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◇◇◇◇◇
僕たちが、部屋を出ようとしたそのとき。
突然、マリアさんから声をかけられた。
「ユメさんだけ残ってもらえませんか?」
え?何か言いたいことがあるんですか?
「はい、構いませんが、いいんでしょうか?」
「マリア、どうしたんだい?」
「兄上!お願い!
ユメさんと2人きりにして!」
「……わかった。
ユメ殿、少し付き合ってやってくれ。」
「……はい。」
僕以外の人が、部屋から出て行く。
バタン!
長い沈黙のあと、マリアが話し始めた。
「ユメさん……ごめんなさい。
そして、ありがとうございました。
私がこんなになる前にお会いしたかったです。」
「いえ、こちらこそ、本当にごめんなさい。
役に立たなくって。
自分が情けないです。」
「私、もうずっと前に諦めていたんです。
けど、今はちょっと後悔してます。
エマの言葉がきっかけなんですけど…本当は…やっぱり…もう少し長く生きていたかったんだって……。
でも、それはもう叶いそうもありません。
だから、最後にユメさんにお願いしようと思って、ここに残ってもらいました。
ここでの話は、みんなには内緒にしていてほしいです。」
「はい、それはもう僕にできることなら、なんでも言ってください!
みんなには内緒にします。」
「……キスしてくれますか?」
「はい!もちろん!喜んで!
え!?はい!?」
「私、今までしたことがないんです。
どんな感じなのかなって。
最後に変ですかね?
もし、ユメさんが来なかったら、こんな気持ちにはならなかったと思うんです。」
あーーーー!わかった!わかったぞ!!
フラグ立ったぞ!
洞窟でみんなにキスしたら状態異常解除できたよな!
来たー!
それがあった!
よっしゃ!たのんます!
最後のチャンスじゃあ!
「マリアさん!変じゃないです!
ありがとう!
むしろ、僕がキスしたいです!」
「はい!後悔しなくて良かった。
私、動けないんで……していただいていいですか?」
僕は、はやる気持ちを抑えてマリアさんに濃厚なキスをする。
濃厚は大事です。
遠慮したら後で後悔する。
念には念を入れてめっちゃロングバージョンの濃厚なキスをした。
解呪お願い!!
あれ?え?
マリアさん!気絶した!
え?
えーーー!そっちですかー!?
あ!マリアさん、気がついた。
「あのー、マリアさん!
もしかして、神様に会いました?」
「はい!すごく親切にいろいろ教えてくださいました。」
なんとなく想像できるけど……。
まず、マリアさんの状態がどうかが気になるんで、鑑定!
うおーーーーー!消えてる!
「マリアさん!呪い消えてる!消えてるよ!」
「はい!消えました。
神様もそうおっしゃってたので。」
「やったー!マリアさん!」
「はい!やりました!ユメさん!」
マリアさんは起き上がって、僕と抱き合って喜んでいる。
「ユメさん!ものすごく気持ちいいです!
すごくユメさんとくっつきたい衝動が抑えられないんです。
これがシステムなんですね!」
「そうですね!
いつでもくっつきましょう!」
「はい、嬉しいです!」
そして、もう一度、濃厚なキスをする。
「みんなを呼びましょうか?」
「はい、ちょっと驚かしたいんで……私が行っていいですか?」
「いいですね!
たぶん、黒の軍団にはバレてると思いますけど、ニコラス王子は驚くでしょうね!
ふふふ。」
「みなさーん!
部屋に入って来ていいですよ!」
マリアが部屋の外に向かって叫んだ!
すると、真っ先に驚いた顔のニコラス王子が入ってきた!
「マリア!え?起きても大丈夫なのかい?
というか……めちゃくちゃ元気になってないかい!?なぜ踊ってる?」
そのあとから、黒の軍団一同様が部屋に入って来て、エマがマリアに抱きついた!
「マリア!おめでとう!良かったね!」
「エマ!ありがとう!
ユメさんのおかげだよ!
これで私も黒の軍団です。」
「「「おめでとうございます!!♡」」」
「ありがとう!」
「おい、ちょっと説明してくれないかい?
何が起こってるのか、さっぱりわからないんだが……。」
「兄上!実はね……私の呪いが消えたの!」
「本当か!?えーーーー!信じられん!」
「本当よ!この通り!
ものすごく元気よ!前より元気なくらい。」
「これは大変!国王に知らせてくる!」
大慌てで、ニコラス王子は出て行った。
いやー、結果オーライ。
ていうか、もしあのまま帰ってたらと思うと危なかったー!
神さまマジックかもしれん。
いや、たぶんそうやろな。
あの人、かなり過保護やから。
神様ありがとうございます!グッジョブ!
◇◇◇◇◇