テラーノベル
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神殿の地下室に漂う空気は、いつもと明らかに違っていた。
重く粘り気のある体臭。
ネコ科特有の過剰なまでに甘く濃密なフェロモンが、部屋の隅々にまで充満している。
「……くっ……ふ……っ」
ベッドの端に腰掛け、肩を激しく上下させているのはMowlだった。
茶色のマントは床に落とされ、胸の黄色いリボンも解けかけている。
黒い猫耳は興奮でピクピクと跳ね、ハチワレ顔は真っ赤に熟し切っていた。
ネコ科の発情期。
季節の巡りとともに訪れる、脳の芯まで灼けつくような本能の暴走。
「どうした、Mowl。いつも以上に匂いがキツいぜ。……そんなに俺に抱かれたいのか?」
ベッドの反対側から、ウェアウルフが低く喉を鳴らして近づいてくる。
黒毛の巨体を揺らし、左の赤目を怪しく光らせて、いつものようにMowlを抱き潰そうと手を伸ばした。
しかし——。
「……違いますぞ」
「あ?」
Mowlが素早い動きでウェアウルフの太い腕をかいくぐり、逆に狼の巨大な体躯をベッドの上へと押し倒したのだ。
ドサリと重い音が響く。
体格差から言えばあり得ない構図。
ウェアウルフが呆気にとられて赤目を丸くする。
Mowlは狼の極太い太ももの間に膝で割り込み、その上に跨がった。
服の隙間から露わになったMowlの下半身。
そこには、普段の思慮深い紳士の面影など微塵もない、雄の本能を剥き出しにした熱情が滾っていた。
「……今夜は……私めが、入れさせていただきます……ッ」
「は……? お前が俺に……? ククッ、冗談だろMowl。お前のその可憐なサイズで、俺の身体に届くとでも……」
ウェアウルフがバカにするように笑いかけた、その瞬間だった。
Mowlは一切の躊躇なく、ウェアウルフの固く閉ざされた後孔へと、己の猛りを一気に突き立てた。
「ぐ……っ!?」
ウェアウルフの喉から、短い詰まった声が漏れる。
狼の強靭な体躯に対し、Mowlのサイズは確かに小ぶりだ。
だが、発情期の熱によって限界まで張り詰めた先端は見た目以上の硬度を誇り、愛液を滑り台にして、容赦なく深部へと滑り込んでいった。
「あ……ぁ……っ! ウルフ殿の……内部……っ、なんて熱い……っ!」
ウェアウルフは微かな圧迫感に顔を顰めたものの、まだ笑みを浮かべる余裕があった。
体躯の差もあり、受容すること自体にはそれほど苦労しなかったからだ。
「く……っ、この野郎……生意気言いやがって……っ! だがな、そんな可愛いサイズじゃ、俺には大した刺激にも——」
ウェアウルフが強がりを言おうとした、次の瞬間。
Mowlが、深く突き刺さった愛器を「引き抜こう」と、一気に腰を引いた。
「——〜〜〜〜ッッッ!?!?」
部屋の空気を引き裂くような、ウェアウルフの悲鳴にも似た絶叫が響き渡った。
「が……ッ、あッ!? な……なんだ……なんだ今の激痛はッ!?」
狼の顔面から一気に血の気が引き、鋭い犬歯が剥き出しになる。
右目の眼帯の下まで歪むほどの激痛。
刺さる時ではない。
「抜く時」に、体内の肉を内側からズタズタに鉤爪で引っ掻き回されたかのような、地獄の痛みが走ったのだ。
Mowlは熱に浮かされた瞳でウェアウルフを見下ろし、荒い息を吐きながら喉を「ゴロゴロ……♡」と不気味に鳴らした。
「……忘れたのですか……? ネコ科の陰茎には……【トゲ】があるのですよ……」
そう、ネコ科の雄のペニスには、角質化した無数の微細な逆向きのトゲが生えている。
刺さる時は滑らかに侵入する。
しかし抜く瞬間。
体腔の内壁へその無数のトゲが爪を立てるように引っかかり、激しい摩擦と痛みを引き起こす構造になっているのだ。
雌の排卵を強制的に誘発するための、進化の毒針。
「刺さる時は滑らかですが……引き抜く時には……内肉を削ぐように引っかかります……っ」
「な……なんだその……悪魔みたいなちんこはっ……!!」
ウェアウルフは冷や汗を流しながら爪をシーツに立てた。
抜け出そうにも、下手に腰を動かせば体内でトゲが暴れ、激痛で動けない。
完全な主導権の逆転。
「はッ……♡ お仕置きですぞ、ウルフ殿……私めを粗暴に扱った……お返しです……ッ!」
「やめっ……待てMowl! 動く——あがぁぁぁぁぁっっっ!!!」
Mowlが発情した本能のまま、猛然と腰を振り始めた。
押し込むたびに体腔の奥を熱く満たし。
引き抜くたびに無数のトゲがウェアウルフの内壁を削るように引っ掻き上げる。
ズリズリ……ッ!
「ぐ……っ、あぁぁぁッ! 痛ぇ……ッ、痛ぇのに……なにか……奥が熱い……っ!?」
「ネコ科のトゲは……排卵を促すほどの強烈な刺激を与えるのです…っ! 狼の分からず屋の身体にも……よく効くでしょう……ッ!」
トゲが与える強烈な痛みの激痛の直後、麻薬のような強烈な痺れと快楽の波が、ウェアウルフの脳髄を突き抜けた。
痛みに絶叫しながらも、狼の先端は見たこともないほど脈打ち始める。
「ぅ……あぁぁぁぁっ! Mowl……っ、やめ……っ、抜け……っ、いや抜くなっ……ぐぁぁぁっ!」
「抜けと言ったり抜くなと言ったり……勝手な狼です……ッ!」
上からウェアウルフの胸板を押し潰しながら、Mowlは狂ったように腰を突き立て続けた。
いつもの立場は完全に崩壊し、巨躯の狼がベッドの上で背中を丸め、痛みに涙を浮かべながらネコ科の「トゲ」によって開拓されていく。
「……発情期は、まだ始まったばかりにございます。私めが完全に満足するまで……このまま繋がっていただきましょう…♡」
ゴロゴロ…ゴロゴロ…ッ♡
「くそっ……クソがっ……この、バカ猫……ッ!!」
発情期の小さなネコがもたらす地獄のような快楽の拷問に、狼の咆哮はいつまでも響き続けるのだった。
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城プル
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ゆ(旧「ゆゆゆゆ」)
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