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現在、午前11時15分。黐躑躅《もちつつじ》学園高等学校の校門には汗だくだくのJKが1人。
【学校の場所、聞いときゃよかった………】
後悔先に立たず。パスワードも分からんスマホ(Face IDでいけた)に届いた、誰なのかも分からん友達(?)からのメールによると、私は2年6組らしい。
【…ここか】
もう帰りのホームルームは始まってるかなと思いつつ、思い切って扉をスライドさせる。
「すみません!寝坊しました!」
私の声に振り返った女子達から好奇の視線が注がれる。苦笑いしながら教室に入ろうとした時、最前列に座る男性と目が合った。
…はい?
何で女子校に男が??と言いたいところを言葉を失い、フリーズしたままでいると、男がスッと立ち上がった。そして一直線に近づいて来る。
女子達がざわざわと声を漏らす。……なんと男は、私の前で跪いた。
「初めまして。担任の和住暁と申します。…失礼を承知で告白致しますが、私と結婚して下さい。」
ん???
聞き間違いかと和住の様子を伺う私に向けられた面持ちは、真顔かつ真剣そのもの。その眼に一点の曇りすらない。…つまり
ヤバすぎる。こいつはヤバすぎる。
反射的に踵を返した私は、そのままトイレにダッシュ。取り敢えず個室に閉じこもって、身の安全を確保した。
【私はまだ夢を見ているのか…?】
にしても、いきなりプロポーズは頭おかしすぎやろ。
状況を一ミリも飲み込めない私に助け船を出すかのように、その時チャイムが鳴った。