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数日後。
「今日の放課後、優菜の家に行っていい?」
奏斗が上目で尋ねてくる。別に来てもかまわないのだが、気に入ってもらえなかったらどうしようという不安と、自分の家に関心を持ってくれるという嬉しさが混ざって優菜は複雑な感情になってしまった。
「いいけど、私の家質素だよ?それでもいいの?」
奏斗は大きく頷く。ぜひ行かせてくれとでもいうような態度で、優菜を見る。優菜は微笑した。こういう形で仲良くなれるチャンスはめったにない。そう考えたら、奏斗を家に招待してもいいと思ったのだ。
「じゃあ、今週の日曜日、時計塔の下で十時に集合でいい?」
というわけで、優菜は奏斗との初めての約束を交わした。