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プルルルル
陽「ごめん。今忙しくて…」
日陰「もしかして、女子高生の?」
陽「そう。事務所と話して今日は休む。」
日陰「そっか。そうだよね。」
陽「また、明日な。」
日陰「うん」
そうだよね。こんな事になってるんだもん。もし、外に出て刺されたりしたら…ッ
なんか、体調が良くないな。頭も痛い。動けない。今日は休もう。
結局休んでしまった。まぁ良いだろう。勉強しようかな。わからないとこ復習したいし…
復習に手をつけて二時間ぐらい経ったのだろうか。少し集中してしまった。このくらいやれば大丈夫だろう。予習もしておこう。早く追いつける様に。何ページやったのだろうか。休憩がてら数えていたら電話が来た。
日陰(こんな時に…)
日陰「はい…」
電話に出ると慌てた声で素早く物事を伝えてきた。びっくりしたのが内容だ。 想像したくもなかったがそれが本当になってしまった。それは、陽が刺されたらしい。陽が入っているグループも皆刺されたといっている。
日陰「は…え…どうして……」
最悪だ。後悔が俺の体を急速に蝕んでいく。さっきまで晴れていた意が雲によって隠れた後土砂降りの雨が降った様だ。
話した内容は陽は致命傷を負っていて救急車が来るまでには間に合わないという。陽が放った言葉は日陰に会いたい。だそうだ。それで電話してきたんだろうか。なら早く行かなければ…
幸い、走ってこれる距離にあった。普段運動してなくても想いを寄せているならこんなにも早く走れるんだと実感した。事前に教えてもらった。二階の手前の部屋だと。急いで地面を蹴り飛ばし陽の所へ足を運んだ。
日陰「陽ッ…!!……ッ‼︎」
そこには白い運動着に血だらけの陽がいた。練習でもしてたのだろうか。メンバーらしき人もいる。視点を変えるとマネージャーというのか知らないがらしき人物がいた。恐らく電話で話した人だ。名前は………田中といったか
田中「あ、あ、あなたが日陰さんですか……?よよ、陽さんはもう…」
日陰「分かってます。そこ覚悟です。」
陽の手を強く握る。少しだけ温もりを感じるが殆ど冷たくなっていた。それでも握り返してくれて涙が溢れた。こんな人前で泣くのは初めてだ。でも止まらない。どんどん溢れてくる。大粒の雫が顔を伝わって溢れる。陽は目を覚さない。目を開けてない。でも顔は穏やかそうであの頃の笑顔が思い出す。血の匂いが鼻に通り現実を突きつけてくる。そこでまた死んだと実感する。
日陰「陽…陽ッ!ごめん…いっしょに逝ってられなくて…、一人にしてごめんなさい…ッ、側にいつもいるって言ったくせに……許してくれる?……」
田中「日陰さんっ!あれ!」
日陰「?」