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アゲハ「あっ!あれを見て!」



見れば、エマの腕の中に…


何と、小さなウサギがいた!



メラ「ウー助か!」




何やらあのウサギについて知っているようで、メラが身を乗り出した。




アゲハ「ウー助?」




アゲハが首を傾げる。



メラ「2年の皆で、先生に秘密でこっそり飼ってるウサギだ。なんてこった…」




メラが問いに答えた後、困った風な声色になる。



アゲハ「小さな命を助ける為に…エマは優しいじゃないかーっ!!」


みんな「そ…そうね…」


ジンペイが感動の余り大号泣するが、皆には少々引かれる。



と、ジンペイが勢いよく操縦席から立ち上がった。


ジンペイ「俺が助けに行く!」


みんな「ええええええ!?」


無謀としか言いようの無いジンペイの宣言に、勿論皆は止めようとするが、



ジンペイは聞く耳を持たずコックピットから走り去った。慌てまくる皆。




ふと見れば、爆発へのカウントダウンはもう120を切ろうとしている!まさに一刻の猶予も許されない状況。



アゲハはどう動けば正解なのか、歯痒そうな表情をしつつ考える。



コックピットに残っている面々は、先程の拳を前に突き出したポーズのまま耐えている。



ジンペイは急いでガッコウガーYの中を全速力で走る。


ジンペイ「どこだーっ!エマーッ!」


だが、何のあてもなくガッコウガーYの中…すなわち、巨大な校舎の中を走り回るのは無謀というもの。



さすがのジンペイも困り始めようとしていると…


コマ《ジンペイ君、その先を右に進んで!》


イヤーチップから、コマの声が響いてきた。これは助かる。


ジンペイ「分かった!」


ジンペイは頷くと、凄い速度でエマのもとに走る!!


一方、エマもピンチに陥っていた。



斜めになったガッコウガーYの右腕の中で、窓にしがみ付いて耐えていた。だがそろそろ腕も限界。



ウー助を抱き抱えている為、必然的に片腕に全体重が掛かってしまう。



すると!エマに、この状況ならば聞こえる筈のない人物の声が聞こえた!



ジンペイ「エマ────ッ!」


エマ「!?」


声のする方を、条件反射で振り向く。すると!



廊下の先に、何とジンペイがいた!


ジンペイ「ジンペイさん!」


エマ「待ってろ!今からそっちに…あっ!!あたたたたた~~」


感極まった声でジンペイを見るエマだが、ジンペイは何と最悪のタイミングでつまずき、転んでしまった!




そしてゴロゴロと転がって、エマを通り過ぎる。


エマ「ジンペイさーん!!」



今度は、腕が反対側に傾く。




エマ「きゃーっ!」




エマは窓の淵に何とかしがみつき耐えるが、ジンペイはまたもゴロゴロと転がる。




だが、何とかエマの膝に掴まり、そこからエマの手を両手でガシッと掴んだ。


ジンペイ「オレが絶対助ける!だから、しっかり捕まってろ~!!」


マタロウ「いや、どう見てもキミが捕まってるよね!?」


マタロウがモニター越しにツッコむ。



だが、この際そんな事どうだっていい。エマは勢いよく頷いた。


エマ「わ、分かりました!」


窓の淵に掴まるエマ、そのエマの腕にぶら下がるジンペイ。



側から見れば限りなく危ない体制だ。



年上とは言え、女子に男子の全体重を預けるのは流石に無理があり…と、ついに限界が来てしまう!!


エマ「うーん…うーん…やっぱりダメーー!」


エマはとうとう手を離してしまい、2人は真っ逆さまに落ちていった。



着いたのは、何だかよく分からない場所だ。


ジンペイ「イタタタタ」


無傷とは言えないけれど、2人、そしてウー助は無事だ。


アゲハ《ジンペイ、そこから下の方、校門ブロックへ向かって!》


イヤーチップからアゲハの声が。


ジンペイ「そうか、コウモンか!」


ジンペイは、近くの通風口に視線を向けると、エマの肩をガシッと掴んだ。


ジンペイ「エマ、オレ達はこれより、コウモンから脱出する」


アゲハ「コウ…モン…!?」


ジンペイ「ああ、コウモンだ!!」


ジンペイは、ウー助を頭に乗せ、エマをお姫様抱っこすると…



コウモン向かって走り出した!!



勿論、楽々と校門に到着なんて出来ない。



道中、瓦礫が降ってきたりなど、危険な事は山程あったけど、諦めずに走り続ける!



そして、ついに2人は校門前に到着した!




…だが、校門は瓦礫ですっかり埋まってしまっていて、出口が見えない。




こんな有様では、脱出なんて到底無理である。


ジンペイ「…コウモンが詰まっている。いわゆるフン詰まりってやつだ…」



ジンペイは思わず膝をつき、何故か泣き始めた。




エマは顔を赤く染めている。


エマ「フン詰まり…ぽっ」


ジンペイ「どうすればいいんだーっ!」


頭を抱え、悩むジンペイ。



すると、突然閃き、「あ、そうだ」とズボンのポケットから小さなピンクのパイナップルみたいな物を取り出した。




それは、以前フブキがくれた『特製ピーチパイナップル爆弾』だった!



メテオゴンの自爆まで、あと30秒!!



コックピットにいる皆は、冷や汗を垂らした。



ジンペイは、恐る恐る慎重に手榴弾の安全ピンを抜く。


ジンペイ「…エマ、下がってろ!」




そう言うと、助走をつけて、思い切り振りかぶり…巨大な瓦礫の山に向けて、手榴弾を投げつけた!



それと同時に、手榴弾が眩しく光を放つ!


ジンペイ「頼むっ!!」


手榴弾は、瓦礫の真ん中で大爆発を起こした。




さすがフブキ特製ピーチパイナップル爆弾。効果は思っていた以上である。



すると!



凄い轟音と共に、詰まっていた瓦礫がガッコウガーYから吐き出されていく!




ジンペイ「イヤッホー!!」


2人と1匹は、瓦礫と共に外に流れ出てきた。



ジンペイはきれいに着地したあと、エマとウー助をナイスキャッチ。


ジンペイ「コマ君、アゲハ、こっちはスッキリ快便避難した!気持ちよく戦ってくれ!」


コマ「了解!」


コマ「行くぞーっ!」


うなずくアゲハ、合図をかけるコマ。



その合図に合わせ、5人は勢いよく拳を放った!


みんな「ファイナル~ クラッシュ~ッ パーーンチ!!」


それと同時にガッコウガーYのエンジンが大きく噴射!



必殺技のロケットパンチが、メテオゴンに勢いよく放たれた!



その拳は、メテオゴンのアゴに見事にクリーンヒット!!



メテオゴン「やられたゴーーンッ!」



メテオゴンは天空へと飛んでいき、爆発!



見事に砕け散った!




──戦いは終わった。

アゲハ達は操縦席から、ジンペイとエマは並んで、地上に降り注ぐメテオゴンのキラキラと光る結晶を眺めていた…

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