テラーノベル
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はい書きます
攻めを翻弄する受けは可愛い
ので、むつシャオ書きます
「遅れました~!すみません!」
『もーむつーさんから呼び出したのに遅れるとか…』
「いやほんと申し訳ない…」
シャオさんをこの公園に呼び出して俺が遅刻した。
申し訳なさすぎる…。
『で?なんでこんなところに?」
そうだ、ちゃんと伝えなきゃ。謝るのはあとで良い。
「シャオさん、好きです」
『いやムードとかないんですか?』
「シャオさんが一番ムード壊してること気づいてます?」
『だって急に呼び出されて遅いな~思てたのに急に告られても困りますよ』
それもそうか。
いや何納得してんだ自分。
「だめですか?」
『ん~、せやなぁ。まだ僕むつーさんのこと好きってわけじゃないですね』
「そっかぁ…」
『でも、むつーさんのこと好きにさせてくれたら付き合ってあげなくもないですよ?笑』
他の人が聞けばとんでもなく傲慢な言葉だと受け取るだろう。
それが、俺にとっては天使のささやきのように甘美な言葉だった。
街灯に照らされいたずらっぽく微笑むシャオさんは何にも勝るほど美しくて。
「綺麗、ですね」
『ありがとうございま~す』
「もうちょっとなんか無いんですか」
『それ言われて照れるの想像してたんですか?漫画の読みすぎですよ』
「いやまぁそういうわけじゃないですけど…いつまでに惚れさせたら付き合ってくれます?」
『ん~、そうですねぇ。僕がいなくなるまで、とかどうでしょう?』
「いなくなる予定があるんですか?」
『ノーコメントで~』
数日後
今日は月が綺麗だから…よし!
「シャオさん」
『はい~?』
「月が綺麗ですね」
『確かに綺麗ですね~。満月も良いけど三日月も好きかも』
…あれ、もしかして知らない?
いやめちゃくちゃ有名なはずなんだけど…。
「星も綺麗ですね」
『いやこっからだと星全然見えませんけど』
「……、」
さらに数日後
「シャオさ~ん、お化け屋敷行きません?」
『行きませ~ん』
「え、なんで?怖いんですか?」
『いいいいや別に怖くないですけど?全然怖くないですけど?』
「なら一緒に行きましょうよ~」
『…ぐっ』
「……、」
何これ全然怖くないんだけど。
『……、(スン)』
シャオさんも真顔だし。
鬱先生にシャオさんは怖がりって聞いたのにクソ。
「…全然怖くないですね」
『ですね、…あ、出口』
「なんか拍子抜けですね、帰りましょうか」
『は~い』
そんなことを話していると空を黒い雲が覆い、ぽつぽつと雨が降ってくる。
ぽつぽつ…ぽつぽつ…ザァァァァァァァァァァッ!!!
「急に!?ちょ、雨宿りしましょう!」
『さっきまでのぽつぽつはなんやってん!?』
シャオさんの手を取って近くの店に入る。
ハンカチを貸そうかと思ったけどポケットの中までびしょ濡れだし。
『災難でしたねぇ~…』
困ったように笑うシャオさんは、白いTシャツを着ていたため服が透けている。
しかも下着を着ていない。
えっちだ…。
いや違うそうじゃない。
「ほら、上着貸しますから着てください」
『え、いやなんで…』
「身体冷えるでしょ」
『これ濡れてるから着たらさらに体温奪われません?』
「絞りましたから」
『はぁ…まぁそういうことならありがとうございます』
渋々俺の上着を着始めるシャオさんを見て安堵する。
たしかこういう時に使うフレーズあったよな。なんだっけ。
…あ、思い出した。
「雨、やみませんね」
『やみませんねぇ。あ、でも雨足は弱まってきましたよ。頑張れば帰れますね』
「…シャオさんは大丈夫なんですか?」
『はい、風邪とかあんまひかへんし。上着は洗ってお返ししますね~』
「絶対着て帰ってくださいね」
『わかりました?じゃあさよなら』
「ん、さよなら」
「シャオさん悩みとかないんですか?」
『この前の告白並みに急ですね。ん~…しいて言うならむつーさんのアピールが遠回しすぎることかな』
「え、…気づいてたんですか?」
『告白のフレーズとかお化け屋敷でつり橋効果?とか?遠回しすぎてちょっとなー』
「じゃあどうしろと…」
『一旦思ってること直接言ってみてくれません?』
「…シャオさんと付き合ってセックスしたいです」
『あ~、そっちのほうが好きかも』
「じゃあ付き合ってくれますか?」
『それはまだ~』
「なんでよ…」
後日居酒屋
「いやほんとなんで惚れてくんないんですかぁ~…?」
『むつーさんかなり飲みましたね?』
冷静にツッコんでくるシャオさんはここに来てから烏龍茶しか飲んでいなく、こっちを半笑いで見つめてくる。
「俺だって頑張ってるんですよぅ…?(泣)」
『むつーさん酔ったら泣き上戸になんねんな…んなこと言われてもなぁ』
「くっそぉ…まぁそんなとこも好きですけどぉ…」
『僕にべた惚れじゃないですか』
「もうシャオさんいないと生きていけないくらいには…」
『草』
「はぁ~…そろそろ解散します…?次は絶対惚れさせますから…」
『次で良いんですか?』
「え?」
『だって、早くしないと僕いなくなっちゃうかもしれませんよ?』
その言葉を理解するのに10秒くらいを要した。
えーっと、彼は今なんて言ったんだ?
「…はぁぁぁぁ!?」
『ちょ、店員さんに迷惑ですよ』
「いや、だって、ぇ、はぁ?まっ、どういうことですか!?」
『さぁ~、なんでしょうねぇ~?』
そう言ってシャオさんは妖艶に微笑むのだ。
「教えてくださいよ、いなくなっちゃうんですか?」
『どうでしょうねぇ~?』
「なんでシャオさんはそうも頑なに…」
コップについた結露がゆっくりゆっくりと落ちていって、俺の指とテーブルを濡らした。
「シャオさん、好きです。大好きです。愛してます」
『知ってます』
「俺の傍にいてほしい」
『それで?』
「俺のこと以外考えないでほしい」
『で?』
「えーっと、うーんと、それから」
『くふふw』
琥珀色の髪を揺らした彼は烏龍茶を飲み干すと立ち上がって代金の半分を机に置く。
ふわりと首を返した彼は、いたずらに目を細めて俺を見つめた。
『ま、次の時までに僕の口説き方考えといてくださいねぇ~』
ひらひらと真っ白な小さい手を振ったシャオさんは居酒屋を出ていった。
…どうしたらあの妖艶な生き物を口説けるんだろうか。
可愛いですね好きです
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