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霞柱と或る隠の話

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霞柱と或る隠の話

1 - 第1話 大好きな幼馴染み

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2026年01月12日

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傍にいたい。

たとえあなたが何もかも忘れてしまっていても、私のことが分からなくても。

覚えてなくてもいい。

私は、この先どんなことがあったとしても、ずっと、あなたを傍で支えると心に決めたの。







大好きな幼馴染み

・・・・・・・・・・

今日も両親のお店を手伝う。

歳の近い子どもたちが、うちのお店にちょっとした玩具やお菓子を買いに来て、私と少しお喋りをして帰っていく。

顔馴染みの大人のお客さんたちも「茉鈴(まりん)ちゃん、いつもお疲れさん」なんて言いながら私にお土産をくれる。


特別大きなお店ではないけれど、お店の手伝いをしながらお客さんたちと触れ合うこの生活がとても好きだった。



2週間に一度くらいの頻度でお店に来てくれる親子。

優しそうな杣人のお父さんと、その息子は双子の男の子。

木を切って、それを担いで山から麓のこの村まで下りてくる。必要な人にそれを売り、得たお金で生活に必要なものを買って、また山へと戻っていく。


その子たちは、有一郎くんと無一郎くん。私の2つ歳下だった。しっかり者の有一郎くんと、おっとりした無一郎くん。いつもお揃いの柄の色違いの着物を着ていた。


歳が近いということもあって、知り合ってからあっという間に仲良くなった私たちは、彼らが村に下りてきている時、よく一緒に遊んだ。近所の子どもたちを交えて遊ぶこともあったし、3人だけで遊ぶこともあった。


村がある場所の標高には咲いていない花を摘んできて私にプレゼントしてくれる無一郎くんと、たくさんの花で編んだ花冠をそっと私の頭に被せてくれる有一郎くん。

歳下だけれど、優しい2人のことが私は心から大好きだった。


“恋”かと言われると、よく分からない。どちらを好き、とか考えたことがなかったし、私は“有一郎くん”と“無一郎くん”という人が同じくらい大好きだったの。


定期的に山から下りてくる彼らと会える日が、いつも待ち遠しくて、 時透家にあげるお土産を準備してお店の番をしながら彼らを待っていた。






ある年、私は2人のお誕生日に向日葵の花をプレゼントした。彼らはとても喜んでくれて、花が終わりを迎えたらその種を自宅の庭に植えて育てると言ってくれた。

“あげて満足”な性格の私はそのことをすっかり忘れていたけれど、数年後、なんと2人は私の12歳の誕生日にあの時の種から育てた向日葵を花束にしてプレゼントしてくれた。

嬉しくて嬉しくて。私はひと月後の2人の10歳のお誕生日に何をあげるか、その日から胸を踊らせていたのを覚えている。







そんな幸せな日常が、この先もずっとずっと続いていくのだと、私はその時信じて疑わなかった。






続く





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