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たいち
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阿部Side――
あの保健室の日から。
翔太は露骨に俺を避けるようになった。
目が合えば逸らすし、
近づけば逃げる。
……なのに。
そんな態度を取られるほど、
余計に追いかけたくなる。
──────────────
今日は雨。
放課後になっても、 空は土砂降りだった。
下駄箱で――
💙「……傘忘れた」
ぽつり、と翔太が呟く。
💚「入る?」
背後から声をかける。
💙「うわああああ!!!」
💚「何その反応」
💚「俺、悲しいなぁ」
わざとらしく肩を落とす。
💙「……お前が変なことするからだろ」
💚「変なこと?」
くすっと笑う。
💚「まぁ、とにかく」
💚「入って?」
💙「……」
渡辺は少し睨む。
けれど、
あの“目の笑ってない顔”になりかけたので、
翔太は大人しく傘へ入った。
周囲の女子たちが、 ざわざわ騒ぎ始める。
生徒「え、なにあれ」
生徒「距離近くない?」
💙「……最悪」
💚「人気者は大変だね」
💙「自分で言うな」
──────────────
帰り道。
雨音だけが響く。
最初は静かだった。
けれど、
沈黙に耐えきれなくなったのは阿部の方だった。
💚「いつまで避けんの?」
💙「別に…避けてねぇし」
💚「避けてるよ」
💙「……」
💚「キスくらいであんな意識するとか」
💙「っ、お前……!」
💚「可愛いとこあるんだね」
💙「バカにすんな!!」
バンッ、と肩を押される。
雨で濡れたアスファルト。
バランスを崩した阿部は、
少しよろけた。
💚「……へぇ」
その瞬間。
阿部も思わず、 渡辺を突き返していた。
💙「うわっ!?」
二人そろって、 水たまりへ派手に転ぶ。
バシャッ!!!
💙「っはは!!なにしてんだよ!!」
💚「おい、お前のせいでズボン汚れた」
制服はびしょ濡れ。
髪からも雨が滴る。
なのに――
不思議と楽しかった。
💚「…あー…」
💚「……思い出しちまった」
💙「……?」
💚「ガキの頃さ」
💚「お前と喧嘩して泥だらけになったことあったじゃん」
💙「……あー」
💙「あったな、そんなの」
💙「…つーか、今もガキだろ」
自然と笑いが漏れる。
こんなふうに、
感情のまま笑ったのはいつぶりだろう。
“優等生”でいることに、
ずっと疲れていたのかもしれない。
その時。
雨に濡れた翔太のワイシャツが、
肌に張り付いているのが目に入った。
💚「……おい、透けてる」
阿部は自分のブレザーを脱ぎ、
渡辺へ被せる。
💙「え…っ」
💚「綺麗にして返せよ」
💙「……」
少し驚いた顔。
そして、
渡辺は照れ隠しみたいに小さく笑った。
その姿に、 阿部は少しだけ目を見開く。
雨音の中。
並んで歩く帰り道は、
思ったより、 悪くなかった。
つづく。
コメント
9件
ラブストーリーは突然に!!
口悪い阿部ちゃん好きすぎる🫶( ゚∀゚):∵グハッ!! その高校って偏差値いくつくらいですか...?|ω・) 自転車練習して行きますッッ!!
アオハルしてるねぇ〜♪☀️ 口悪💚やっぱ好き♡照れちゃう💙もいいよぉ〜♡2人の幼少期もチラ見えしてよかった♪