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雫
32
🎀もちたん🎀
5,424
💛「……ん、あ……」
カーテンの隙間から差し込む柔らかな朝の光を浴びて、仁人はゆっくりと意識を浮上させた。
いつもならヒートの翌朝に残る、あの焼け付くような疲労感や鉛のような身体の重みが、嘘のように消え去っている。
それどころか、細胞の隅々までが極上の温もりで満たされているような、かつてない深い安息感に包まれていた。
💛(あ、そっか……僕、本当に、勇斗の……)
仁人はそっと自分の首筋、うなじのあたりに手を触れた。
そこには、昨夜、勇斗が強い愛と覚悟を込めて刻み込んだ、一生消えない牙の痕がしっかりと残っている。
まだ少しだけ熱を持ったその傷跡に触れるだけで、胸の奥がキュンと締め付けられるように愛おしさが込み上げてきた。
🩷「起きた?」
背後から、低くて心地いいハスキーボイスが聞こえた。
同時に、太くて逞しい腕が仁人の腰をがっしりと抱き寄せ、大きな胸板に背中がぴったりと密着させられる。
💛「うん、おはよ、勇斗。……なんか、すごく身体が軽い」
🩷「だろ? 番になったからな。お前のオメガの波は、これから全部俺のアルファがコントロールしてやるから。もう一人で苦しまなくていいんだよ」
勇斗は仁人の首筋に顔を埋め、自分の刻印が残るうなじに優しく何度もキスを落とした。
そのたびに、二人の間にはトゲトゲしさの一切ない、甘く気高いフェロモンがふわりと漂う。
優性αである勇斗の深く包み込むような香りと、仁人のビターで甘い紅茶の香りが完全に混ざり合い、一つの新しい特別な「二人の匂い」を作り出していた。
💛「勇斗……ありがとう。本当に、勇斗がいてくれてよかった」
仁人は振り返り、勇斗の胸に手を当てて真っ直ぐにその瞳を見つめた。
🩷「何言ってんだよ。俺の方こそ、俺を選んでくれてありがとな。……これでさ、本当の意味でお前を誰からも守れるようになったわ」
勇斗は屈託のない、いつもの「佐野勇斗」の眩しい笑顔を浮かべ、仁人の額にこつんと自分の額をぶつけた。
しかし、二人が番になったという事実は、彼らだけの秘密では終わらない。
数時間後、二人は仕事のためにいつもの楽屋へと入った。
中にはすでに、太智、柔太朗、舜太の3人が集まって携帯をいじったり談笑したりしている。
💛「おはよー」
仁人がいつものように凛とした声で挨拶をして部屋に入った、その瞬間。
真っ先に顔を上げたのは、やはり誰よりも鋭い観察力を持つ柔太朗だった。
🤍「……あ」
柔太朗は持っていた台本を机に置くと、じっと二人の姿を見つめた。
仁人の首元には、衣装のシャツの襟で隠しきれない、うっすらと赤く残る噛み痕が見えていた。
それ以上に、二人が部屋に入ってきた瞬間に楽屋の空気が一瞬にして「圧倒的な安定感」に包まれたのだ。
勇斗から出ていたあのピリピリとした独占欲の威嚇フェロモンが消え、代わりに仁人を完全に自分のモノとして慈しむ、穏やかで絶対的な王のオーラに変わっていた。
🤍「……そっか。やったんだね、勇ちゃん」
柔太朗はフッと優しく微笑み、二人にだけ聞こえるような声で呟いた。
🩷「おう。もう仁人は大丈夫だから。心配かけたな、柔太朗」
勇斗が誇らしげに胸を張る。
💙「え、何が何が? 何の話?」
太智が不思議そうに首を突っ込んできたが、柔太朗がその肩をがしっと掴んで引き戻した。
🤍「太ちゃんは知らなくていいの。ほら、今日のフォーメーションの変更、確認するよ」
💙「えー! 柔太朗冷たい!」
❤️「仁ちゃん、勇ちゃん、おはよ! 今日の衣装、めっちゃ格好ええな!」
舜太もいつも通りの無邪気な笑顔で駆け寄ってくる。
メンバーたちの変わらない温かさに包まれながら、仁人は勇斗と視線を合わせ、小さく頷き合った。
運命の番として結ばれ、最高の仲間に支えられた二人。
M!LKのリーダーとして、そして勇斗の唯一無二のつがいとして、仁人は新しい光の中へと一歩を踏み出した。
next♡5000
コメント
1件

公式に発表とかしたらやばいね!!!