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50 ◇どちらが本命なのか
兄貴は俺の気持ちに気が付いてたようで──。
何せいつも毎度毎度出かける用事と言えば、マッキーの件ばっかり
だからね。
いくら年の離れた弟がいて小さな子好きといったって、その弟と同等か
それ以上に入れ込んでるっていうのは自分でも自覚があるので、それとなく
兄貴も気付いていたのだろう。
亜矢子さんの代わりに出動要請をかけた折に言われたひと言は強烈だったし、
踏ん切りっていうの? 俺の気持ちの後押しにもなった。
「ここまで協力するんだからな、亜矢子先生をGetできないよう
じゃあ許さんぞ」ニヤリ。
「え? あ……あぁ、ってお見通しか。参った」
「好きなんだろ? 亜矢子先生のこともマッキーのことも。
なっ、ひとつ聞いていいか。
お前マッキーと亜矢子さんどっちが本命なんだ? 」
「はぁ~? おもしろい質問だねぇ~。
う~ん……どっちだろ」
50-2.
「お前にはかなわないよ……心底アキレタ。
そこは普通っていうか、嘘でも亜矢子先生でないとヤバイだろ。
マッキーとは結婚できないんだからなっ」ニヤニヤ。
「兄貴、俺で遊ぶのはその辺にしてくれ!
じゃぁ、申し訳ないけどお願いします」
「OKオーケー大事な弟のためだ、一肌脱ごうじゃないか! 」
そう言ってあの日、兄貴は可愛い弟のために大事な肌を一枚
めくってくれたんだ……もとい、一肌脱いでくれたんだ。
俺は亜矢子さんが離婚する前から一緒に仕事をしてきた。
第一印象はすごく好印象で、昔も今もその時のイメージを
損なってはいない。
素敵な女性だ。
最初は人妻で他の男のモノだったから、恋愛対象っていうか
自分とどうこうはもちろん考えたことはなかった。
ただこんな女性を奥さんにできる旦那のこと、正直
羨ましいぐらいは思ってたような気もする。
俺が最初に仲良くなったのはマッキーだ。
いいヤツなんだ。
初対面の時から俺に懐いてくれて、託児所に行くと目をキラキラ
させていろんな話をたくさんするんだ。
少ないボキャなのによくそんなに次から次へと話せるなって
感心するくらい。
マッキーと親しくなるにつれ、亜矢子さんの俺に対する対応に
親しみが出てきて、そんなこともうれしかったな。