「ああ……御免」
夕食はまた豪勢だった。安浦は夕食を待ってくれたようで、一緒に食べることになった。何を隠そう私は霧画に無理を言って、長椅子をもう一つ買って来たのだ。
これで、安浦の件は何とかなった。
「ご主人様。南米で何をするんですか」
安浦は大き目のハンバーグのフォーク片手に尋ねた。
「それが、霧画や呉林も解らないようなんだ。俺もどうなるのか解らない。でも、呉林姉妹の言う通りに南米に行かないといけないんだ。この世界を何とかするために」
安浦は目を輝かせ、
「さっすがご主人様! あたし、ご主人様と結婚する! 世界を救うヒーローと結婚! 結婚!」
「は?」
私はどうしていいかうろたえる。安浦は大喜びで、結婚を力いっぱい言い続けている。けれど、私は呉林が今でも好きだ。
……食事は楽しかった。安浦は終始ご機嫌になり、私は料理の素晴らしさを噛み締める。
「明日はどうするんですか?」
玄関越しに安浦は聞いてきた。
「明日は休みだ」
安浦は大はしゃぎで喜び、
「じゃあ。……デート……お願い」
最後は尻つぼみになる。
「解ったよ。おやすみ安浦」
私は食事のお礼ということで承諾した。
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