は、変わらない。
一応、この国一。誰にも負けた事無かった。今まで一度も。
でも今、負けようとしている。
だけど、身体は、拒否をしている。もっと遊びたいと。
「もっと、できますよね」
「あぁ。そうだね」
自己回復をして、剣を持った。
しばらく、剣を鳴らしあった。でも、剣は壊れる気配がしない。
この、魔力回路は……いや、魔法石が使われている。
「ふふ。気づきました? それは、私が魔法石を濃縮した物があしらわれているんです」
「ほう……凄いな」
「案を出したのは、私ですが、作ったのは私の師匠ですよ」
そう言いながら彼女は、僕の背後を取った。
マズイっ!
反射的に剣を振るったけど、それが先読みされているという事に気づいたのは一秒の間にも満たないだろう。後ろを向いた瞬間、後ろを取られた。
そのまま吹き飛ばされた。
僕の体はボロボロだ。吐血に、痣に、切傷に……痛いけれど、楽しい。
「初めて誰かに対してここまで出しました。それは貴方も同じではありませんか?」
彼女は、僕の目の前で首を傾げている。
「あぁ。模擬戦で、ここまでとは……さっき聞いたことも、デタラメでは無いようだね」
そう言いながら僕は立ち上がった。剣も握っている。
決闘と言っても、初めて僕から申し出た。今まで、手袋を投げられる事すら無かった。憎く言う人がいたとしても、僕に敵わないというのが分かったのだろう。
でも、彼女は強い。初めてこんな強い人に会った。
心の底から、楽しい。仲間……いや、同じ思いを抱えていた人を見つけられて。
彼女は、仲間というより、上の存在だ。
「ふふっ。自分の事も分からないこの私みたいなガキを倒してみてください。貴方、伸び代が大きいですよ」
そう言いながら彼女は、僕に回復魔法
コメント
1件
読了しました。バケモノと呼ばれてきた彼が、初めて「仲間かも」と思えた瞬間がとても切なくて、でも嬉しかったです。お互い本気でぶつかり合いながら、傷つけるのではなく理解し合っていく決闘が印象的でした。「孤独なんだ、助けて」という心の声が刺さりました。これからの2人の関係がどう変わっていくのか気になります。素敵な話をありがとうございます。