翌日 蓮は朝からロケへ。
戻りは夕方予定でマネージャーに頼んで
上がり時間に合わせてメンバーを招集して
欲しいと頼んだ。
移動中に皆からメールが届く。
岩本:集まりの件分かった。
なんかあれば先に言えよ。フォローするから。
蓮:ありがとう照くん。厳しいお願いになるかも。
送ると変なキャラクターのスタンプで
了解って返ってきた。
深澤:今 撮影中で少し遅れるかも。
もしかして、お前辞めるとか言わないよな?
休むとかなら分かるけど
彼女のために辞めるっていうのは
無しだからな!
(ふっかさんさすが鋭い…。)
蓮:辞めないよ。大丈夫。
でも聞いて欲しいことがあるのは事実。
後でよろしく🙏
佐久間、阿部、宮舘、渡辺は了解と返ってくる。
ラウ・康二に関しては《電話して!》
と圧たっぷりのスタンプ付きのメールが。
2人には(今 ロケ中だから無理ʅ(°▾。)ʃ)って
返してやった。
そんな中、西園寺さんからのメールが
メンバーメールの中に混ざって送られてくる。
西園寺:忙しいだろうから簡潔に伝えるね。
紫苑ちゃんの体調管理の為に医師と看護師を
確保。半年契約で見てもらえることができた。
それと、2人で住む所用意したよ。
もちろん先生達がすぐ来れる場所の近くね。
レコーディングは4日後からスタート
出来るように準備進めてる。
あと、目黒くんにも
【一緒に歌って欲しい】
って言ったらダメかな?
事務所にオファーしたけど
判断着くまで、時間かかりそうだよね?
とりあえず楽曲のデモと歌詞カード
双方に送っておくね。
家の住所とデモ曲が添付されていた。
タペストリーのようなリズム感と
切ないメロディライン。
紫苑にピッタリ合ってると思った。
鼻歌で歌っているとマネージャーが
食いついてくる。
《それって西園寺さんの…?》
「え?なんで?」
《朝イチで事務所に西園寺さんから連絡来てて
新人の子と目黒くんと
タイアップさせて貰えないかって…》
「社長は……なんて?」
《本人がやりたければ
やってもいいんじゃない?
西園寺さんにはお世話になってるし…って》
蓮は小さくガッツポーズをする。
《もしかして、その事?後で話したい事って》
「いや、それだけじゃないんですけど…。」
《話の腰を折ってごめんね。
そろそろ到着します。また後でね。》
「はい。」気持ちを切り替えロケに挑む。
ーロケ終了ー
お疲れ様でした!
STAFFさん、関わってくれた皆に
丁寧に挨拶を交わし、着替えのため更衣室へ。
ーコンコンー
「はい。どうぞ?」
《目黒くん。この先渋滞しそうだって。
準備出来たから早めに出よう》
マネージャーが伝えに来る。
「分かりました。もう、行けます。」
蓮はカバンを握り歩き出す。
最後の挨拶を交わし車に乗り込む。
事務所まで1時間半。
それまでに出来ることをやっていく。
マネージャーは、集中している
蓮の邪魔をしないようラジオの
ボリュームを少し下げ、
自分の仕事に集中させて貰うことにした。
多少巻き込まれはしたが予定通りに到着する。
すぐ、その足で社長の所に行く。
『・・・・・・。そこまで根回しされちゃ、
ぐうの音も出ないよね?(笑)…ではそのように。』
「ありがとうございます。ご迷惑おかけします。
よろしくお願いします。」
蓮は一礼をし部屋を出ていく。
心の中で喜びを噛み締めながら、
来たエレベーターに乗り込む。
次はメンバーだ。
ーカチャー
「お疲れ様です。」
マネージャーが先に準備をはじめてくれていた。
この話し合いの為に事務所の小会議室を借りた。
ドリンクを用意し、
それぞれのテーブルに置いていく。
わちゃわちゃすることも想定して席を考える。
「スケジュール調整とか、
諸々色々迷惑かけてごめんなさい。」
マネージャーはううん、と首を振る。
《ちゃんと先を見ての判断でしょ?
これも先のSnowManのためだよね?
目黒くんの判断は信じてるから
ちゃんと戻ってきてね。》
「自分のエゴかも…って思ってたんです。
でもそう言って貰えて、少し安心しました。」
蓮は笑って皆を待つことにする。
カチャ……。
続々と部屋に入ってくるメンバー達。
それぞれの名前が置いてある席に着いて行く。
渡辺はエステ帰り。挨拶をした後少し眠そうに
テーブルの上にうつ伏せで寝ようとするのを
宮舘に止められてる。
佐久間と向井は隣同士の席で
ーなんか怖いんだけど…何が始まるの?ー
と2人でオドオドしてる。
阿部は、めめが話するんでしょ?
ちゃんと聞いてあげよ、と2人を諭している。
岩本は蓮に声をかけ何か手伝うことある?
とリーダーらしくサポートにまわろうとしてる。
蓮は「大丈夫。座って」、と席へ促す。
ふっかさんはロケ中で遅れるみたい、
と皆に伝える。ドラマ班の活躍は自分に
とっても嬉しく誇らしいことだ。
5分程たった頃にめめ!ごめん、遅れた…と深澤が
汗をかきながら入ってくる。
大丈夫だよ、お疲れ様といってタオルを
渡してやる。
みんなが席に着いたことを確認し、
蓮は深呼吸をした後、皆を見つめて話し始める。
「忙しいのに集まって貰ってごめん。
大事な話があって…。」
ストップ!!深澤が大きな声で
蓮の話の腰を折る。
深澤:重大な話なのは分かるけど空気が重いよ。
岩本:確かにらしくねぇな。(笑)
佐久間:ニャハ♡
渡辺:さく…うるせえ…(圧)
阿部:茶化さないでちゃんと聞いてあげようよ
めめが決意して決めたことなんでしょ?
宮舘:阿部の言う通り。
目黒から言ってくるのなんてないんだから。
蓮:阿部ちゃん、舘さんありがとう。
「 俺、今 大切にしたい人が居るんだ。」
メンバー達がどよめく。
1部知ってるものを除いて。
「その人は……一般人で……歌が好きで。
声が凄く魅力的で。
でもね、脳に腫瘍があって
大きくなれば圧迫して記憶と
身体機能を失っていくって
医者から告知されてる。
彼女と出会ったのは9月ぐらいかな?
完全に俺の一目惚れだった。
病気のこともあって
彼女は俺のことを心配して
離れようとした。
でも俺は出来なかった。忘れられなかった。
彼女の存在が俺の中でいっぱいになってたから。
そんな時に西園寺さんから
ちょっとした提案を貰って。」
岩本:え?西園寺さんってあのプロデューサの?
阿部:あの楽曲でお世話になった人だよね?
「そう、西園寺さんも紫苑の存在に
気づいてる1人で、紫苑の歌を出したいって
言ってくれてる。
今日事務所に正式のオファーが
来て彼女と歌う事を承諾したんだ。」
メンバー達はへぇーと納得する。
「彼女の病気のこともあるし、
精神的にも負担がかかるから
………俺、半年だけ、休もうと思う。
紫苑の傍に居たいんだ。」
渡辺:別にいいんじゃね?
マネには許可とって
仕事のスケジュールは調整してんだろ?
マネ:(頷く。)
渡辺:ボーカルとして新しい事に挑戦するのって
いい事じゃん。しかも新人だろ?
あの西園寺さんが発掘した人ってことは
すげえやつじゃん。目黒が歌に惚れる奴
って会ってみたいよ。なあ?
向井:めめが惚れ込む娘なんやろ?それだけで
凄い娘やと思うねんけど、それだけの
才能があるなら世の中に送り出したいやんな。
「俺が関わることで売名行為とか、
彼女への風当たりやそれこそ批判も
かなり強くなるだろうと思うし、
体調面でもサポートしたいんだ。
今の状態ではそれは厳しいだろうと思う。
曲を出すまでの期間だけ休ませて欲しい。」
蓮の話を黙って聞いていた翔太が口を開く
渡辺:………ひとついいか?
「何、しょっぴ~?」
渡辺:彼女、その……頭の腫瘍があるんだろ?
仮にこのプロジェクトが無事に終わったとして
その後は?その娘はどうなる?
普通の生活出来ないかもしれないんだろ?
半年って言ってるけど、
それでお前は戻って来れんのか?
お前の覚悟は?
蓮は黙り込む。
ーコンコン。ー
〖お話中失礼します。みなさん。初めまして。
ここからは私が話します。 〗
そこには紫苑が立っていた。
「紫苑……。」
蓮、ごめんね。勝手に入って来て。
皆の注目を集めながら颯爽と
皆の前に歩いていく。
ー続く
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