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「ヴヴァ”ァ”ァ”ァ!!!!」
果爲が光源へ近づけば近づく程、呻き声と爆発音は増して言った。
果爲(一体何が…よし、あそこか!)
果爲が漸く辿り着き目にしたのは、燃えるように赫い体躯に6つの腕を有し、頭部には違う表情を抱えた3つの顔が並ぶ異形であった。それに対し果爲が初めに連想したのは阿修羅であった。
果爲「なんなのこいつ!神様なんじゃないの?!」
阿修羅「うゔ…帝釈天…儂のことを小馬鹿にしおって…然程変わらぬ身分だと言うに主はあ”ぁ”」
果爲「帝釈天?!わ、私はそんなんじゃ…」
阿修羅「黙れ…主が蟻なんぞに現を抜かしておったから…戦いは台無しじゃ…」
阿修羅「だが先ず!儂の娘を断りなく攫うとは何事じゃあ!!」
阿修羅はただ前にいる果爲に向かって突進した。そしてその6つの腕で猛撃を繰り出す。2つの腕で相手に掴みかかり、残る4つの腕で殴る。まさに異形にしか成せぬ戦い方であった。
果爲「そっちがその気なら私も!」
果爲も粒子で即座に4つの腕を作り、同じく阿修羅を殴り飛ばした。互いに殴り合いの攻防が続き、とうとう果爲が隙をつき、骨格補強+外骨格形成+筋力増加のコンボで阿修羅を圧倒し、粉々にした。
果爲「やった!これでもうあんし…」
そう思った時だった。崩れた破片から全部で4体の新たな異形が現れた。
婆稚「おい佉羅!手出しは無用だぞ!」
佉羅「あ”ぁ?うるせぇよ殺すぞ」
毘摩「相変わらず気性が荒くて叶わん…ホホホ」
羅睺「もうなんでもいいから早く始めようぜ!」
果爲「ど、どうして…粉々に砕いたはず…」
果爲は内心焦っていた。弥恋とは合流したものの、建物の想像以上の倒壊による被害者を助けるために行かせてしまったのだ。
果爲(くそ…あまりにも不利な状況だ…どうすれば…)
果爲(……弥恋とまだ実戦で試してないけど…あれを使えば…)
果爲は弥恋と凪爲と鍛錬した矢による遠隔攻撃を思い出した。矢は粒子構造体で生成しているので切れる心配は無いし、構造体で複製弓を作れば同時に多方位攻撃も可能である。しかし…
果爲(複製出来たとしても、精密な動作を手元以外で出来るとは到底思えない…)
そうこうしているうちに攻撃の雨が降る。
婆稚「お”ら”!燃え尽きてしまえぃ”!!」
当たり一面を手に持つ三鈷からでる炎が囲い、その範囲も狭まっていく。
果爲「ふっ…ナめんなよおお”!」
果爲は能力で酸素分子を辺りから数瞬取り除き、忽ち火を消した。
佉羅「馬鹿かwそんな陳腐なものが効くか」
そう言うと肩に浮く羽衣を振り回し、瞬く間に果爲の真上に雷を落とした。
果爲「っぶない…もうちょいでやばかった」
言っている傍から2人が追ってくる。
毘摩・羅睺「まてよ!まだ遊び足りねぇぜ?」
2人は同時に脇に抱えている袋を開くと、みるみるそこに空気が吸い込まれていく。そしてぱんぱんに膨らんだ袋を、1人は肩に担ぎ、もう1人は袋の口を果爲に向けた。肩に担いだ袋を果爲目掛けて投げる。果爲は受け身を取ったが…
果爲「うぐっ…何これ鉄球?!」
なんと先程空気しか入っていなかった袋が重く、鉄のように固くなっていた。常人が当たればひとたまりもないだろう。一方袋の口を開き袋を押すと、膨大な空気が果爲を吹き飛ばした。
果爲「やばっ、いまので外骨格が!」
鉄のように重い袋と風により、果爲の外骨格は破壊され、いよいよ骨格補強のみとなった。