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おお、第850話お疲れ様です!那智大社の階段登り、めっちゃ臨場感あって読んでるこっちまで息切れしそうだったわ(笑)。朱里と尊さんの「ミコケッツ」のやり取りで思わずプッてなったし、最後の絶景の描写で一緒に「はぁー!」って言いたくなった。神社の由緒もサラッと入ってくるから、観光気分で楽しく読めたよ!次も楽しみにしてる🔥
階段を上っている途中で、右手側からどうどうと滝の流れる音が聞こえてくる。
「凄いですね。音だけでマイナスイオン」
「だな。滝とはかなり離れてるのに、上のほうがチラッと見えるのも凄いし、でかい滝だよ」
途中にはモッコクの木という十メートル近くある椿科の、樹齢四百五十年の木がある。
もとは那智の滝を見に来た昔の皇族が泊まった、実法院という宿泊施設があった場所の庭園に生えている。
さらに階段を上って上って……、だけど、途中にお店もあるし、お手洗いもあるしで、行き倒れになる心配はない。
階段を何段数えたか分からない頃、行く手に朱塗りの一の鳥居が見えた。
振り向くとお店の遙か向こうに、空と山が見える。
鳥居のある場所は左右に道が分かれていて、左に行くと那智大社、右に行くと青岸渡寺に通じている。
鳥居の前には屋根のついた看板があり、ここにはこの神様が祭られていますよ、と書かれてある。
熊野那智大社の主祭神は、熊野夫須美大神で、神話で有名な伊弉冉尊の事だ。
いわずもがな、伊弉諾尊の妻で、神話では皇族の祖先となっている。
この二人が結婚した事で日本の国土が生まれ、海や山、森羅万象の神々が生まれていった。
ミコペディアの話だと、火の神軻遇突智を生んだ事で陰部を火傷して病気になり亡くなってしまうが、死の間際において排泄物からも神々を生んだという。すさまG。
カグツチは父親である伊弉諾尊に殺されてしまうとか。
このように母としての意味を持つ神様なので、子宝や安産の神様として祭られる事が多いらしい。
熊野三山の他の大社、熊野速玉では速玉大神――伊弉諾尊が主祭神で、熊野本宮大社では家都御子大神――素戔嗚尊が主祭神となっている。
看板には【他十神奉斎】と書いてあり、熊野は十二殿に神様が祭られていて、熊野十二社権現と呼ばれているそうだ。
「ケツミコ……。ミコケッツ」
プー、クスクスクス……と笑っていると、尊さんは「言うと思ったよ……」と首を竦める。
「……って、あれ? 十二人の神様だとしたら、この看板にあるビッグスリーと十人だったら、全部で十三になりませんか?」
「はい、よく気づきましたね、上村さん」
「教えて! ミコト先生!」
私が勢いよく手を上げると、彼はクスクス笑って説明してくれる。
「この那智大社は、那智の滝があるだろ? ただの滝じゃなくて、飛瀧神社があって、大己貴命が祭られているんだ」
「ほえー!」
授業を受けている間に、後続の百合さんたちが着き、私たちはまたゆっくり歩き出す。
T字路の左を向くと鳥居があるので、お辞儀をして中に入る。
進んで左手には朱塗りの手水舎があり、そこで手と口をお清めした。
中央には緩やかに左に向かってカーブしている石段があり、また覚悟を決めて上っていく。
階段の中央には手すりがあり、始まりの部分に小さな看板があって、【左側をお進みください】と書いてある。
こういうお作法はその神社仏閣によって違うので、書いてある通りに従うのがベターだ。
カーブした階段を上りきると、直角の右手に狛犬がいて最後の直線階段があり、その上に二の鳥居がそびえ立っている。
「さあ、ラスト一本だ朱里」
「うえー……、運動部のノリだ……。運動得意じゃないんですよ……。これは恵の役目ですね。目に火を燃やして駆け上がっていきますよ」
「それをニコニコして涼が追いかけていくまで、ワンセットな」
「音もなく併走して、でもニコニコ笑顔は崩さないんですよ」
「何の妖怪だよ。こえーな」
私たちはケラケラ笑いながら、石段を上がって行く。
「はぁー! 着いた! 絶景かな!」
振り向くと見渡す限りの山々があり、それがいっそう、神聖な山にいる気持ちになった。
那智大社は〝いわれ〟がとても古く、文献にも残っていない部分もあるらしい。
分かっている範囲では、一代目の神武天皇が那智の浜を訪れた時、山の上が光っているのに気付き、光を求めて山を登ると那智の滝を発見し、そこに大己貴命が現れたので御祭神とすると決めたらしい。
付近には光ヶ峯という那智三峰の一つがあり、そこに熊野の神々が姿を現したと言われている。
それが紀元前六百六十二年の事で、その頃から熊野の信仰は根付いていたという。
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