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あまり暗い展開が続くのも嫌なので明るい展開にしました。
奏が玄関を出ていくのと同時刻。
私、高岡沙羅はデートの準備をしていた。
幸い学校が休みだったので海斗くんとの初デートは今日に決まった。
正直、とても緊張している。
海斗くんは、サッカー部のエースでいつもきらきらと輝いていた。クラスの中でも1、2を争うくらいで人気らしい。
だからこそ彼が私を選んでくれたこと、好きだと言ってくれたことがとても嬉しかった。
「ホント、私にはもったいないくらいの人だよ…」
目の前にある鏡を見ると、向こう側の人物の口角が上がっていることに気がついた。
「なっ、何にやにやしてんの!私のバカ!」
はっと我に返って、自分の顔をぺたぺたと触り、口角を元に戻そうと指で頬を引っ張った。
自分がデートに浮かれていることを恥じながら出かける準備を進める。
「それにしてもぐちゃぐちゃな部屋だ…」
自身の部屋をぐるりと見渡してそんなことを呟く。
海斗くんがもし今の自分の部屋を見るとどんなことを思うだろうか。
きっといい印象はもたないだろう。
「でも、向こうもドキドキしてるはず!頑張らなくちゃ!」
自分の頬をパンパンと叩き、覚悟を決める。
「綺麗に片付けよう!」
私はデートの待ち合わせまでの時間を、部屋の片付けに使うことにした。