「本当は、もっと」
体を離し、どちらともなくもう一度微笑むと、こそばゆい幸せに包まれた。
照れながらしばらく笑っていると、私のスマホに着信が入り、見ればお母さんからだった。
お母さんの用件は、「もう外が暗いから、早めに帰ってくるように」とのことだった。
今日は友達と帰ると伝えていたけど、女の子同士でいると思っているだろうから、心配になったのかもしれない。
「遅くならないように帰る」と伝えて通話を終えると、 晴(はる)さんがなにか言いたげに、優しい目で笑っていた。
「……家まで送るよ。車のキー取ってくるから、ちょっと待ってて」
私の頭を撫で、晴さんは廊下のつきあたりの部屋に入っていく。
(あ……)
玄関でひとりになった途端、ふっと気が緩んですこし放心した。
なにげなく目を落とすと、晴さんの靴が目に入り、視線を横にずらすと、下駄箱の隅に置いてある傘も見えた。
彼の私物**********
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