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10 - 本拠地へ

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2023年08月21日

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「ここは…?」

牢屋のような場所で、アリシールは目を覚ました。暗くて辺りはよく見えない。

「やっと起きたのかい?待ちくたびれたぞ。」

聞き覚えのある気がする声に、アリシールはゾッとした。

「ガレット…さん…?」

「ハハハ、正解。」

アリシールは状況の整理が追いつかない。

「私を捕まえて何がいいの?魔女はすぐに始末するものでしょ?」

アリシールがそう訊くと、ガレットは少し考えて、

「いや、君だけは特別扱いになったんだよ。」

と言った。



《第十話 本拠地へ》

「もう何日歩いた…?」

炎天の昼下がり、アルレイドが呟いた。

「さあ…?一週間ぐらい?」

ヨーラは空を仰ぎながら答えた。ここしばらく雨は降っていない。

「あ”づ い”!どんだけ歩けばいいんだよ!」

「急ごうアルレイド!あともう少しで着くよ!」

列車と徒歩での移動で、二人はシーブルー・タウンまで来ていた。ヨーラによると、あと少しで組織の本拠地まで着くらしい。


「呑気なこと言うけど、シーブルー・タウンに来たの初めてだ。」

アルレイドは、遠くに見える町を眺めながら言った。



「ここまで来て、迷うとか無いからね。」

ヨーラがアルレイドに言った。シーブルー・タウンは、この前迷ったノースディオルよりも道が複雑になっている。

「私はそんな奴じゃねーよ!心配すんな!」

アルレイドはヨーラにニッっと笑って見せた。

「それじゃあ、題して!姉妹救出作戦!」

ヨーラは目をキラキラさせながら言った。

「静かにしろ!魔女狩りにバレたらどうすんだ!」

アルレイドが叫ぶように言った。

「あー、ごめんごめん!」

「気を付けろよ!」

アルレイドも静かにしていない。

「…あれ?アルレイド、作戦考えて無くない?」

ヨーラがそう訊くと、アルレイドは不敵な笑みを浮かべて、

「正面突破あるのみ!」

と言った。

「心配だ…」

アルレイドの言っている事では、何かする前に捕まる気がする。



「あれがアジトか?思ったより目立つな…」

石のレンガでできた大きな建物は、遠くから見てもよく目立つ。

「行こう、アルレイド!」

「ヨーラ!足手まといになるなよ!」

二人は走って建物へと向かった。



「イメージ!」

アリシールが叫んだ。何も起きない。

「この牢屋の中では、魔法が使えないんだよ。」

見張っていたガレットが、アリシールに言った。

「逃げようとしたって無駄さ。もし誰かが助けに来ても、魔法が使えないなら意味が無いだろう?」

ガレットは気味悪く微笑んだ。

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