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あざっす「?」
今回は「角名先輩の甘い毒_。」です
ぜひお楽しみを_。
_profile_
ヒロイン
四ノ宮 紬 「̪̪シノミヤ ツムギ」
1年2組 可愛い系 ちょいモテ
like❤ ちょこれーと
but💔 ナルシスト
ヒーロー
角名 倫太郎 「スナ リンタロウ」
2年1組 イケメン✨
like❤ チューペット
but💔 なし
Start
放課後、オレンジ色の西日が差し込む図書室は、まるで時間が止まったような錯覚に陥る。
古びた紙の匂いと、微かに聞こえるグラウンドからの掛け声。
私は、図書室の一番奥にある、背の高い本棚に囲まれた「死角」のような席に座っていた。
そこは、私とバレー部の先輩角名さんの、いつの間にか決まった「定位置」だ。
「……紬。そこ、さっきも間違えてなかった?」
低く、少し鼻にかかった気だるげな声が、静かな空間に溶け込む。
顔を上げると、頬杖をついた角名さんが、眠たそうな瞳で私のノートを覗き込んでいた。
「えっ……。あ、本当だ。すみません、私、やっぱりバカで……」
慌てて消しゴムを手に取る私。
隣に座る角名さんからは、汗拭きタオルの石鹸のような香りと、彼特有の冷ややかな体温が伝わってくる。
角名倫太郎。
稲荷崎高校バレー部のミドルブロッカー。
コートの上では「食えない奴」と恐れられる彼は、勉強においても驚くほど効率的だ。
バレー部のマネージャーとして、そして一人の後輩として、私はそんな「完璧」な彼に、密かに、けれど深い憧れを抱いていた。
「……ねぇ、紬。集中してる?」
角名さんの指が、机の上をトントンと規則正しく叩く。
その細くて長い指先に、私はどうしても目を奪われてしまう。
「し、してます! 角名さんが教えてくれるの、すごく分かりやすいから、完璧に理解したくて……」
「ふーん。……でも君さ、さっきから俺の手ばっかり見てない?」
心臓がどくん、と大きく跳ねた。
バレていた。
私は慌てて視線をノートに戻すが、赤くなった耳たぶまでは隠せない。
「……あ。図星なんだ。可愛いね、紬は」
角名くんがクスクスと喉を鳴らして笑う。
「図星じゃないですもん...」
からかわれているのは分かっている。
彼はいつだってこうだ。
余裕たっぷりで、私の動揺を楽しんでいる。
「攻略不可」なのは、バレーのブロックだけじゃない。彼の本心も、私にとっては難攻不落の城のようだった。
「……じゃあ、これ。解けたらご褒美あげようか」
角名さんが私のシャープペンシルを奪うと、ノートの余白にサラサラと難解な数式を書き込んだ。
「えっ、ご褒美……ですか?」
「そう。君が欲しがりそうなもの」
欲しがりそうなもの……。
彼の写真? それとも、部活中に使える特別な許可?
私の頭の中は、彼に関する「欲しいもの」でいっぱいになる。
私は必死にノートに向き合った。
横に座る彼の視線が、私の首筋や横顔をじっと這っていることにも気づかずに。
数分後。
ようやく答えを導き出した私は、弾んだ声で顔を上げた。
「角名さん、できました! 答えは、……っ、」
言葉が、喉の奥に張り付いた。
いつの間にか、角名さんの顔が、すぐ隣にあった。
触れそうなほど近く。
彼の吐息が私の頬を掠め、長い睫毛の隙間から覗く瞳が、私を真っ直ぐに射抜いている。
「……正解。よくできました」
そう囁く彼の声は、これまでに聞いたことがないほど甘くて、重い。
「あの、角名さん……近い、です……」
「近くないと、ご褒美あげられないでしょ」
角名さんの手が、私の机についていた左手を、上からゆっくりと覆った。
冷たいはずの彼の指先が、今は嘘みたいに熱く感じる。
「……紬。君、俺のこと『尊敬する先輩』って思ってるみたいだけど」
角名さんが首を傾け、私の耳元に唇を寄せる。
「……いつまでも、そのままでいられると思わないでよ」
攻略不可の境界線。
その向こう側にある、彼の「独占欲」に、私はまだ気づいていなかった。
「……四ノ宮。君、俺のこと『尊敬する先輩』って思ってるみたいだけど」
角名さんが首を傾け、私の耳元に唇を寄せる。
彼の低い声が鼓膜を震わせ、背筋にゾクりと熱いものが走った。
「……いつまでも、そのままでいられると思わないでよ」
重なった彼の手が、私の指の間を割るようにして、ゆっくりと指を絡めていく。
恋人繋ぎ。そう呼ぶにはあまりに強引で、けれど拒絶なんて到底できないほど、彼の力は静かに私を支配していた。
「あ、の……角名さん、手が……」
「何? 嫌なら振り払えばいいじゃん。……できるなら、だけど」
彼はわざとらしく、絡めた指にぐっと力を込めた。
視線を上げると、至近距離にある彼の瞳は、いつもの「無気力な先輩」のものではなかった。
もっと暗くて、獲物を追い詰めた時の蛇のような、粘り気のある執着。
「……っ、」
私は息を呑み、動けなくなる。
図書室の静寂が、私たちの心臓の音を際立たせている。
彼の手は冷たいはずなのに、触れている場所から火がつくように熱くなっていく。
「紬さ、さっき『ご褒美』って言ったよね」
「は、はい……」
「俺さ、君が欲しがりそうなもの、大体わかるんだよね。……例えば、これとか」
角名さんが空いている方の手で、私の頬をそっとなぞる。
親指が私の唇の端に触れ、少しだけ押し込まれた。
柔らかい粘膜に触れる彼の指先。その感触に、頭の中が真っ白に弾ける。
「……んっ、」
小さな、情けない声が漏れてしまう。
角名くんはそれを見て、満足げに口角を上げた。」
「……いい声。図書室でそんな声出すんだ」
意地悪く囁く彼の唇が、私の耳たぶを掠める。
「先輩」という安全な境界線が、音を立てて崩れていくのが分かった。
「……今日はここまで。……続きは、また明日」
彼はパッと手を離すと、何事もなかったかのように椅子から立ち上がった。
残されたのは、指先に残る痺れるような熱と、激しく波打つ私の鼓動だけ。
「じゃあね、紬。……ちゃんと復習しといてよ。」
ひらりと手を振って歩き出す彼の背中。
攻略不可だと思っていた先輩の、底知れない独占欲。
私は、自分がとんでもない「毒」に当てられてしまったことに、ようやく気づき始めていた。
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コメント
1件
何だろう、すごくえっちく感じてしまった(訳 官能小説読んでるみたいでえろタヒにそう)