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『言葉で紡ぐ恋のライム』
〜マイクで紡ぐ恋の予感?〜
番外編17『喧嘩しました』後編
一方ホテルにて――
『お腹すいたな…バイキングにでも行こうかな。』
と、部屋を出てロビーへ向かう。
『お嬢様。』
『し、支配人…まだ何かあるの…?』
『いいえ。私はもう何も仰いません。ここはお嬢様の奥様達が経営するホテル。娘であるあなたは好きなだけいていいのです。用があるのは奥様と旦那様です。』
支配人は私に電話を渡す。
『まさか……』
『奥様と旦那様に繋がってます。』
『ママとパパに話したの〜!?』
私はおずおずと電話を取る。
『もしもし…』
『こらー!』
『ひぇ!』
『百合菜、お姉ちゃんに怒られたんだって?洗濯物片付けなかったり、お弁当つけとかなかったり。』
『パパ…だ、だって、やろうと思ってたのにお姉ちゃんが…』
『言われたらやる気なくすって伝えたらしいじゃないか。小学生じゃないんだから。』
『うぐっ。パパまでお姉ちゃんと同じこと…』
『あなた、代わって。』
『ママ…。』
『百合菜。確かに麻里衣は過保護すぎなところもあるわ。でもね、それも全部貴方の為なの。麻里衣はママの代わりをしてくれてるのよ。お母さんもお父さんも仕事で中々家には帰れないから寂しいと思う百合菜の為に、お姉ちゃんとお母さん、両方やってくれてるの。』
『私の為…』
『厳しすぎるところもあの子にはあるわ。それはちゃんと麻里衣には伝えたから。今頃あの子も反省してるわ。だから仲直しなさい?
貴方達は双子なのよ、どちらかが欠けたら双子じゃなくなってしまう。』
『ママ…。』
『ママの言いたいことはそれだけ。またね。』
ガチャ。
『……。』
『お嬢様。』
『…お姉ちゃんに、謝るよ。』
『それがいいです。ちなみにもう来ていらっしゃいますよ。』
『え!?』
私は入口の監視カメラをパソコンで見せる。
『お姉ちゃん…っ。』
私は入口に向かう。
『お姉ちゃん――!』
『百合菜――!』
お互いに歩み寄りぎゅっと抱き締める。
『『……。』』
((いつもの流れでハグしてしまった。))
『『あの――』』
((被った。))
『『ごめんなさい!』』
『おやおや。お嬢様達ったら。』
『本当に仲がよろしいことです。』
『『……ふふっ。』』
『本当に似てるわね。』
『ほんとにね!流石双子だね。』
『帰りましょう、百合菜。今日は貴方の好きなオムライスにするから。』
『ほんと!?やったァー!』
『支配人、ご迷惑をお掛けしました。』
『いえ、構いませんよ。お嬢様達が仲直りしてくれて良かったです。』
『幼いときからお世話になってますから…ここのホテルには。』
『喧嘩した時はだいたいこちらに逃げ込んできますもんね。』
10年前――
『もういい!おねえちゃんのばか!』
『すきにしなさいよもう!べー!』
2人は外に飛び出す。
『あ、百合菜!麻里衣!』
『また喧嘩したのか?』
『大丈夫、行く場所はわかってるから。』
503号室
『( ー̀ н ー́ )ムス⋯』
『お嬢様、仲直りされては?』
『わたしわるくないもの。百合菜がわがままなの。』
『全く…。』
504号室
『( `^´* )フンッ』
『なぁ、お嬢様。お姉様と仲直りしよ?』
『ちづるはうるさいっ。わたしわるくない。』
『やれやれ…。』
((隣の部屋選ぶ時点で仲良いんだよな……))
『喧嘩しても双子は双子ですね。それにしても、大きくなりましたね。あんなに小さかった子が…今は大人になられて。』
『!えぇ。今は1人前の大人の女性です。』
『支配人。妹がお世話になりました。』
『いいんですよ。次はぜひ奥様達と来て下さい。それと…今同棲してるお嬢様達の恋人になるかもしれない人達とも、ね。』
『『っ!!』』
『なんでそれを知って…あ、ママでしょ!』
『最高級のスイートルームを用意しますよ。』
『『よ、余計なお世話だー!』』
姫神家 玄関
『全くお母さんも…』
『相変わらずだよね、私達の恋路を探るの。』
『へぇ、これはなかなか…』
『大人っぽいなぁ、これをあの下に着てるんか。』
『お前らそろそろしまえよ、麻里姉が帰ってくるだろ!』
『あれ、なんか部屋が騒がしい…。』
『何してるんだろ。』
ガチャっ。
『!!!!』
『皆さんただいま帰りました。一体何を――』
リビングには私と百合菜の服が散らばっていた。
『(´ω`╬ )ゴゴゴゴゴゴォ
何ですか?これは。』
『あ、いやーこれは、ちが、あの……』
『なんで私の服がここにあるの!?』
『あ、お嬢様、これは……』
『千鶴…お前何か知ってるな?』
『…いや、この人達がお嬢様の服が見たいって言うからクローゼットから拝借して…』
『お前……下着まで持ってきたのか?』
『下着はその、乱数さんが……』
『ボク好みの可愛いのつけてるんだね!でもこっちの大人っぽいのもボク好きだよ!』
『……。』
『ま、麻里姉!違うんです、僕は…』
私は深呼吸をして部屋から竹刀を持ってくる。
『……人が居ないのをいいことに乙女の服を物色して言い訳するなんて…紳士として恥ずかしくないんですか?』
『千鶴。お前はこっちに来い。』
『あ、兄貴!わ、悪かったって!ああー!』
首根っこを掴まれて別室に連れてかれる。
『( ◜▿◝ )皆さん、正座。』
『目が笑ってへんで?ほら、にこーっ。』
『正座。』
『……はい。』
こうして、お姉ちゃん達にこぴっどく叱られたみんなは――
『皆さん、夜ご飯が出来ましたよ。』
『あの、麻里姉。』
『どうしたの?三郎君。』
『僕、セロリ嫌いです……』
『えぇ。だからよ。』
『ひぇ……』
『もっと厳しい罰も考えたけど可哀想だから嫌いなものを食べるで許してあげますね。』
『椎茸…』
『一郎君。』
『!』
『特別に、あーんしてあげよっか?』
『い、いや、いくらなんでもそれは…』
『…遠慮、しないで?ほら、』
『んー!』
(お姉ちゃん珍しく怒りが収まってないな…。)
もう金輪際双子の服は物色しないと誓ったみんなでした。
ぷち
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コメント
1件
ああ、もうこの双子のやりとり、最高でしたね……! 両親からの電話で『お姉ちゃんはママの代わりをしてくれてる』って台詞、すごく胸に刺さりました。麻里衣の過保護さの裏にある優しさがちゃんと伝わって、じーんと来ました。最後の『嫌いなもの食べさせる罰』も、怒りがまだ収まってない感じが笑えて、でも家族の温かさがにじんでますよね。今回も素敵なエピソードをありがとうございます!