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第10話
阿部side
めめに呼び出されて静かな廊下に出た。
🖤「ごめんね、こんな遅くまで残らせちゃって」
💚「ううん、平気。暇だったから」
🖤「この間の⋯さ、考えてくれた、?」
💚「⋯⋯うん」
🖤「聞かせて、阿部ちゃんが出した答え」
めめは、真っ直ぐな眼差しで問いかけてきた。
ゆっくりでいいよって、そう言われているような気がした。
💚「⋯俺は、昔から佐久間に片思いしてた」
「失恋して、それでもずっと佐久間が好きだった」
🖤「うん」
真剣な表情で、ちゃんと聞いてくれている。
💚「でも、めめは、ちゃんと俺に『好き』って伝えてくれた」
「それは、すっごい嬉しかった」
🖤「うん」
めめは、ちゃんと向き合ってくれた。
だからこそ、俺も真剣に彼と向き合わなければいけないんだ。
💚「嬉しかった―――けど、」
🖤「⋯」
💚「俺は、自分の気持ちに嘘をつきたくない」
🖤「そっか。」
それでも、めめの表情は曇らなかった。
🖤「ありがとう。ちゃんと、向き合ってくれて」
💚「⋯うん、」
そのままめめは去っていった。
少し驚いた。俺は失恋したとき、苦しくてたまらなかったのに。
めめは全然苦しそうじゃない。むしろ清々してるようだった。
ほんとは苦しいのかな、無理して隠しているだけなのかな。
誰よりも誠実で、優しくて。
俺にはもったいないよね。
自分から振っておいて何を言っているんだ、とは思うが、
彼には、幸せになってほしい。
そう心から思った。
目黒side
🖤「⋯っふぅ、」
やっとこの恋に区切りがついた。
もう苦しい思いなんてしなくていいんだ。
清々した。
なのに⋯⋯⋯⋯⋯
なんでまだ、こんな苦しいんだろう。
なんでこんなに、涙が溢れてくるんだろう。
涙は俺の頬を伝って、冷たい風に揺られながら寂しくぽたりと落ちた。