テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
※Attention
こちらの作品はirxsのnmmn作品となっております
上記単語に見覚えのない方、意味を知らない方は
ブラウザバックをお願いいたします
ご本人様とは全く関係ありません
テラーノベルがまた新しくなりましたね
おかげで
機械音痴のわたしは書き方迷子です😌
ちなみにですが、こちらの作品、
ちーずもちさん主催『2026青桃の日だねん』
という企画に参加させていただいてます💞
素敵な企画開催ありがとうございます💖
参加希望を一番最初に出しましたが、
なんと参加は一番遅い((
どういうことでしょう🙄
ぜひ他の参加者さまの作品も
読みに行ってみてくださいね♪
※今作、視点行ったり来たり注意です
青→桃→青→桃
数字の順番を
気にするなって言われても
たかが数字
されど数字
気にしちゃうのは気にしちゃうんです
だって
それが俺らにとっては
時々 特別な意味を持つ
合図だったりするんだから
今日は何の日?
青視点
きっかけは
「まろ、今日は何の日でしょう?」
仕事帰り、玄関で靴を脱いだところで。
ないこに不意に投げかけられた、
そんな一言だった。
「……え、何の日やろ」
突然の質問に、
ネクタイを緩めながら、記憶を探る。
今日って、何かあったか……?
特別な記念日でもないし、
強いて言うなら。
久しぶりに、こうして
二人で同じ時間に帰って来れたことくらいで。
……いや、それを記念日って言うんも違うか。
時計をちらりと見れば、もう20時。
決して早い時間でもない。
「記念日、とか……?
忘れとったらごめんやけど」
少し自信なさげに答えると。
「ぶぶー、不正解」
間髪入れずに返ってきた声は、
どこか楽しそうで。
その顔を見た瞬間、
ああ、これは当てられる問題やないな、と悟る。
「ヒントとか、くれへんの?」
軽く笑いながらそう言えば、
ないこは少しだけ間を置いてから
「カレンダー」
そう言って、
リビングの壁に掛かったそれを指さす。
「……カレンダー?」
視線を向ける。
今日は、4月5日。
どこにでもある、ただの平日。
……やばい、ほんまに分からん。
ソファに腰を下ろし、
スマホのスケジュールアプリを開いてみるが、
案の定、何も書かれていない。
「……マジで何なん」
小さく呟いた、その時。
ふっと、視界が陰る。
顔を上げれば、
いつの間にか目の前まで来ていたないこが、
距離を詰めてきていて。
スーツ姿の自分とは対照的に、
Tシャツにカーディガンというラフな格好で。
そのまま、
当たり前みたいに俺の上に跨った。
「……なにしとんの」
驚きはない。
こういう距離感には慣れてるし、
今さら照れるような関係でもない。
ただ。
俺を見下ろして笑うその表情は、
妙に妖艶で。
熱を孕んだ視線が、
じわじわと身体の奥を煽ってくる。
にやりと吊り上がった口角。
そこからちらりと覗く八重歯。
そんなもんにまで反応してしまう辺り、
思春期真っ只中のガキみたいやな、と
半ば呆れる。
……いや。
単純に、ないこに惚れとる弱みか。
「4月5日。4と5。Dice No.4とDice No.5」
そう言いながら、
細く綺麗な人差し指を、
自分と俺へ交互に向ける。
「つまり、俺とまろの日」
「……ほぉ?」
含みを持たせるように返せば。
ないこは得意げに笑って、
俺の肩へ腕を回した。
「だから今日は、俺が攻める日ね」
緩んだネクタイを引き抜き、
得意満面な顔で俺の手首を拘束して。
そのまま本気で攻め落とそうとしてきたから。
まあ、当然。
返り討ちにしてやった。
慣れないくせに強がって、
途中から余裕なくなっとったないこは、
正直めちゃくちゃ可愛かったけど。
それはそれ。
これはこれや。
そして、約一ヶ月後。
今日は、5月4日。
カレンダーを見た瞬間から、
ずっと考えていた。
……仕返し、してもええよなって。
やりたいことを思い浮かべるだけで、
口元が緩む。
……いや、しゃあないやろ。
元はと言えば、
あんな変な記念日を作った
ないこが悪いんやし。
時計へ視線を落とせば、
時刻は18時を少し回ったところ。
「……いや、まだ18時か」
思わず漏れた呟きに、
自分でも笑ってしまう。
今日は早めに仕事を片付けて、
さっさと帰るつもりやったのに。
こういう日に限って、
時間はやたらゆっくり進む。
デスクに置いたスマホには、
さっき届いたないこからのメッセージ。
『今日ご飯どうする?』
……そんな普通の内容だけで、
余計に期待が煽られるから困る。
「さて、と」
小さく息を吐いて、
再びパソコンへ向き直る。
今夜を心置きなく楽しむためにも、
もうひと踏ん張り、しますかね。
桃視点
最初から、嫌な予感はしていた。
そう。
「なぁ、ないこ。今日は何の日やと思う?」
夕飯を食べ終えて、
風呂も済ませて。
あとは寝るだけ、というタイミングで
まろがそんなことを聞いてきた時から。
今日は、5月4日。
……言いたいことなんて、
わざわざ口にされなくても分かる。
だって。
先月、まったく同じことを
自分が言った覚えがあるから。
あの日。
何気なく開いたXのTLに流れてきた、
『4月5日はないふの日!!』
なんて文字と一緒に投稿されたFA。
それを見た瞬間、
変なスイッチが入った。
いつも夜は、
まろに主導権を握られてばっかりだから。
〝この流れなら、俺でもいけるんじゃね?〟
……なんて。
今思えば、
本当に軽率だったと思う。
結果。
慣れないことをした俺は、
当然みたいに返り討ちに遭って。
散々甘やかされて、
散々翻弄されて。
最後には、
まともに抵抗する余裕すら残ってなかった。
もう思い出したくないくらい、
徹底的にやられた気がする。
「さぁ?何の日だろう。
……あ、みどりの日とか?」
わざとらしく肩を竦めながら、
とぼけたふりをする。
……いや、分かってる。
分かってるけど、
ここで認めたら終わりな気がした。
「そんなことよりさ、まろ」
少しでも流れを変えたくて、
わざと軽い調子で言葉を重ねる。
「俺、今日疲れたし。
もう早く寝ない?」
一刻も早く、
この話題を終わらせなきゃいけない。
そうしないと、死ぬ。
少なくとも、
俺の腰は確実に。
「えー、でもさっきないこ。
今日は仕事内容簡単な方やったから、
あんま疲れてへんって言っとらんかった?」
その一言で思い出されるのは、
ついさっき、風呂場で交わした会話。
『ないこ、今日やけにご機嫌やね?』
『んー……?
あ、今日は仕事早く終わったから。
割と簡単めの内容で助かったんだよね』
『へぇ?』
……言った。
確かに、言ったわ。俺。
でも。
そこでふと、引っかかる。
今日、なんであんな簡単だった?
いつもなら、
もう少し時間がかかる内容だったはずなのに。
考え込んだ瞬間、
脳裏に浮かぶのは今朝のやり取り。
『ないこー。
ちょっとパソコン借りてもえぇ?』
『いいけど、別に。
あ、変なことはしないでよ?』
『りょー』
……あ。
時間なくてバタバタしてたし、
その時は全然気にしてなかったけど。
もしかして、
あのタイミングで色々弄った……?
データ移行とか、
仕事しやすいように整理したとか。
いや、待って。
それってつまり……。
「……どこから企んでたの、お前」
思わず漏れた声に、
まろは楽しそうに目を細めるだけ。
その反応で、
嫌でも理解してしまう。
……あ、これ。
俺、最初からずっと
こいつの手のひらの上だった?
「ヒントは、先月の反対?」
俺の質問には答えないまま、
まろは余裕たっぷりにそんなことを言う。
……まずい。
だいぶ、まずい。
こいつ、
絶対かなり前から準備してた。
今日の仕事量が妙に軽かったのも、
俺が疲れてないって自分で口滑らせたのも。
全部、
この状況に持ち込むため。
しかもたぶん。
『みどりの日とか?』
そんなことを俺が言って、
無理やり話題を逸らそうとするところまで、
もう予測済みだ。
「ねぇ、ないこ」
ゆっくり距離を詰めながら、
まろが笑う。
「頭の賢いないこなら、
もう分かっとるやろ?」
その瞬間、
頭の中で静かに終わりの鐘が鳴り響いた。
「今日はとことん付き合ってな?」
ベッドへ運ばれて、
あっという間に服を脱がされる。
その流れのまま。
あの日と同じように、
緩められたネクタイが手首へ回された。
「ちょ、待っ……」
言い切る前に、
するりと拘束される。
しかも今回は、
ただ縛るだけじゃ終わらなかった。
ベッドボードへきつく結びつけられて、
腕を引いてみても、
もうまともに動けない。
「……本気じゃん」
半分呆れたように言えば。
「当たり前やろ?
今日は俺の日なんやから」
まろは楽しそうに笑うだけ。
そのあと、
手のひらにローションを出して。
冷えたまま触れないように、
体温でゆっくり温めている動作に、
妙な優しさを感じてしまう。
……いや。
優しいのは、分かる。
分かるけど。
だからこそ余計に、
このあと待ち受けてるものを想像してしまって。
「……っ」
怖いような、
期待してるような。
安心と緊張がぐちゃぐちゃに混ざって、
心臓が落ち着かない。
指を1本、2本と、
簡単に飲み込んでいく後ろは。
今までどれだけまろを受け入れてきたのかを、
嫌でも実感させられているみたいで、
少し目を逸らしたくなる。
「ふ、……っ……ぁ」
熱を孕んだ声が、
小さく漏れる。
いつもなら、
咄嗟に手で口元を押さえているはずなのに。
今は縛られているせいで、
それすらできない。
唇を噛んで堪えようとしても、
抑えきれない声が零れてしまって。
そのたびに、
まろが満足そうに目を細めるから。
余計に羞恥心が煽られていく。
ゆっくりと奥へ奥へと触れられて、
ふいに、とん、と1箇所を叩いた。
「っ、ぁ……!」
思わず唇が開く。
必死に堪えていたはずなのに、
一瞬で力が抜けてしまうような感覚に、
呼吸が乱れる。
そこへ追い打ちをかけるみたいに、
同じ場所を繰り返し刺激されて。
さっきまでどうにか抑えていた声が、
堪えきれず零れていく。
「や、ぁ……っ、そこ……やだっ、んっ」
逃げようとしても、
拘束された身体じゃまともに身動きも取れない。
まろは止めるどころか、
反応を確かめるみたいに、
叩く本数を増やしていく。
「っあ゛!?ねぇ、やだっ……やだってば……っ」
だけど
「ほんま、
快楽には弱いよなぁ、ないこ」
耳元で落とされる声が、
ひどく楽しそうで。
「……そこが可愛いんやけど」
きゅうっと奥がしまる。
その反動で、
指もぐっと底を強く刺激して。
「ィく、ィぐ、……ぅあ?」
欲を吐き出せると思ったら、
ちゅぽっと水音を立てて指が抜かれた。
思わず目を見開く。
期待していた快感だけを、
寸前で攫われたみたいな感覚。
「な、なんで……っ?」
肩で息をしながら、
まろをみると、きょとんとしていた。
「ん?寸止め、してみたいなぁって」
悪びれもせず、
そんなことを言いながら笑う。
「は……?」
理解した瞬間、
ぞわっと背筋が震えた。
今から、俺、
ずっとこれに耐えなきゃいけないの……?
「ちょ、まろ……っ」
抗議しようとした声は、
情けないくらい掠れていて。
「ないこ、
さっきもうイきそうやったやろ?」
「っ、だから……なに……」
「せっかくやし、
もうちょい頑張ってもらおかなって」
にこにこと。
本当に楽しそうに言うから、
余計にタチが悪い。
「や、待って……無理、っ」
逃げようにも、
拘束された腕はびくともしない。
そうしている間にも、
まろの指先がわざと焦らすみたいに
奥をなぞっていく。
「あ、前も触ろな」
後ろを弄っている反対の手で
器用に先走りを拭い取って、
ぐりぐりと亀頭を弄られて。
「ひぎゅ……っ!?やだっ……!!
ん゛ぅ……っ!?!?」
びくっと身体が跳ねる。
後ろだけでも頭おかしくなりそうなのに、
前まで同時に触られたら、
耐えられるわけがない。
「ん゛、ぅ……っ、あ゛……!」
前も後ろも、
弱いところばかり責め立てられる。
熱がどんどん積み上がって、
もう限界なのに。
まろは、
絶対に最後までは届かせてくれなくて。
何度も、
イきそうになっては止められて。
そのたびに、
身体の奥へじわじわ欲だけが溜まっていく。
……俺、今日大丈夫かな。
俺の思った通り、
俺はもうダメなのかもしれない
だって、どれくらい、
こうして焦らされ続けているんだろう。
最初は余裕ぶって笑っていたまろも、
途中から完全に楽しみ始めていて。
時計なんて見る余裕はないけど、
体感だけでもかなり長い。
たぶん、
もう1時間以上。
イきそうになるたび止められて、
また触られての繰り返し。
動かせない手が、
ひどくもどかしい。
自分で前を弄ることもできないし、
溢れ出る声を抑えることもできなくて。
全身は火照ったように熱いし、
時々かかるまろの吐息が少し涼しく感じる。
おまけに、
まろにぎゅーも、ちゅーもできない。
……ぁれ……?
なんで、俺、手縛られてるんだっけ……?
ぼんやりそんなことを考えていると。
「ほら、考え事やなくて、こっち集中して?」
耳元でまろの声がしたと思ったら、
今度は胸飾りをいじられて。
「っ、あ゛……!?」
くり、くり。
指先が、
敏感なところを弄っていく。
「それぇ゛……っ、やらぁ゛!!」
今まで散々まろに躾けられたそれは
カリ、と軽く引っ掻かれるだけでも、
簡単に身体が跳ねる。
「んぅ〜〜゛!?」
ぴん、と引っ張られた瞬間、
後ろまできゅっと締まって。
「お゛ぉっ!?」
変な声が飛び出る。
だけど、まろは
それすら愛おしそうに、
「ないこ、かわいいね」
そう言って。
額に、
頬に、
瞼に。
優しくキスが落とされる。
甘やかすみたいな触れ方なのに、
指は全然止まってくれなくて。
もう、
頭が全然回らない。
どこ触られてるとか、
何されてるとか。
ちゃんと考えられない。
ただ。
気持ちいいしか分かんなくて。
「また力入っとるよ」
「し、らなぁ……っ!!?」
後ろと胸だけでもいっぱいいっぱいのなかで、
突然、前をぱくりと口に含まれる。
舌の生温かくて、少しザラリとした
慣れない感触に頭がバグる。
弱い先端を
徹底的に攻められてると思ったら、
「ッ〜!?!?吸っちゃ、やぁあ゛……っ!!!?」
ちゅうっと勢いよく吸われて
涙が滲む。
ヤり始めて1度も出してないから、
下は痛いし、
「や、っ……ぁ……あ゛!?」
息も、
声も。
もう全然上手く整えられない。
快楽が強すぎて。
苦しくて。
逃れたくて。
なのに。
もっとほしくて。
もっと満たしてほしくて。
もっとまろでいっぱいになりたくて。
自分が何を求めてるのかすら、
もうちゃんと分からなかった。
……でも。
ひとつだけ、
はっきりしてることがある。
「ま、ろ……っ」
掠れた声で、
まろを呼ぶ。
視界は涙でぼやけて、
もう上手く見えないけど。
なんとか息を整えて、
回らない舌で必死に言葉を紡ぐ。
「まぉ゛……っ、ぎゅ、ぎゅってしたぃ゛……!!」
縛られた手を、
無意識に引く。
ほどいて。
この手で、
もっと。
もっとまろに触れたいから。
青視点
ないこをベッドへ連れていって。
あの日みたいに、
緩めたネクタイをないこの手首へ結ぶ。
これで、
仕返しの準備は完璧。
いつもは、
ないこに自由にさせとるから。
たまには焦してみてもええんやない?と思って、
今日は寸止めする、って伝えた瞬間。
ないこの顔が、
分かりやすいくらい青ざめた。
そこから先は、
まあ……ご想像の通り。
弱いところを、
じわじわ責めて。
イきそうになったら、
わざと離して。
また触れて、
期待させて。
限界まで煽って、
鳴かせて、の繰り返し。
そうすれば、
可愛い可愛いないこの出来上がり。
どこを触ってもたくさん鳴いてくれる。
声も、
表情も。
全部ぐちゃぐちゃで。
すべてが扇情的。
俺自身もないこに挿れてないから、
下は膨れ上がって痛いくせに。
焦らされて、
泣きそうになりながらも、
結局俺を求めてくるないこを見とると。
心の奥にあるSっ気が、
どんどん顔を出してくる。
「……ほんま、
煽るの上手いよなぁ」
快楽に溺れて、
もう何が何だか分からんくなっとるないこへ、
ぽつりとそう零した。
ないこはもう、
視線も上手く定まっとらんくて。
息をするたび、
ひくひく身体が震えとる。
「っ、ぅ……ぁ……?」
ぼんやりした顔のまま、
熱っぽく俺を見上げてくるのが、
また可愛くて。
……そういや、
まだ胸、触っとらんかったな。
ふと思い出して、
薄い胸でぴんと勃っている小さな胸飾りに
手を伸ばす。
「ほら、考え事やなくて。
ちゃんとこっち集中して?」
耳元で囁きながら、
後ろも同時に刺激してやれば。
「お゛ぉっ!?」
さっきより、
また反応が良くなる。
びくびく震える身体が、
正直おもろいくらい素直。
「ないこ、感度上がりすぎやろ」
1時間以上、
前戯しかしてなかったらそうなるか、と
くす、と笑いながら。
最後に前も口にぱくりと含めば、
「ッ〜!?!?吸っちゃ、やぁあ゛……っ!!!?」
声が、
今までで一番大きく漏れた。
手は縛られたままやから、
逃げ場もない。
腰は弓なりに反れて、
びくびくと震えている。
……まぁ、
それでもイかせる気はないんやけどね。
「ま、ろ……っ」
掠れた声で、
ないこが俺を呼ぶ。
その声も、
もう半分泣いとるみたいに甘くて。
「んー?」
わざと余裕ぶって返せば。
ないこは、
熱で潤んだ目のまま、
縛られた手を小さく引いた。
ほどいてほしいんやな、
っていうのはすぐ分かった。
でも。
自分からちゃんと言うまで、
待ってみたくて。
じっと見つめていると。
ないこは何度か息を詰まらせて、
悔しそうに眉を寄せながら。
「まぉ゛……っ、
ぎゅ、ぎゅってしたぃ゛……!!」
──その瞬間、
「あ゛ー……もう……」
今日1番の愛おしさが溢れた。
思わず、
額を押さえる。
さっきまで、
泣きそうな顔で『やだ』だの『むり』だの
散々言っとったくせに。
手縛られて1番嫌なのそれなん……?
「……ないこ」
掠れた声で名前を呼べば、
熱で潤んだ瞳がこっちを見る。
その視線だけで、
理性が削られていく気がした。
「それ、外そか」
そう言えば、
ぺしょぺしょと涙を零しながら
「ん……」
と、小さく頷いた。
まるで叱られた後の子犬みたいだ、と
くすりと笑いつつ、
拘束していたネクタイへ手をかける。
するり、と解くと、
ないこははやくと言わんばかりに、
俺へ腕を伸ばしてきた。
伸ばされた腕が、
勢いよく俺の背中へ回る。
「っ、まろ……」
ぎゅう、と。
縋るみたいに抱きつかれて、
んふ、と笑みが溢れる。
「手、痛くない?」
「ん、だい、じょぶ……」
「そっか」
くしゃ、と髪を撫でれば、
ないこは俺の肩へ顔を埋めて、
しばらくすると、
ひくっ、ひくっと小さく嗚咽を零し始めた。
「も、いじわる、やだぁ……」
上手く回らへん舌で、
必死に言葉を繋ごうとするのが可愛くて。
つい口元が緩む。
「意地悪ちゃうよ。仕返し」
「俺、こんなひどいことしてないし……」
拗ねたみたいな声。
でも、
抱きつく力は全然弱まらず。
むしろ、
離れたくないみたいに、
ぎゅうぎゅう抱き締めてくる。
「え〜?でもないこから仕掛けてきたやろ?」
耳元で笑いながら囁けば。
「ぅ゛……っ」
図星やったんか、
ないこが小さく唸った。
「そ、それとこれとは別……!!」
涙声のまま、
必死に言い返してくる。
そのくせ、
抱きつく力は全然緩まへんから。
ほんま、
どんだけくっつきたかったんやろって、
胸の奥がじわじわ熱くなる。
「はいはい」
宥めるみたいに、
背中をぽんぽん叩くと。
ないこは不満そうに眉を寄せながら、
俺の肩へ軽く噛みついた。
「いっだ」
「まろが悪い……っ」
ぷい、と顔を背けるないこが、
子どもみたいで、
「そんな怒る元気あるなら、
まだまだいけるんちゃう?」
わざとそう言えば。
「は!?絶対やんない……っ!!」
即答で返ってきた。
しかも、
さっきより声に必死さが戻っとる。
「ははっ、冗談やって」
さすがにこれ以上やったら、
ほんまに拗ねそうやもんな。
そう思って、
額へ軽く口づける。
すると、
ないこはぴくっと肩を揺らして。
「……するなら、やさしくして」
消えそうな声で、
そう零した。
その一言だけで、
また欲情してまうんやから。
……俺も相当、
ないこのこと好きやなぁって。
つくづく思い知らされる。
「……しゃあないなぁ」
苦笑しながら、
もう一度ないこをぎゅっと抱き締め返した。
結局、甘い夜はまだまだ続くし、
「ゆっくり動くで?」
「ぃや、はやく、はやくでいいから……っ
まろ、たくさんちょーだい……っ?」
俺は再びないこにずぶずぶと溺れていく。
「……りょーかい」
そういうわけだ。
桃視点
目が覚めた瞬間。
「……っぅ゛」
全身が、
ずし、と重かった。
特に腰。
じんわり鈍い痛みが残っていて、
昨日どれだけ散々な目に遭ったかを
嫌でも思い出させてくる。
「……最悪」
掠れた声で呟きながら、
のろのろ瞼を開ける。
カーテンの隙間から差し込む朝日が、
やけに眩しい。
隣を見れば。
「んふ……」
満足そうな顔で寝てるまろ。
……腹立つ。
いや、
昨日あれだけ好き勝手やっといて、
なんでそんな幸せそうに寝てられんの?
しかも、
俺が抱き枕みたいに抱きついてるせいで、
余計逃げられない。
「……離して」
小さく呟きながら、
まろの胸を押してみる。
けど。
「んー……ないこぉ……」
寝ぼけた声と一緒に、
逆にぎゅうっと抱き締め返された。
「っ、う゛……!」
腰に腕回すなバカ。
昨日のダメージが、
まだしっかり残ってるんだけど?
「まろ、っ……痛……っ」
抗議しても、
本人は完全に寝ぼけてるらしく。
「……あいしとるよぉ……」
とか、
アホみたいに甘えた声で呟きながら、
首元へ擦り寄ってくる。
「…………ばーか」
反則だろ、それは。
……いいや、今のうちに色々言っとこ。
「まろのあほ」
「ドS」
「エロおやじ」
小声でぶつぶつ悪口を零しながら、
隣で気持ちよさそうに寝てる顔を見る。
……絶対、
昨日のこと反省してないだろ、こいつ。
口元ゆるゆるだし、
なんならいい夢見てそう。
そう思いながら、
少しだけ身体を動かした瞬間。
「……っう」
じわ、と腰に鈍い痛みが走った。
途端に思い出される、
昨日の記憶。
「……」
なんかだんだん腹立ってきたな。
いや、
なんで俺だけこんな満身創痍なんだよ。
対してこいつ、
ぐっすり寝てるし。
……一発くらい、
殴ってもよくない?
うん、
全然よくないけど。
でも昨日のこいつの行い考えたら、
多少は許される気もする。
よし。
殴ろう。
そう決意して、
ぱっとまろの顔を見た瞬間。
「おわっ!?!?」
ぱっちりと開いた、
深い青色の瞳と目が合った。
しかも。
「っふ、ははっ……!」
めちゃくちゃ笑ってる。
「……何笑ってんの」
「いやぁ、
ないこが朝から百面相しとるから、
おもろくて」
肩を震わせながら、
楽しそうに笑うまろ。
「はぁ?」
「急に悪口言い出したと思ったら、
なんか真剣な顔し始めるし」
絶対見られてた。
全部。
というか、こいつ起きてたよな??
なら、俺の言うこと聞けよ。
「最後なんか、
殴ろうとしてへんかった?」
「……してないもーん」
ふい、と顔を背けようとしたところで、
その反動で腰に痛みが走る。
「……ったぁ……」
「え、どしたん。大丈夫?」
不思議そうな顔でこちらを心配してくるから
「誰のせいだと思ってんの……」
恨みがましく睨めば。
まろは一瞬きょとんとして、
それから思い出したみたいに。
「あー……
昨日ちょっとやりすぎた?」
「全然ちょっとじゃねぇよ」
即ツッコんどいた。
「やって、
夜の時だけいっぱい甘えてくるないこ、
可愛えぇやん?」
悪びれもせず、
そんなことを言ってくる。
「もっとちゅーして、とか。
もっと触って、とか」
「っ……!」
思い出して、
一気に顔が熱くなった。
「……言ってないし」
「言ってましたー、まろ覚えとるもん」
くすくす笑いながら、
まろは俺の腰をさすってくる。
その手つきが妙に優しくて、
余計腹立つ。
「だって、
ないこ途中からずっと泣いとったし」
「泣いてない!」
「泣いてたわ」
ケラケラと笑いながら返された。
「……うざ」
じとっと睨めば、
まろは「ひどー」なんて笑いながら、
さらに身体を寄せてくる。
「でも、
途中で『ぎゅってしたい』って言ってきたん、
めっちゃ可愛かった」
「〜〜〜っ!!」
やめろ。
その話掘り返すな。
羞恥で死ぬ。
枕へ顔を埋めようとした瞬間。
「いたっ……!」
また腰に痛みが走って、
思わず変な声が出た。
すると、
まろが一瞬で笑うのをやめる。
「……ほんまに結構痛い?」
「……お前のせいでな」
むすっと答えれば。
まろは少し眉を下げて、
申し訳なさそうに俺の頭を撫でた。
「ごめんなぁ。
今日、ちゃんと甘やかしたるから」
「……信用ならん」
「えぇー?」
不満そうな声を出しながらも。
まろは俺を抱き寄せて、
額へちゅ、と軽くキスを落とした。
ちなみに。
「あ、5月5日も、俺の日やんね」
なんて。
翌日の昼頃、
ニマニマしながら
冗談めかして言ってきたまろには。
もちろん、
近くにあったクッションを、
全力で投げつけてやったけど。
コメント
3件
長編で青桃さんを摂取できるの幸せすぎるよ…😖💘 4/5から話が始まるなんて思いもしなかったし、日付で立場を変えようとする桃さんだけどやっぱり1枚上手なのは青さんの方なのが好きー!!🫶🏻︎💕︎︎ さーちゃんR書くのほんとに上手すぎて…沢山甘えちゃう桃さんが可愛くて読んでる間ずっと悶えてたよ·͜· ❤︎ やっぱり青桃さんは沼やね…読む度に沼っていく気がする…!!