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主とアモンが居た場所は─
主が住んでいるマンションだった。
「やったっす!俺の読みは当たってたっすね♪へーここが主様の住んでるとこなんすね〜…でも、1人にしては割りと広めっすね!」
「あー…私、あんまり物持たなくてそれで広く見えるんだと思う!」
主がそう言うと、アモンにブーツを脱いでもらいソファーに座るように促したが、アモンは主から離れる様子がなかった。
「…アモン?」
主が問いかけると、アモンはブーツを脱ぎ、主を横抱きにし履いていた靴を脱がして、ソファーに連れて行って優しく寝かせた。主は急な事で驚きアモンの顔から目が離せなくなった。
「主様。…今は2人きりっすよ?」
主の胸の高鳴りがアモンに伝わってしまうのではないかと思ってしまうくらいに、アモンは主の胸元に顔を近付け、主の服に手をかけ軽くキスをした。
アモンは真っ直ぐ主の顔を見た。アモンのいつものイタズラな顔ではなく真剣な顔に目が離せなくなり、主は拒む事が出来ずアモンからのキスを受け入れた。
「っん、んんっ…ハァっハァっ…」
「…◯◯さん、口開けて下さいっす。」
主は体が疼く感覚を覚え、ついアモンに縋ってしまうのだった。アモンが主に再びキスをすると、主はアモンに従い口を開けるとすかさずアモンは舌を入れた。
アモンは止まる事が出来ず、主の服を脱がし始めると、主は首を横に振り拒む仕草をするとアモンの手は服の中に入って来た。
「ちょ、ちょっと待って!…お風呂入りたい。仕事してきた後だし、汚いよ…」
「…大丈夫っすよ。◯◯さんはいつも素敵で可愛いっすから。それとも、一緒に入りたいっすか?」
これから先の事を少し考えれば分かるのだがどちらも裸になるとはいえ、一緒にお風呂に入るのはハードルが高かったが、アモンは一緒に入る気満々で居た。
主はこのまま続きをせずに、なあなあに出来ればと思ったのだが、アモンもその対策は考えていた。
主がお風呂にお湯を溜めようとしている時も、アモンはずっとくっついて首元にキスをしたり、服越しに主の体を撫で回しているのだった。
「っ、アモンお願いだから離れてよ…」
「駄目っすよ。折角のチャンスなんすから逃さない手はないっす♪それとも主様は俺とするのは嫌っすか…?」
アモンはそう言うと、主の服の中に手を入れ下着のホックを外した。そして主を壁に追いやり、首元にキスの跡に付けた。
「…もう逃げられないっすよ?」
(◯◯さんを正攻法で手に入れられるとは思ってないっす。だったら、既成事実でも作っちゃえば…)
「…アモンは主としてじゃなくて私の事、好きなの?」
不意に主に聞かれたアモンは驚いた顔をしたが、すぐに真剣な顔になり答えた。
「…好きっすよ。他の執事達よりも◯◯さんの事が好きっす。じゃなかったら、こんな事もしないし◯◯さんの居る世界に行きたいなんて思わないっす。
すみません、順序が逆になっちゃって。俺は◯◯さんの事、本気っすから。」
アモンはそう言うと、主から離れた。 すると、お風呂が沸いたのか音楽が鳴る。主は何処かに行こうとするアモンの腕を掴み、お風呂に入るかどうかを確認した。
「◯◯さんが一緒なら入るっすよ♪」
アモンがそう言うと、主は顔を赤くして早く入って来て!と言ってタオルを渡した。
†††
アモンはお湯に浸かりながら考え事をしていた。
(◯◯さんが屋敷に来る前は1人でここに居たんすよね…。屋敷に比べたら狭いっすけど、やっぱり1人で暮らすにしてはなかなかに広いっす。 もしかして、誰かと一緒に住んでたんじゃ…)
実際、主が住んでいる部屋は、2LDKのオートロックマンションで1人で住む分には十分過ぎるほどの広さなのは確かだった。
アモンは主に渡されたタオルで体を拭いた。キョロキョロしていると、自身の服がない事に驚いた。主はアモンがお風呂から上がった事を察して、ドア越しに話し掛けた。
「勝手にごめんね、アモンが着てた服、今洗濯してるの。乾燥するまで時間もかかるから代わりの服着てて。」
主はそう言うと、腕だけ出してアモンに服を渡した。アモンは渡されたものを受け取り、服を着てドアを開けアモンは疑問に思った事を主に話し出した。
「…◯◯さん、ここで誰かと一緒に住んでたっすか?やっぱり、ちょっと1人にしては広いかなって思ったんすけど…」
主は観念したのか、重い口を開いて話し始めた。
「…彼氏が居たの。付き合って5、6年はたってたかな…もう4、5年前の事だよ。当時は結婚前提で一緒に住んでたんだけど、結婚する前に交通事故で亡くなったの。
彼が運ばれた病院が私の勤務先で、当然私は執刀医から外されて別の人が手術する事になったの。一時的に命は取り留めたけど、結局彼は助からなかった。
…私も医者なのに、大切な人は私じゃ救えないっ…何も出来ないただの人間。今まで頑張って親の期待にも必死で応えて来たのに!いつも私は何も出来ない…その時私、初めて親に頼んだの。別の科に異動したいって。 前の科は辞めて今は別の科に異動したの。 」
主は執事達にはプライベートな事は何一つ話さなかったが、この時だけは違った。少しだけ話すつもりだったが、話す口が止まらずにどんどん言葉が溢れてきてしまっていた。
そんな主を初めて見るアモンは、多少戸惑ったが誰にも言えない気持ちをずっと1人で抱えていたのだろうと思うと抱き締めずには居られなかった。
「…今までずっと頑張ってきたんすね。◯◯さんは凄いっすよ。ボロボロになるまで頑張らなくて良いっす。辛かったっすね…◯◯さんは本当によく頑張ってるっすよ。
こうして生きてるだけで十分凄い事っす。だから、これ以上自分を追い込まないで下さいっす…◯◯さんは1人じゃないっすよ。俺はいつだって◯◯さんの味方っすから。…大丈夫、大丈夫。今はゆっくり休みましょう?」
主は今まで溜め込んでいた感情が一気に溢れてきて、涙が止まらなくなってしまった。
ずっと、1人で頑張ってきた。感情を出しちゃ駄目だってずっと言い聞かせてきていた。 その教えは医者である父親から学生のうちからずっと教えられてきていた言葉だったから。
その言葉が、ずっと呪いのように主の心を蝕んでいたのだった。
主はアモンに泣き縋りついた。嗚咽を伴いながら、ひたすら泣き続けた。しばらくすると、仕事の疲れもあったのか眠ってしまった。
「…寝ちゃったっすか?こんなとこで寝てると風邪引いちゃうっすよ?ベッドに連れて行くっすよ。」
アモンはそう言うと寝室に連れて行き、主を寝かせこの後 何もする事がないため、アモンも主の隣に横になった。
(…◯◯さんには想い人が居たんすね。しかも、亡くなったって…そんなの勝ち目ないじゃないっすか。)
───
「おい、アモンはどうした?髪をやってもらおうと思ったんだが…」
ボスキはアモンを探しているが、主の世界に居るため、見付かる訳がなかった。そうこうしていると、ムーから主の世界に行ってきたという話を聞いた。
「まさか主様の世界に行ったんじゃ…」
フェネスはアモンの代わりにボスキの髪を丁寧に乾かし、綺麗にしていきながら話をしていた所に ハウレスはそれに口を挟んだ。
「だが、どうやって主様のいる世界に行ったんだ…?ムーは主様のカバンの中に入ってたから行けたらしいが…」
†††
「っん、…あれ?寝ちゃってた。アモン?」
主はそう言ってアモンの体を揺すり、起こした。アモンは目を擦りながら起き上がった。
「すみません、寝ちゃってたっす…。」
主は大丈夫だよと言って、リビングの方に一緒に行き、ソファーに座るように促し主は飲み物を淹れた。
「どうぞ。」
アモンは主からココアの入ったマグを受け取り、一口飲んだ。主はアモンの隣に座り、自身も一口飲んだ。
「…驚いたでしょ、ごめんね…取り乱しちゃった。私が全然自分の事話さないし、仕事の事も曖昧にしてきたからね…」
主はサイドテーブルにマグを置いて、溜め息をつくとアモンもマグを隣に置いた。その時のアモンは、主の事を抱き締めずには居られなかった。
「…俺が居るっすよ。絶対に◯◯さんを置いて何処かに行く事はないっす。だから…俺じゃぁ駄目っすか?俺じゃぁ…代わりにはなれないっすか?」
アモンはギュッと抱き締めていたため、主の力では簡単には振りほどけなかった。
ぷち
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#嫌われ
コメント
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読み終わりました!第2話でいきなり主様の重い過去が明かされて驚きました…。医者でありながら大切な人を救えなかった苦しみ、ずっと一人で抱えていたんですね。アモンが「代わりになれないっすか」と言う場面にすごくグッときました。彼の真剣な眼差しと不器用な優しさが伝わってきて、この関係がどう展開していくのか気になります!