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「え、最後俺じゃん…」
赤色が自分を指差しながら、ぱっちりとした目を丸々と見開く。
青色は変わらず「早く〜」と急かすばかり。
時刻は午前4時。
仕事で起きてくるら民もおり、同接は優に4万人を超えていた。
「…レウ?」
唸るばかりでなかなか話そうとしない赤色に急かしていた青色は違和感を感じたのか、席を立ち上がりその顔を覗き込む。
僅か数cm、赤色と青色の視線が混ざり合う。
数秒間見つめ合い、何かを感じ取ったのか「じゃあ先に俺から話そっかね」と頭の後ろに手を組みながら自身の席に戻る青色。
皆眠いのか、少し張り詰めていた空気が揺らいだ気がした。
「ヒトに話せるような、良い記憶は無いんだけどさ?」
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青色…いや、”黒色”は戦場のど真ん中を一生懸命に走っていた。
空は炎で赤く染まり、辺りには■体が散乱、転がるそれに何度も躓いてしまう。
仲間は次々と■んでいき、残ったのは重症患者と化した数人のみ。
瓦礫の影に身を潜め、自身らで応急措置を施すことしか出来ない現状に、”地獄絵図”と言い表すには十分な光景だった。
後方から狙ってくる敵が数名、左前方から飛んでくる手榴弾を避けながら戦うこと数時間。
こんな状況でもニンゲンの体とは不思議なもので、無理に意識を失わせてでも休息を取ろうと訴えかけてくる始末。
丸腰の彼の背中に爆風が押し寄せる。
何故このようなことになったのか。理由は無い。
突然押し寄せてきた兵隊たちに、仲間が皆■しにされ、武器を拾って応戦してるだけ。
不可抗力、というやつだ。
近くにあった未だ崩壊をやめない建物へと身を隠し、怪我を負った箇所を服で縛る。
「ゔぐっ、」
傷口を縛るのは中々に苦行だった。
包帯を巻き終えると、意識が遠のいて行くのが分かる。
脱力した体に、意識しようが力が入ることはない。
■ぬのか、なんて思考が頭を遮る。
綺麗な満月の晩だったことを覚えている。
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「おしまい」
両手をあわせ、話を終わらせる青色の彼。
4人はぽかんと口を開けている。
「え、何もわからんまま終わったねんけど、w」
黄色が答える。
「え、何かわからんとこあった?」
逆に聞きたいと頭の上にクエスチョンマークを浮かべる青色。
黄色は返答する。
「結局、お前は■んだん?」
ド直球に聞くなぁとら民、紫色、赤色が苦笑いを浮かべる。
「■んだよ?」
青色の答えに、聞いた全員を硬直させる彼。
黄色は続けて聞く。
「え、じゃあ…」
「なんか勘違いしてるみたいだけど、君等の前にいる俺は」
席を立ち上がる彼。
「”人造人間”だかんね」
青色の話を聞くまで、彼等は考えたこともなかった。
”なぜ生まれ変わった彼に何度も遭遇することが出来るのか”…、それらは決して無事な状態での”再会”だったのだろうか、と。
なにやら話が混ざり合い、複雑になってきた。
「ちょ、っと待って?」
赤色が冷や汗を流しながら言う。
「仮にらっだぁが人造人間だとして、誰がメンテナンスをしてくれてるの?」
ロボットには付属される部品の関係上、定期的にメンテナンスを行う必要がある。
それがなく、今も正常に動いているのは明らかにおかしいのだ。
「らっだぁって、確か100年は生きてるよね?その間メンテナンスが無かったなんて、そんな都合の良いロボットがあったら、皆喉から手が出るほど欲しいと思うけど…」
「そう言われてもなぁ、」
青色は困惑し、天井を見ながら何かを思い出すように考えていた。
突然の告白に4人は思い出していた。青色はシャワーが多かったこと、食事は普通に取り、なにかの拍子に機械のような音がしなかったかどうかなどを。
しかし、幾ら記憶を調べようが何も思い当たる節は無い。
彼自身も、身近にいる仲間も分からないまま話題は過ぎる。
「黒髪やったって言ったけど、いつから青色なったん?」
彼ら4人と出会う頃には、既に彼の頭は青色だった。
青色は「あぁ、w」とそれなら答えられると思ったのか情けない表情から真剣な表情に変わる。
「人造人間になった時のストレスか、初期に流したオイルのせいらしいね」
「らしいって…w」
黄色が苦笑いを浮かべながら言う。
青色は赤色を覗き込む。
「これでいけそう?レウ」
他のメンバーやコメント欄も『無理そうなら配信消しても大丈夫だよ』と提案するも、赤色は
「いや、皆も言ったし…言うよ」
と自分から進んで出た。
「…じゃあ、俺の過去話します、w」
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コメント
8件
レウさんの思いを読み取ってらっだぁが話しだす辺りが凄い解釈一致すぎて〇ねる☺️ レウさんの過去絶対重い...
まさかの人造人間だったぁ!誰が操作してるんだろ、レウさんも過去重いのかな、今回も最高でした!次も楽しみにしています😊