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🐱side
翌日のレッスン室。
ym「おはよー」
いつも通りの挨拶。
いつも通りの空気。
……のはずだった。
俺は無意識に、ふみくんの位置を探してしまう。
でも、目が合わない。
ym(……昨日のせい、だよね)
音楽が流れ、振り入れが始まる。
フォーメーション移動。
一歩前に出た、その瞬間。
fm「――そこ、半歩下がって」
ふみくんの声。
業務的で淡々としている。
ym「……あ、はい」
思わず敬語が出た。
一瞬周囲の動きが止まる。
sht「今の新鮮じゃない?」
hd「ゆうまどうした?」
笑い混じりに流されるけど胸の奥がきゅっと痛む。
ym(距離、取られてる)
守るって言ってた。
でもこれは切り離す距離だ。
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休憩時間。
いつもなら隣に来るはずのふみくんは他のメンバーと話してる。
俺はペットボトルを持ったまま立ち尽くした。
ym(……今日何もしてないよね、俺)
なのに。
fm「ゆうま」
不意に名前を呼ばれる。
振り向くとふみくんが立っていた。
でも近づかない。
fm「次立ち位置変わるから確認しておいて」
それだけ。
目も合わせない。
ym「……うん」
それ以上何も言えなかった。
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レッスン終わり。
みんなが着替えに向かう中、意を決して声をかけた。
ym「ふみくん」
一瞬迷うような間。
fm「……何」
ym「昨日の約束、守ってるよ」
小さな声。
ym「煽ってないし、変なことも言ってない」
ふみくんは少しだけ視線を逸らした。
fm「だから何?」
その冷たさに胸が痛む。
ym「……距離、取りすぎじゃない?」
言った瞬間後悔した。
ふみくんの視線が鋭く戻る。
fm「近づいたらまた言うでしょ?」
ym「言わないって……!」
声を荒らげそうになったけど慌てて抑えた。
ym「……言わない」
ふみくんはしばらく黙っていた。
fm「……ゆうま」
低く静かな声。
fm「俺は今ちょうどいい距離を探してる」
「近すぎてもだめで、離れすぎてもゆうまが不安になる」
1歩近づく。
でも触れない。
fm「その線超えたら」
一拍。
fm「次は俺が止まらなくなる」
その言葉に喉が鳴る。
ym「……それ、脅し?」
俺が聞くとふみくんははっきりこう言った。
fm「警告」
それだけ言って背を向ける。
残された俺は自分の手をぎゅっと握った。
ym(……こんなのはじめてだ)
好きなのに。
付き合ってるのに。
触れられない距離がこんなに怖いなんて。
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