テラーノベル
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…今朝は、雨。予報と違った。
日帝)…窓、曇ってる…
絆創膏を貼ったままの手で、乾いたタオル片手に窓を拭き取る。
外は、雨が降りしきってずぶ濡れで…そのくせ空は雲が晴れ始めていて…不思議な感じだった。
日帝)けほ、けほっ
少し冷えているからか、咳が出て…苦しい。金縁の丸眼鏡…古びたそれは咳の勢いでずれてしまう。
そうだ…こういう時はお薬…飲まなきゃいけないんだ
死んだら迷惑…死んだら迷惑だから。
死ぬなら…ここから出て死なないと。
日帝)げほっ…ごほっ…!!
…一際激しい咳が出て、落ち着いた。
今日は血は出なくて…汚さないで済んだって思って安心もした。
日帝)…薬、飲まなきゃ…
ひりひりと痛む喉に、水と一緒に粉薬を流し込んだ。
少しだけ血の匂い。
でも、すぐいなくなる。
日帝)…また、生きてしまった…。
いつからか…ここで1人になって、時々あの人が来て…
死ぬな、でも生きてもいけない
そんな事ばかり、僕に言う
…答えがどっちなのか…僕にはわからない。生きちゃダメなら…どうして死んじゃダメなのか…
それも…わからないの
…いつの間にか、古い座布団の上で丸まって寝てしまっていた。
咳も苦しさも、血の匂いもない。
日帝)…あっ
玄関扉に併設された郵便受け。今日僕が学校を休んだから…連絡が入ってた。
日帝)…早く元気になって…また学校に来てね
…みんな待ってるよ
…ばかみたい。僕は…生きても死んでもダメな…死ぬことさえ許してもらえないような
劣った生き物なのに。
日帝)…みんな、ばかだ。
…雨は降り止まない。曇ったままの眼鏡を置いて、また眠ることにした。
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