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雪村 麻耶🦇🩷 。🦅🖤
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#SixTONES
コメント
3件
うわあ…第3話、読んだよ。 卒業式の空気感とか、7人で過ごした日常が一気に走馬灯みたいに流れてきて、切なかったな。 特に駅での「またね」のやり取りが刺さったよ。誰も「さよなら」って言わないところに、ほんとの絆を感じた。 全員がこれから別々の道に進むってわかってるのに、それでも笑顔でいようとする奈海の強さに、こっちまで泣きそうになったわ。 いい話をありがとう、ゆきのさん。続きも楽しみにしてる🔥
3月。
晴海高校の卒業式。
体育館には、卒業生と保護者、そして先生たちが集まっていた。
いつも騒がしい7人も、今日は少しだけ静かだった。
「なんか….緊張するな」
慎太郎が小声で呟く。
「お前が緊張することあるんだ(笑)」
樹が笑う。
「あるわ!!」
「声デカいって(笑)」
奈海はそんな2人を見て、小さく笑った。
でも、胸の奥は少しだけ落ち着かなかった。
今日で、本当に卒業する。
そう思うと、いつもの学校が少し違って見えた。
ーーーー卒業証書授与ーーーー
一人ずつ、名前が呼ばれていく。
「水野奈海さん」
担任の声が体育館に響いた。
「はい」
奈海は立ち上がり、まっすぐ壇上へ向かう。
卒業証書を校長先生から受け取る。
「卒業おめでとう」
「ありがとうございます」
深く頭を下げて、席へ戻る。
その途中、奈海は6人の方を見る。
ジェシーが、小さく親指を立てている。
慎太郎は笑っている。
樹は「よかったな」というように頷いた。
奈海も小さく笑い返した。
続いて、6人の名前も次々と呼ばれていく。
「ジェシーさん」
「はい!!」
「京本大我さん」
「はい」
「松村北斗さん」
「高地優吾さん」
「はい」
「田中樹さん」
「はい」
「森本慎太郎さん」
「はい!」
7人全員の名前が呼ばれた。
それだけなのに、奈海にはなんだか特別なことのように感じられた。
そして、卒業生代表の言葉。
「卒業生代表、水野奈海さん」
「….はい」
奈海が壇上へ向かう。
マイクの前に立つ。
体育館を見渡す。
今日まで一緒に過ごしてきた友達。
先生。そして、後ろの方にいる6人。
奈海は少し息を吸った。
「本日は、私たち卒業生のために、このような式を開いてくださり、本当にありがとうございます。」
ゆっくりと言葉を続ける。
「晴海高校で過ごした3年間は、楽しいことだけではありませんでした。悩んだり、迷ったりすることもありました。」
「それでも、友達や先生に支えてもらいながら、今日この日を迎えることができました」
奈海は6人を見る。
6人も静かに奈海を見つめていた。
「私には、幼い頃からずっと一緒に過ごしてきた、大切な友達がいます。」
6人が少しだけ驚いた顔をする。
「嬉しいときには一緒に笑って、悲しいときには支えてくれて、なんでもない毎日を、特別な時間に変えてくれた人たちです。」
奈海は少し笑った。
「今日で、私たちはそれぞれ違う道へ進みます。」
「これから先、今までのように毎日会うことはできなくなるかもしれません。」
体育館が静かになる。
「それでも、ここで過ごした時間は、これから先もずっと私達の心に残り続けると思います。」
「そして最後に、晴海高校で出会えたすべての人に、心から感謝します。3年間、本当にありがとうございました」
奈海が深く頭を下げる。
体育館から、大きな拍手が起こった。
席に戻る奈海を見ながら、樹が小さく呟く。
「….奈海らしいな」
北斗も笑った。
「うん」
ーーー
卒業式が終わる。
校門の前。
「なあ、最後に7人で写真取ろうよ!!」
ジェシーがスマホを取り出す。
「いいじゃん!」
慎太郎がすぐに反応する。
「先生に撮ってもらおう!」
奈海が近くにいた先生に声をかける。
「最後に7人で撮ってもらってもいいですか?」
「もちろん!」
7人が校門の前に並ぶ。
「もっと近く!」
先生に言われて、7人が肩を寄せる。
「近いって(笑)」
「最後なんだからいいじゃん!」
パシャッ。
「もう一枚!」
パシャッ。
「最後はジャンプ!!」
「卒業式の日に何やってんだよ(笑)」
樹が笑いながらジャンプする。
パシャッ。
写真の中には、笑顔の7人が写っていた。
先生たちに今までの感謝を伝えて学校を出た。
ーーーーー
「このあとどうする?」
「サイゼ行こうよ!」
奈海が言う。
「卒業した日にサイゼ?(笑)」
「いいじゃん!」
結局、7人はいつものようにサイゼリアへ向かった。
席に座ると、いつもの調子で注文する。
「卒業おめでとう!!!」
ジェシーがドリンクを掲げる。
「おめでとう!!」
7人のコップがぶつかる。
「乾杯!!」
そこからは、昔の思い出話が止まらなかった。
「奈海、小学生の時めっちゃ泣き虫だったよな」
「ちょっと!言わないでよ!!」
「慎太郎も泣いてたじゃん(笑)」
「俺は泣いてない!」
「いや、泣いてたって!」
「樹だってーー」
「おい、奈海。それ以上言うな(笑)」
笑い声が店内に響く。
いつもと同じ。本当に、いつも通りだった。
ーーー
食事が終わる頃。
大我が卒アルを取り出した。
「これ、みんなで描きあおうよ」
「いいね!」
奈海もペンを取り出す。
それぞれのページに、思い思いの言葉を書いていく。
『これからもよろしく』
『また遊ぼう』
『ずっと友達!』
『7人最高!!』
奈海は6人が書いてくれたページを、一つずつ眺めた。
「….みんあ、字汚い(笑)」
「おい!」
「奈海も人のこと言えないだろ(笑)」
また笑う。でも、アルバムを閉じた奈海の表情は少し寂しかった。
「ねえ」
6人が奈海を見る。
「本当に…また会えるよね?」
樹が答える。
「会えるよ」
「絶対?」
「絶対。」
北斗も続ける。
「俺達、7人だから」
「….うん」
奈海は笑った。
「約束ね」
ーーー
店を出る。
外はもう暗くなっていた。
駅までの道を、7人で歩く。
駅につく。
いつもなら、ここで「じゃあまた明日」と言って別れる。
でも今日は違う。
「…..明日、学校ないんだよね」
奈海がぽつりと言った。
誰もすぐには答えなかった。
その一言で、全員が気づいてしまった。
今日まで続いてきた「明日」が、もう同じ形ではやってこないことに。
「….そっか」
ジェシーが小さく笑う。
「明日から、制服着ないんだな」
「うん」
「教室にも行かない」
北斗が続ける。
「….うん」
「毎朝、ここで待ち合わせることもなくなる」
高地が言う。
奈海は何も言わずに頷いた。
笑おうとした。
でも、うまく笑えなかった。
「….なんか変な感じ」
奈海が俯く。
「ずっと一緒だったのにね」
慎太郎が言う。
「明日から急に、みんな別々なんだよな」
「でも、また会えるだろ」
樹が言った。
「絶対会える」
「….うん」
奈海は顔を上げた。
目には涙が浮かんでいた。
それを見た瞬間、6人も何も言えなくなる。
「ごめん….」
奈海が笑いながら涙を拭う。
「泣くつもりなかったのに….」
「泣いていいよ」
大我が優しく言った。
その言葉を聞いた途端、奈海はもう笑えなくなった。
「……みんなと離れるの、嫌だな」
小さな声だった。
「私、7人でいるのが当たり前すぎて…」
「うん」
「ずっと、このままなんだと思ってた」
6人は黙って奈海の言葉を聞いていた。
そして樹が、一歩近づく。
「奈海」
「….ん?」
「終わりじゃないから」
「うん」
「俺ら、7人だから」
「…うん」
「また会おう」
奈海は何度も頷いた。
「….約束だよ」
「約束」
7人で最後に、もう一度だけ集まる。
誰も離れたくなかった。
誰も「さよなら」とは言わなかった。
だから、最後の言葉はーー
「またね」だった。
「またね、奈海」
「またな」
「また会おうね」
「絶対」
「じゃあな」
「….またね」
奈海も笑った。
泣きながら、それでも精一杯笑った。
そして、一人ずつ歩き出す。
何度も振り返る。
そのたびに、まだ6人が手を振っている。
奈海も手を振り返す。
少しずつ距離が離れていく。
やがて、6人の姿が見えなくなる。
奈海はその場に立ったまま、卒業アルバムを胸に抱えた。
今日まで当たり前だった七人の日々。
笑い声も。くだらない会話も。放課後の寄り道も。
全部、今日で一度終わる。
「….またね」
誰もいない駅で、奈海が小さく呟いた。
その言葉は、誰にも届かなかった。
ーーそれでも。
7人は、また会えると信じていた。
だから、誰も「さよなら」とは言わなかった。
この日が、7人にとって本当の「さよなら」になるなんて。
誰一人、知らないまま。
それぞれの未来へ歩き出した。