テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ちょ、みてくださいよこれ
https://bbs.animanch.com/board/2291435/
太宰治が女だったら?ってスレ。
ニヤケが止まらねぇよ
あ、ドス太♀です。
どうぞ
冷え切った地下室の空気は、それ自体が重い粘性を帯びている。外界から隔絶されたその場所には、ただ二人の存在を証明するためだけの沈黙と、時折響く機械の駆動音、そして——。
「……っ、ふ、や、やめて……ドストエフスキー、……」
湿った衣擦れの音と、か細い拒絶の言葉が混ざり合う。
薄暗い照明の下、床に敷かれた上質な絨毯の上で、太宰は組み敷かれていた。
彼女は生まれながらに女という性を持ってこの世に産み落とされた。それゆえの細さ、それゆえの華奢さ。焦茶色のゆるふわなロングヘアは、今は乱れて床に広がり、細長い指はさながら囚われた蝶の羽のように頼りなく震えている。
「やめて、などと。貴女の身体は、言葉とは裏腹にこんなにも熱を帯びているというのに」
その上に重なるフョードル・ドストエフスキーの声音は、どこまでも穏やかで、底知れない慈愛に満ちていた。彼の細く白い指先が、太宰の頬を撫で、首筋を通り、鎖骨のくぼみをなぞる。
太宰は必死に彼を押し返そうと、包帯の巻かれた細い腕を伸ばした。しかし、ドストエフスキーは微動だにしない。物理的な力の差以上に、彼が放つ圧倒的な「抱擁」の圧力が、太宰の戦意をじわじわと溶かしていく。
「私、は……別に、君に……っ、あ、」
太宰は男の時と変わらぬ口調で、皮肉の一つでも言ってやろうと唇を開く。けれど、ドストエフスキーがその隙間を縫うように、彼女の首を甘く噛んだ瞬間、言葉は意味をなさぬ吐息へと変わった。
彼女は、快感というものに対してあまりにも無防備で、弱かった。
自分自身を呪うような、それでいて甘美な痺れが背筋を駆け上がる。
「太宰さん。強がらなくていいのですよ。ぼくは貴女のすべてを、その罪も、その脆さも、余さず受け入れるためにここにいるのですから」
再び彼女を組み敷き、ドストエフスキーはその長い髪を愛おしそうに指に絡めた。
太宰の瞳に涙が溜まる。彼女はすぐ泣いてしまう。悲しいからではない。あまりにも強烈な熱量に晒され、自分という輪郭が融解していく恐怖と恍惚に耐えきれないのだ。
「う、……あ、……ぁ、……やだ、……」
余裕がなくなればなくなるほど、理知的な言葉は削げ落ちていく。
あんなに流暢に死を語り、人を煙に巻いてきた唇からは、今や幼子のようなひらがなばかりが溢れ出す。
「ふ、……ぁ、……い、いたい、……ちがう、……いたくない、けど、……おかしく、なっちゃう……」
「ええ、おかしくなっていいのですよ。ぼくの前でだけは、賢明な貴女を脱ぎ捨てて」
ドストエフスキーの愛は、暴力的なまでの包容力だ。
彼は太宰が逃げようとすればするほど、より深く、より優しく彼女を縛り付ける。その腕の中に閉じ込められることは、自由を奪われることと同義でありながら、同時にこの世で唯一の「安息」を保障されることでもあった。
彼は太宰の涙を舌先で掬い取った。塩辛い雫さえも、彼にとっては神への供物のように尊いらしい。
湿った音が静寂を打つ。
首筋に刻まれる赤い痕。それは、この世の誰にも触れさせないという、静かなる独占の証。
太宰は、彼に組み敷かれている現状を拒もうともがく。プライドが、理性が、この男に屈服することを許さない。けれど、華奢な身体に刻み込まれる快感の疼きが、彼女の裏切りを誘う。
「……ね、……ふょ、どる、……だめ、……それ、……」
「何がだめなのですか?」
「……きもち、よ、……すぎる、の……」
正直な吐露に、ドストエフスキーは満足げな笑みを深めた。
彼は彼女の細い腰を引き寄せ、逃げ場を完全に断つ。太宰の身体は、もはや彼の導きなしには呼吸さえままならないほど、そのリズムを支配されていた。
深い口付けが交わされるたび、太宰の脳内から複雑な思考が剥がれ落ちていく。
ポートマフィアのこと、武装探偵社のこと、死にたいという願望さえも、今は遠い霧の向こう側だ。目の前にいる、魔人の熱だけが、唯一の現実。
「……ぁ、……は、……ぁ、……んんっ!」
頂点へと押し上げられる瞬間、太宰は彼の背中に爪を立てた。
けれど、ドストエフスキーは顔色ひとつ変えず、むしろその痛みを愛でるように彼女を強く抱きしめた。
彼女の細い、儚い、美しい身体が、彼の腕の中で幾度も跳ねる。
溢れ出した涙が髪を濡らし、絨毯を濡らす。
やがて、激しい嵐が過ぎ去った後のような静寂が戻ってきた。
太宰は、事後の余韻の中で、完全にぽやぽやとした状態に陥っていた。
あれほど鋭かった眼光は影を潜め、焦点の合わない瞳でぼんやりと天井を見上げている。難しい思考を司る回路は完全にショートし、残っているのは本能的な甘えの欲求だけだ。
「……ふえ、……」
太宰は、力なく横たわったまま、隣で自分を見つめるドストエフスキーの服の裾を、ぎゅっと指先で掴んだ。
それは、さっきまでの拒絶が嘘のような、無垢な甘えの仕草だった。
「……ふょー、どる……」
「はい、太宰さん」
「……どこ、いかないで、……」
「どこへも行きませんよ。貴女がぼくを必要とする限り、いえ、必要としなくなっても、ぼくはここにいます」
ドストエフスキーは、彼女の乱れた髪を丁寧に整えてやる。
今の太宰は、自分がかつてどう振る舞っていたかさえ思い出せない。ただ、この大きな包容力を持つ男に身を委ね、甘やかされることだけを望んでいた。
「……ねむ、い……」
「おやすみなさい。良い夢を。夢の中でも、ぼくが貴女を守りましょう」
太宰はこっくりと頷き、彼の胸元に顔を埋める。
華奢な彼女の身体は、ドストエフスキーの外套に包まれると、まるで見えなくなってしまいそうだった。
彼女は、彼に組み敷かれ、支配され、そして愛されることで、ようやくこの不完全な世界での居場所を見つけたのかもしれない。
すー、すー、と。
規則正しい寝息が聞こえ始める。
ドストエフスキーは、眠りに落ちた彼女の額に、静かな口付けを落とした。
その瞳に宿るのは、狂気にも似た深い慈しみ。
「愛していますよ、太宰さん。貴女が、この無慈悲な世界で唯一、ぼくの理解者になれる人なのだから」
暗い地下室で、二人の時間はゆっくりと溶け合っていく。
目覚めたとき、彼女はまた冷徹な知略家に戻り、彼を拒絶するかもしれない。けれど、一度刻まれた甘い隷属の記憶は、決して消えることはない。
彼は知っている。次に彼女を組み敷くとき、彼女は今よりもずっと早く、ひらがなの声で自分を呼ぶようになることを。
地下の静寂は、眠る彼女を祝福するように、どこまでも深く、重く、降り積もっていった。
next↪︎♡10
#溺愛
オレンジ
53
#役者パロ
530
#リクエスト募集中
コメント
10件
ドス太人生で初めて見たけどよき~‼たまに見てみようかな…… 部活前に見たらめっちゃやる気出てきました。(腐女子ってすごいね!笑)
たまにはどす太もいいですよね!私は今太太にハマってます😏😏 どすくんってミステリアスでロマンチストでいいですよねこの物語だざさんよわよわでふにゃふにゃでめっちゃ可愛い((語彙力
ドス太、ありがとうございます!! めちゃ最高でした。 普段は、どうしても推し同士(旧双黒)の絡みを見てしまうのですが、今作品を気にドス太にも魅力を感じました!! お互いに同等の頭脳を持ってるからこその執着があるように感じました。 太宰さんが、嫌がりながらも独りになるのを誰よりも恐怖してるのが本当に大好きです!!(好みすぎました。 ) 次回も楽しみにしています!