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第82話「継がれし意志、星の誓い」
神々の空が――沈んでいた。
幹部たちがサタンに倒されてから、空の色は黒く染まり、風は静かに吹くだけだった。
星の英雄たちは、崩れた神の神殿跡に立ち尽くしていた。
彼らの眼前には、信じられない光景が広がっていた。
――神の幹部たちの亡骸。そして、サタンの冷たい笑み。
ゲズ「……そんな、嘘だろ……」
リオン「アポロン、ポセイドン、アテナ……全員が……!」
セレナは膝をつき、涙を堪えきれずにいた。
セレナ「兄さんたちを導いてくれた神様たちが……どうして、こんな……!」
ウカビルは無言で、アレスの兜が転がるのを見つめていた。
その時だった――
神々の亡骸から、七色の光が立ち上る。
ゲズ「これは……?」
光はやがて、それぞれの英雄の元へとゆっくりと届く。
それは神々の最期の力―― 加護 だった。
⸻
アポロンの加護 → セレナへ
「美しき光よ、世界を照らし続けよ……君の優しさが、未来を導く」
セレナの杖に、まばゆい太陽の紋章が宿る。
⸻
ポセイドンの加護 →リオンへ
「揺るぎなき意志の剣よ、海の怒りとともに……守り抜け」
リオンの剣が青白く輝き、波動を帯びる。
⸻
アテナの加護 → ゲズへ
「知恵と勇気を継ぐ者よ……この混沌の時代に、秩序の希望を刻め」
ゲズの胸元に銀の光が宿り、彼の瞳が鋭くなる。
⸻
アレスの加護 → ウカビルへ
「怒りを超えて、正義となれ……その刃に、神の誇りを託す」
ウカビルの剣に炎が灯り、彼の魂が再び燃え上がる。
⸻
そして最後に、神の光が一つに集まり、天へと還っていった。
静けさの中、誰もが言葉を失っていた。
だが、最初に立ち上がったのは――ウカビルだった。
ウカビル「もう……俺たちが、後戻りできる場所はない」
リオン「ここで止まれば……あの人たちの死が、無駄になる」
セレナ「私はもう、泣いてるだけの少女じゃない。兄さんたちと、未来を作る」
ゲズ「……この星を、いや、全宇宙を守る。それが……今の俺たちの使命だ」
4人の英雄は立ち上がる。
絶望を超えて――神の意志を継ぎ、新たな誓いを胸に。
そして彼らは、再び歩き出した。
闇に対抗する、唯一の希望として。