し「あ…あうッ…ぺいんとさッ」ビクッ
彼が助けを求めるが、俺はいまいち状況を読めていなかったため、
動くことができないでいた。
すると、あることに気がついた。
ぺ「もしかして……お前ってSub…?」
そう聞くと彼は、違うと言いたげな顔をしながら首を振っていた。
そんな彼に、俺は一つ命令をした。
ぺ「Stand Up(立て)」
し「ひうッ…!?」ゾクッ
彼は、ふらつく足でゆっくりと立ち上がった。
あぁ、やっぱりそうだ…。
ぺ「まじか……笑」
し「な…んで……?」
信じられないというような顔をしている彼に、俺はもう一度命令をした。
「ありがとうございました~!!」
外に出ると、心地よい風が俺たちの間を吹き抜けた。
俺は目をつむり、息を吸った。空気が美味しい。
密室であんなことをしていれば、まぁこんなことを考えるのは当然だろう。
それより、監視カメラがなくて助かった。まじで。
し「……ぺいんとさん…」
彼に名前を呼ばれ、ふと横を向いた。
彼は、涙目で俺を見つめていた。
し「あの…今日のことなんですけど───」
ぺ「ごめん!ほんとごめん!つい…理性が効かなくなって……」
俺は彼の言葉を遮り、何度も謝った。
彼の顔を見るのが怖くなり、気づけばうつむいていた。
し「そうじゃなくて!」
大きな声でそう言った彼を、思わず俺は見つめた。
よく見ると、涙目になっている顔が赤くなっているのがわかった。
し「その……今日のこと…誰にも言わないでください…」
ぺ「あ~、流石に言わんって笑、てか俺が100%悪いしさ」
俺は苦笑いをしながらそう言った。
そして、俺たちは黙り込んだまま、重い足取りで帰りの道を歩き始めた。
気まずすぎる沈黙が続く。
し「あの…!」
歩き始めて十数分後、彼が口を開いた。
し「もし良かったらですけど…これからも頼んでもいいですか…?」
ぺ「……え…?」
俺は目を見開いた。
まさかそんなことを言われるとは思っていなかった。
し「嫌なら大丈夫なんで…!」
ぺ「全然嫌じゃないよ!……むしろ嬉しいっていうか…なんというか…」ボソッ
し「ん?なんて言いました?」
ぺ「んーん、何でもない!」
俺は前を向いた。
さっきより足取りが軽く感じる。
ぺ「ふふっ」
彼と距離が縮まったことが嬉しかったからか、自然と笑みが溢れる。
いつ想いを伝えようか?
そんなことを考えながら、俺はもう一度彼を見つめた。
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