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【影。視点】
昼食を食べ終わり、昼休みが終わる。この後の競技は借人競走。我ら1-Aからは俺とあるまが出る。もちろんほかにもまだいるけど。
ここから一つ問題があるとするなら、どう手を抜いたらいいのか。全力で走るのはさすがにバカ。奏がやってたことと同じになる。程よく手を抜くってのは相当難しい。
あるま「よーし、かげまる絶対勝つぞ!」
影。「どうやって……」
あるま「え?手の抜き方の話?」
影。「あんだけ奏にバカバカ言ってて自分どうしたらいいのか全然わからん」
あるま「かげまるってそういうとこあるな」
とりあえず軽くジョギングするくらいの加減で走ってみるか。ちなみに入場の駆け足はほぼ競歩である。
この競技は学年で別れてて、各学年で2回ずつに分けて走る。
パンッ
スタートの合図で走り出す。第1走者にちらっとバブルがいるのが見えた気がするから、多分一緒に走ってる。軽く走ったつもりでも結構普通に1位でお題箱までたどり着いた。周りに騒がれてないし、ちょっと足の速い人にしか見えて無さそうだな。
影。「お題は…………げ」
開いた紙に書いてあったお題は『家族』。お題考えたやつ出て来い今すぐに!配慮が足りてないぞ配慮が!
一応奏を家族といえばそれはそうとも言えるだろう。でも、どういう関係なのかと聞かれたらたまったもんじゃない。主と眷属です、なんて死んでも言えない。それでいえばふじみやだって一応兄弟みたいなもんだから家族ではある。それこそ説明のしようがないけど。
バブケ「かげまるさんどうしたんですか?」
影。「バブケ、お題なんだった?」
バブケ「尊敬している人、ですね」
影。「交換してくれ、俺家族とかでた…」
バブケ「僕にもいないんですけど?」
影。「ちゃげぴがいるやん!」
バブケ「あ〜、たしかに。じゃあわかりました、交換しましょ」
次々と後続が来たのでとりあえずバブケと紙をサッと交換して奏の方に向かう。まぁあの人を尊敬しているっていうのはちょっと気は乗らないけど、背に腹はかえられない。今この借人競走に参加してなくていちばん尊敬してるって言ってもおかしくないのは奏だし。
影。「奏GO!」
K「え〜」
影。「早くしろよバカ」
K「お口が悪い〜w」
まだなんかグダグダ言ってる奏の手を無理やりとって引きずる。さすがに引きずられるのは嫌だったのか、途中からは自分の足で走り出した。
何とか1位でゴールしたところで、お題のチェック。『尊敬している人』というお題にニマニマしながらこっちを見てくる奏をしっかり無視して待機する。2位でバブケがゴールしてきたのにはちょっと驚いた。連れてきたのはちゃげぴ。
K「あれ?ちゃげぽよって借人競走じゃないの?」
ちゃげ「一応いいらしいよ、学年が違えば」
影。「え、そうなの……?!」
K「かげまるくーん僕以上に尊敬している人がいるって言うのかーい?」
影。「だったらふじみやにしたらよかった…」
K「ふじみや?!なんで?」
影。「奏よりマシ」
K「ふざけんなよ」
まぁ、奏は尊敬というより、俺は眷属だから服従とか、付き従う的な方がしっくりくる。それで言うならふじみやの方が俺より魔力は強いし戦い方も慣れてる。だからこそ尊敬している人ってお題ならふじみやの方が適役だ。
えんえんと泣き真似をする奏を無視して第2走者のあるまを待った。