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「あべこべな相棒とのミステリー」の第3話を書き終えた星縁陣(せえじ)。
いつも通り昼ご飯を食べていると、ピーンポーン。とインターホンが鳴る。
「ん?」
インターホンモニターのところへ向かう。するとウキウキした顔のビガードンが立っていた。
「ん?」
玄関に行って扉を開ける。
「おはよーっ!」
元気いっぱいのビガードンが手を挙げて挨拶してきた。
「お…おはよう…」
「あ、お昼ご飯の最中だった?なんかごめん?」
「あ、いや全然。…入る?」
「あ、大丈夫?じゃ、お邪魔します」
と入ってくるビガードン。
「ごめん、なんか…狭くて」
「まー…自分たちの家と比べるとどこも広くはないから気にしないで!」
と言われて
ま、そうだよな
と思う星縁陣。
「どうかしたの?急に」
「いやぁ〜この気持ちは直接伝えなきゃと思ってぇ〜」
と照れ照れと後頭部を掻くビガードン。
「あっ!でも告白とかではないからねっ!?勘違いしないでよねっ!?」
と一人でわたわたするビガードン。
「うん。期待はしてないよ」
「あ、そお?」
「死の悪魔から告白されてもね?死が近づいてるみたいで…」
と苦笑いする星縁陣。
「たしかに」
と笑うビガードン。
「で?なに?伝えたいことって」
と星縁陣が言うと
「最新作読んだよ!!」
と目を輝かせて言うビガードン。
「あ、え。マジ?あ、どうも、ありがとう?」
「いやぁ〜まさか殺人犯が探偵の相棒になるなんて予想だにしなかったなぁ〜うんうん。
しかも星縁陣初のシリーズ作品。これからの展開が楽しみで楽しみで」
とキラキラ輝く純粋な目で言うビガードン。
「おぉ…。なんか…照れくさいな…」
今までも描いた作品をネットの小説投稿サイトや小説投稿アプリなどで投稿していたが
コメントなど貰ったことがなかった。
コメントですら「面白かったです」とか「また読みたいです」とか賛辞の言葉どころか
「つまらん」「面白くない」「トリックが破綻してる」とか批判の言葉も貰ったことがない。
ネットでもなにも言ってもらえないのだから、面と向かってなどあるわけがない。なので、照れた。
「いやぁ〜これはファンついちゃうんじゃない?」
「え、いやないよ、ないない」
「コメントも貰えるかもよ?」
「いやぁ〜…」
「そのコメントしてる人が実は出版社の人で
「ぜひうち(出版社)で本出させてください」なんてDMが届いたりして」
「いやいやいや」
最初は真顔で「ない」と言っていた星縁陣だったが、徐々に顔が綻んでいた。
「でもマジで星縁陣にはいい思いをしてほしいんだよなぁ〜」
それは来年には死ぬからですか?
とは口には出さなかった。
「ありがとう」
「でもマジでおもしろかったよ?割とリアルに評価高いと思うけど」
「ありがとう」
「でもあれかぁ〜。悪魔と人間の感性って違うのかなぁ〜」
と考え込むビガードン。
「どうなんだろうね。オレの過去のやつはどう思った?読んでくれたんでしょ?」
「うん、読んだ」
「ど、どうだった?」
ゴクンと固唾を飲んで返事を待つ星縁陣。
「おもしろくはなかったかな」
と笑顔で言い放つビガードン。
「お…おぉ…そうか…」
喰らった星縁陣だったが
ん?ということは人間と感性が大差ないってことか?
と少し希望持てた。
「そういえばビガードンだけ?オレの小説、のようなものを知ってるの」
「あぁうん。ま、同じ悪魔のアファノホとデトルンボは知ってるだろうけど」
「え、なんで?」
「オレがいろいろ星縁陣の小説のことについて考えてるのわかってるだろうし」
「…。ん?どゆこと?」
「あれ?言わなかったっけ?悪魔同士は心が読めるって」
「…」
「ん?」というキョトンとした表情でとてつもないことをサラッっと言ってのけるビガードン。
「え!?え!?心が読める!?」
「うん。最初会ったときとか、言いーませんでしたっけ?」
出会ったときのことを思い出して謎に敬語になる星縁陣。
「言われてー…ないんじゃない?正直初めて会ったときのことは印象深いけど
会話に関しては全然覚えてないんだよね」
「あぁ〜そうなんだ」
そんな話をしてお昼ご飯を食べ終えた星縁陣。
「これからどうすんの?」
ビガードンがキッチンにいる星縁陣に聞く。
「これから?これからー…。特には考えてない」
「そうなんだ?」
「そっちは?」
「オレ?オレも特には」
「いつもなにしてんの?」
「んー…。ま、大抵は部屋でテレビ見てるかなー。たまにゴージェとゲームしたりもするけどー」
「仕事とかしてないんだ?」
「まー。お金を稼ぐ仕事はしてないかなー」
「お金を稼ぐ仕事“は”してない?」
少し引っ掛かった星縁陣。
「まー、悪魔なんで、たまに魔界に戻っていろいろと」
「え、そんな簡単に魔界って戻れるもんなの?」
「悪魔なら簡単に」
と得意気な顔をしながら角を生やして見せるビガードン。
「へぇ〜。ちなみにどんなやり方なの?」
「魔界行きたいの〜?」
「…行き…たくはないけど気になりはするかな」
「まー、よくあるじゃん?魔法陣を描いてどうのこうのぉ〜みたいな」
「あぁ、黒魔術ね」
「それ!あれってたぶん人間が悪魔から直接聞いたやり方なんよね。
やり方ー…ま、だいぶ改変されちゃってるけど
最初に行った人はたぶん魔界に帰った悪魔に会いたかったんだろうね。
その跡を見たのか、それとも実際にその儀式を見た第三者が実際に自分でやってみて
うまくいかなくてメモして、そのメモに書き足してってのを繰り返してるうちに
変わっちゃったんだろうなぁ〜。ちょっと違うけど、ま、だいたいはあんな感じ」
「へぇ〜」
「ま、悪魔が描く魔法陣ってのは悪魔が描いた時点で魔力が込もってるものだから
人間が魔界に行く、もしくは悪魔を呼び出すときは
まずは魔法陣に魔力を込めるとこのハードルが高いんよねぇ〜うんうん」
腕を組んで頷くビガードン。
「あぁ〜。なるほど」
「暗い部屋で行うとかは合ってるんだけどねぇ〜」
「そうなんだ?」
「うん。なるべく魔界に近い環境というか、に近づけないとだから
どういう悪魔に会いたいか、魔界のどういう地域に行きたいかによって
魔法陣付近のレイアウトを変えなきゃなんだよねぇ〜」
「え、じゃあよくある蝋燭に火をつけて、っていうのは」
「あれは火の悪魔らへんが出てくる感じになる。魔界に繋がる穴が現れても
まあ、火の国的なところに繋がっちゃうから、まー、普通の人間は足を踏み入れられない」
「なるほどね。…ってか普通の人間が足を踏み入れられる場所は魔界にあるの?」
「あぁ〜…」
と言って人差し指を顎にトントンしながら、斜め上を向きながら考える。
「…」
「…」
「…ないかも」
「ないんだ」
考えた末、なかったらしい。
「ない…なぁ〜」
「ビガードンの…なんていうの?出身地は?」
「出身地」
「ぷっ」っと笑うビガードン。
「オレのとこはドクロとか「死」に関係する、近しいアイテムを側に置いて
魔法陣を描いて、うまくいけば繋がる、もしくは出てくると思う」
「ん?あ、違くて。人間は行けないの?」
「あぁ。他のエリアに比べたら行けなくはない、けどー…。生気吸われるんじゃないかなぁ〜…」
「生気吸われる!?」
「うん〜…。たぶん。環境的には熱く(暑く)もないし、凍えることもないけど
寿命とか生きる力?活力?が吸われていくと思う」
「怖」
「あぁ〜。あのぉ〜…誘惑の悪魔ってのもいるのよ」
「誘惑?」
「あのぉ〜、睡魔とか淫魔とか言うじゃん?」
「はいはい、あるね」
「あれは全部誘惑の悪魔の仕業で、そのエリアも人間は立ち入れるっちゃ立ち入れるけど
やっぱ人間だと睡魔に負けて起きられなくなったり、性欲が高まりすぎておかしくなっちゃったりするらしい。
だから基本は魔界には人間は立ち入ることはできないね」
「へぇ〜…」
悪魔の世界の話は聞いて納得?できた星縁陣。しかし悪魔の世界の話を聞いたら聞きたくなるのが
「悪魔の世界、魔界?はそうだとして、天使がいるのは天界?だったりするの?」
そう、天使の住む世界の話である。
「あぁ〜天界ね。もちろんあるよ」
「あるんだ」
あった。
「行ったことはないけど」
「ないんだ?」
と星縁陣が言うと目を丸くして驚くビガードン。
「ないでしょ?ふつーに考えて。オレ悪魔よ?」
「あぁそうか。いや、なんか、うん。普通に考えればそうなんだけどさ
なんかもう普通が普通じゃなくなってるからさ」
「普通が普通じゃなくなってる。深いこと言いますなぁ〜。さすがは小説家」
「小説家じゃないけどね。本出してないんだから」
「おぉ…」
なんとも言えなくなるビガードン。
「天界にも、なんか魔法陣とかなんかすれば行けるもんなの?」
「行けるよー。うち(家)に住んでる天使連中もちょいちょい帰ってるし」
「あ、なんかオレたち(人間)と似てんのね。お正月とか夏休みとかに帰省するみたいな」
「あぁ〜たしかに。でももうちょいフランクかな。パッっと行ってパッっと帰ってこれるし」
「そんな気楽なもんなんだ?」
「ま、もちろん向こう行ったらいろいろチェックとかはされるよ?
でも電車とか飛行機とか乗らなくていいし。天使らよりオレら(悪魔)のほうが気軽かなー。
暗ければ部屋じゃなくても全然いけるし」
「あ、え。あ、そうなんだ?でもさっきの話だと、部屋で魔法陣とか」
「あぁ、それはあくまでも“人間”が…あくまでもだって。悪魔なだけに」
と自分の発言で笑うビガードン。
「おぉ…悪魔ギャグ」
「あれは人間が魔界への出入り口、もしくは悪魔を呼び出すためのやつ。
さっきも言ったけど、人間が魔界への出入り口、悪魔を呼び出すためには
まず魔法陣に魔力を込めることから始まるのよ。
その魔力を込めるってなると、なるべく狭い部屋で魔力を凝縮したほうが成功率上がるのよ。
オレたち(悪魔)はオレたちが描いた時点でその魔法陣に魔力は込もってるから、暗ければどこでも大丈夫」
「路地裏とかでも?」
「いけるね。ま、人が見てないときだけどね」
「あぁ。天使は?ダメなの?」
「天使は悪魔とは逆でなるべく明るいところじゃないとダメらしいから
どこでもいけるっちゃいけるけど、ちょっとあれかもね」
「あ、そうなんだ?」
「うん。魔法陣もピッカピカに光っててさー?暗いとこでやったら目立つ目立つ」
「あ、なるほどね。目立っちゃうわけか」
「そうそう。人間からしても天界への出入り口、天使を呼び出すってほうがハードルは高いかもなぁ〜…。
ん?そう考えると悪魔って舐められてんのか?」
と一人で百面相をするビガードン。
「え、天界は人間は行けるの?」
「…どうなんだろ。天界は行けるとか聞いたこともあるけどー…。わかんない」
と笑うビガードン。
「おぉそうか」
「行きたいの?」
「んん〜…」
唸っているが頭の中には明確な文字が浮かんでいた。
寿命
来年にはこの世にはいない。いまだに信じられないが
もっと信じられない悪魔や天使の存在を、今や信じざるを得なくなっていた。
なので「来年にはこの世にいない」ということも、信じたくはないが
信じなきゃならないんだろうな。とは思っていた。
来年にはこの世にいなくなる。なにもできなくなる。だったら
「うん。まあ、経験できることはしておきたいかな」
経験したことないこと、経験できること、経験したいと思うことは経験してみたいと思っていた。
「まー、じゃ、うちの天使らに聞いといてみる。ちなみに今日の夜はどうする感じ?」
「今日の夜?いつも通りバイト行って帰ってきて続き書くかな」
「なるほど?」
ビガードンが考え込む。
「とりあえずゲームでもする?」
そんなビガードンにパスタイム スポット 4のコントローラーを見せる星縁陣。
「おぉ!やろやろ!」
とビガードンもソファーに移動する。
「とは言ってもコントローラー1つしかないんだけどね…」
と苦笑いする星縁陣。ジト目で見るビガードン。
「友達とかいないの?」
ビガードンの言葉が槍のように心に刺さる星縁陣。
「ま…青森出身なので…」
ま、青森でも友達少なかったけど…
と思い、不覚にも自分で自分の心に針を刺してしまった星縁陣。
「そっか」
「ま、弟がこっち(東京)にいるけど、うち(家)には来ないし」
「あぁ〜。知ってる知ってる」
「知ってんの!?」
「星縁陣の前情報はいろいろと入れてきてるから」
と笑顔でこめかみを人差し指でトントンするビガードン。
「すご」
「てか協力プレイできんやん」
「いや、リアル協力で」
「リアル協力?」
「オレが後ろで助言する感じ」
「ガヤじゃん」
「まあね」
「ていうかパス4じゃん!5じゃないんだ?」
「買えんて」
なんて仲良く話しながら仲良くゲームをして星縁陣のバイトまでの時間を2人で過ごした。