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「すごくイイ声。ねぇ、もっと聞かせて? 結葉ゆいは

背後から偉央いおの甘く掠れた声が耳を侵食してくるようで、それも未知の感覚過ぎて堪らなく


元々偉央いおの声音が、結葉ゆいはは好きだ。

その好みの声が、耳のすぐそば。吐息を吹きかけながら情欲に染まった艶っぽい声でささやき掛けてくるのだ。


「んっ」


それだけで背筋がゾクゾクして、下腹部がキュンとうずいた。


敏感な胸のいただきを両手指でギュッとつままれて、結葉ゆいはは声が抑えられない。


「あぁんっ、ダ、メッ、偉央いおさっ、あっ」


胸をもてあそばれることがこんなに気持ちいいなんて、結葉ゆいはは知らなかった。


(な、んで? 自分で触っても何ともないのに……)


入浴の際などにそこに触れたことがないわけではない。

身体を洗うために触れた時は、どんなにこすっても、こんな変な気持ちにはならなかった。


偉央いおから与えられる刺激に戸惑った結葉ゆいはは、ポロリと涙をこぼしてその快感に懸命に耐える。


そこでクルリと向きを変えられて向かい合わせになるようにされた結葉ゆいはは、泣いてしまったことを偉央いおに気取られたくなくて慌てて顔を背けた。


だけど偉央いおはそんな結葉ゆいはのあごを捉えると、真正面から見下ろしてきて。


結葉ゆいは、どうして泣いてるの?」


目元にチュッとキスを落とされた結葉ゆいはは、フルフルと首を横に振った。


「分から、ないの……。こんな感覚初めてで……多分戸惑ってる……んだと思います」


きっとそうなのだ。


「イヤなわけじゃないんだね?」


確認するように問いかけられて、結葉ゆいはは涙に潤んだ瞳で偉央いおをじっと見上げた。


「……行為自体は……イヤじゃ、ありません。でも――」


そこでキュッと下唇を噛んだら、偉央いおに「ダメだよ?」っていさめられた。


「ひょっとして結葉ゆいはイヤなのかな?」


聞かれて、結葉ゆいははコクコクと必死にうなずく。

偉央いおに、やっと自分の気持ちが分かってもらえた、と思った。


「ま、周りからは見えなくなってるのは……分かってるつもりです。でも……明るすぎて恥ずかしい、です」


真っ赤になりながら一生懸命言ったら、「そっか。だったら――。ちゃんと僕の目を見ておねだりして? 結葉ゆいはがどうして欲しいのか」とふんわり微笑まれる。


結葉ゆいはを見つめる偉央いおの表情はとても穏やかだ。口調だってとても優しい。


なのに、何でだろう?


結葉ゆいは偉央いおのその言葉に服従しなければならないような、そんな錯覚を覚えてソワソワする。


今、こうして話している間も、結葉ゆいはの胸は隠させてもらえないまま剥き出しで。

チャプチャプと水面みなもが揺れ動くたび、敏感なところが刺激されて、先のところがツン、と存在を主張してち上がっているのが嫌でも分かる。それも、すごく恥ずかしかった。


結葉ゆいはは現状から逃れたい一心で、ギュッと拳を握ると、


「……お、願い、偉央いおさん。初めては……ベッドの上がいい、です。……外は、イヤです」


目端を潤ませながら、何とかそう言い切った。



***



外でするのはイヤだと言ったものの、ふたりともプールの中にいたからびしょ濡れで。

そのまま室内に足を踏み入れるのははばかられた。


プールサイドに所在なく立った結葉ゆいはは、懸命に覆いがなくなってしまった胸を両腕で隠す。

そのまま落ち着かない様子でオロオロと偉央いおを見上げたら、偉央いおがニコッと笑って「水着、ここで脱いでから、さっき結葉ゆいはが持ってきてくれたタオルで身体拭いて中へ入ろうか?」と言ってきて。


「あ、あのっ」


偉央いおの言うことはもっともだと思いはするものの、ここで裸になるのには抵抗しかない結葉ゆいはだ。

ソワソワしながら偉央いおを見遣って言葉を紡ぐ。


「わ、私っ、脱衣所で脱いでもいいですか?」


幸い脱衣所には先に結葉ゆいはが出てきた、プールサイドに面した扉がある。

そこから入ってお風呂場に飛び込めば、脱衣所の床だってそんなに濡らさないですむ気がした。


もちろん、そんな小細工をしたところで、今からすぐ偉央いおに裸を見られてしまうことは分かっている。分かってはいても、彼の目の前で臆面なく脱いでしまうのは何かが違うと思ってしまった。



「ねぇ結葉ゆいは。ここで脱ぐのは恥ずかしい?」


偉央いおが瞳を細めてそんな結葉ゆいはを見下ろしてきて。結葉ゆいははコクコクと懸命に頷いて見せた。


偉央いおはそんな結葉ゆいはを見てクスッと笑うと


「そっか。だったら――」


そこで結葉ゆいはの手をグイッと引いて腕の中に閉じ込めると、声を低めて言い放つ。


「――僕が脱がせてあげる」



結葉ゆいはは耳朶をくすぐった偉央いおのセリフに瞳を見開いて、すぐさま「ダメッ」と言ったのだけど。


偉央いお結葉ゆいはの短い抗議の声なんてまるで聞こえていないみたいに彼女の水着のトップスに手をかけて、濡れて身体にまとわりついた布地を、半ば強引に下肢へ向けてずり下げてしまう。


「やぁっ……!」


ウエストの辺りでクルクルと丸まってしまったそれを、ボトムと一緒にグッと力を込めて下ろされそうになった結葉ゆいはは、さすがにそれだけは嫌だと思って。

偉央いおから離れようと懸命に身じろいだ途端、いつもより幾分低められた声音で


結葉ゆいは、じっと。脱がせにくい」


いさめられてしまう。


偉央いおさっ、でも……っ」


どこか有無を言わせぬその声音に脅えた結葉ゆいはが、ギュッと身体を縮こまらせる。


それでもやはり羞恥心が大きくて、何も言わずに成すがままにはなれなかった結葉ゆいはだ。何とか声で懸命に「やめて欲しい」と言い募ろうとしたら


「じゃあ結葉ゆいは。自分で脱げるの? ――僕が見てる前で?」


と耳元、今度はささやくようにそう吹き込まれて。


そんなこと出来っこないと耳まで真っ赤にした結葉ゆいはに、


「ね? だったら大人しくしてないと――」


偉央いおが勝ち誇ったようにそう宣言した。

結婚相手を間違えました

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