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2月14日月曜日
今日はバレンタインデー。
結局、僕は勇気が出なくて
君にチョコを買ったりはしなかった。
君は誰かからもらったのかな。
自分は渡す勇気がないくせに
そんなことを考えてしまう。
今日も君はあの子とずっと一緒。
やっぱり君はあの子みたいにかわいい子が
タイプなのかな。あの子が好きなのかな。
話せないのは自分の勇気が足りないから
なのに、そう考える僕は本当に意気地無し。
2月15日火曜日
どうやら卒業前にクラスでドッジボール
大会をするらしい。そのチーム決めでくじを
引いた。僕は君のチームを知らないけど
一緒だったらいいなぁ、なんて考えて。
君は学級委員だから、クラスのために
色々考えてくれているらしい。実行委員の
ような役割を任されている。
くじを引いてから、君が回収する時に
ほんの少しだけ指が触れた。それだけなのに
ほんの些細な事なのに僕は気分が上がって
しまって。ほんとに単純だと思う。
2月16日水曜日
今日は、先週の試験の結果発表の日。
つまり推薦試験の合否発表の日。
朝からずっとドキドキしていて緊張が
止まらなかった。
でも今日はいい事が沢山あったんだ。
お昼休み。莉犬が座っている席に半分
座らせてもらって仲良く話していたら、
窓のそばに君とジェルくんがいた。
寒そうにしていたからジェルくんに
わざとカイロを見せびらかす。
橙「るぅちゃんパスっ」
そう言われたから僕はジェルくんに向かって
カイロを投げる。そこから僕とジェルくんの
カイロのキャッチボールが始まって。
橙「るぅちゃん、ころんに当ててええで笑」
なんてジェルくんが言うから、ちらっと
君を見ると、冷たいけど、どこか暖かい目で
こちらを睨む君と目が合った。
まるで、「お前やんのか?」と言いたそうに。
黄「睨まれちゃった笑」
橙「ころん冷たいな笑」
君がキャッチボールに参加することなく
お昼休みが終わった。
午後の授業は美術。絵の具を使って風景画を
書いていた。書き終わって道具を洗っていたら
隣に君が来て、少しだけ意識する。
筆を拭くものがなくて、近くにいた
さとみくんに話しかける。
黄「さとみくん、ティッシュちょうだい」
桃「悪ぃ、俺ハンカチしかねぇわ笑
ハンカチでいいなら貸すけど」
さとみくんはほんとにハンカチを貸して
くれるみたいだからお言葉に甘えようと
手を伸ばすと
黄「じゃあハンカチ借りようかな…」
青「お前、マジ?笑」
なんて君が言うから借りにくくなったじゃん。
仕方なく、他のクラスメイトにティッシュを
もらったけど。
ついに放課後。合否発表。
順番を待っている間「ダメだったら
どうしよう」なんて考えが浮かんだから
「大丈夫、君も応援してくれたし、
絶対大丈夫」と言い聞かせた。
僕は無事に第1志望校に合格していた。
嬉しくて、帰宅してからすぐに莉犬達に
連絡する。みんな「おめでとう」と言って
くれた。君にも連絡しようか迷いに迷って
短いメッセージを送ることにした。
黄<お疲れ様✨合格したっ!受かったっ!
黄<(スタンプ)
送ってみたけど、返信はなかなか来ない。
チラチラとスマホを確認するけど、通知が
来ても、君からの返信じゃない。
ピコン。
今度こそ、君からの返信だといいな。
そう思いながら通知を確認すると君からの
メッセージが届いていた。
青<おめでとうっ!!
青<(スタンプ)
青<もう気が楽だね
黄<ありがとう!!
黄<うん笑
黄<(スタンプ)
青<ほんまにおめでとう
黄<頑張れって言ってくれたから頑張った!笑
青<言ってよかった笑笑
黄<ありがとう✨✨
青<今までお疲れ様
青<(スタンプ)
黄<(スタンプ)
君とメッセージのやり取りをしたのが
嬉しくて、画面を見ながら自分の頬が
緩むのがわかった。
ちょっとだけ期待してもいいかな。
明日は少しだけ話せる気がした。
2月17日木曜日
今日の体育もサッカー。僕は君の事を気に
しながらプレーしてたら、こっちのコートに
ボールが転がってくる。
黄「あ、はいっ!」
青「ありがとっ」
ポンっと君にパスすると一言だけ返して
ゲームに戻っていった。
目が合ってちょっと嬉しかった。
授業でパソコンを使って隣の席の人と
協力してメールのやり取りをすることが
あった。僕の隣の席は君。なんてことはなく
隣の席のさとみくんとやり取りをする。
桃「っしゃ、できたっ!」
黄「おお!すごい✨」
青「嘘、もうできたん?」
桃「おう!楽勝だな笑」
青「さとみくん絶対ずるしたでしょ」
桃「ずるってなんだよ笑」
君とさとみくんが会話をするのを僕は
聞くだけだったけど数回、君と目が合った。
お昼休み。ホールに貼ってある志願倍率を
莉犬と見ようとしたら、君とさとみくんがいた。
莉犬が近寄るから、僕もついて行って、
4人でそれを眺める。
青「どこが1番倍率高いんだろ」
桃「お、ここじゃね?」
青「え…マジだ笑」
黄「あ、こっちか、僕こっちみてた」
青「何やってんの、それ去年のだよ笑」
僕は見るところを間違えていたようだ。
でも、そのおかげで君と少し話せた。
赤「あ、ころちゃんも放課後呼ばれた?」
青「あ、うん、え、莉犬くんも?」
赤「うん」
青「え、お前も?」
君は僕を指さしてそう言う。
黄「うん、呼ばれた」
君はいつもそう。他の人の名前は普通に呼ぶ
くせに、僕の名前はあんまり呼んでくれない。
いつも「お前」って言う。別にいいけど。
放課後は先生からのお話が少しあっただけで
すぐに帰れた。君と帰れるかも、なんて
少しだけ期待して。
君と帰ることはできなかったけど、莉犬と
僕のすぐ後ろに君とさとみくんがいたから
ほぼ一緒に帰ったようなもんだよね。
うんうん、今日もいい日だった。
2月18日金曜日
今日はいよいよドッジボール大会。
君とはチームが離れてしまった。
僕はドッジボールは得意ではないから
君にあまり見られたくない。それでも
頑張って逃げ続けたら、いつの間にか
最後の一人になっていた。
ボールを持っているのはさとみくん。
黄「やめて、さとみくん、お願いっ笑」
桃「ふっふっふっ」
あてられるとわかっていたけど
そう言ってみる。すると、さとみくんは
嬉しそうににやにやしながら僕をあてた。
桃「っしゃぁ!」
黄「ひどい、さとみくん笑」
桃「残念だったな笑」
赤「るぅとくん、惜しかった!笑」
黄「莉犬ー、僕頑張ったよぉー」
赤「うんうん、頑張った頑張った笑」
次は君のチームの番。
君は運動神経がいいから、どんどん人を
あてたり、ボールをキャッチしたりしていた。
黄「頑張れっ!!」
こういう時はみんなも応援しているから
僕だって君を応援できる。
あっという間に僕と君のチームの対戦に
なった。もしかして君と喋れたりしないかな
なんて小さな期待を胸に、逃げ続けた。
話す事はできなかったけど、楽しめたし
君の活躍する姿を見れて嬉しかった。
今週は特にいい日が続いていた気がする。
コメント
3件
かわだなぁ…✨恋してるってのはいいもんだね😭
黄くん…可愛いな!おい!恋する子は本当に可愛いよなぁ…(*´▽`)