・原作無視
・口調迷子
・夢主名前固定
・しのコン・感動部門
煙霞陽和/エンカヒヨリ
霞火の呼吸の使い手
霞の呼吸と炎の呼吸から派生
壱ノ型…霞火・揺らめく刃
弐ノ型…焦れ火の歩
参ノ型…微睡む灯
肆ノ型…紅蓮霧し
伍ノ型…白艶の結界
終ノ型…灰に咲く火
『人を一人でも多く救えたら。私はそれでいいの』
『貴方は鬼で私は人間』
『わかってるよ』
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雪が降る夜だった。
冷たい白が黒く濡れた地面に染みていく。
――血の色を覆い隠すには、余りにも静か過ぎる夜。
「お前、まだ生きていたのか」
その声が耳に届く。
重く、低く、重圧で押し潰されるような威圧感。
だが何処か優しかった。
今にも倒れそう。
死にかけの身体を無理やり立たせる。
目の前には無傷のままで居る上弦の参。
『何故…殺さないの』
そう尋ねるとゆっくりと首を傾げる。
「お前は、他の隊士とは違う闘気がある」
「どれだけ傷つけられても強くなろうとする意志がある」
それが彼の好みだと知っていた。
強さに執着し弱さを憎む。
それが彼の価値観であり、存在理由。
『私は守りたいものがある』
『殺す為では無く、生かすために強くなりたい』
そう答えると、上弦の参の眉が微かに動いた。
それが驚きなのか興味なのかは分からない。
「……それは弱さだ」
静かに言い放った声に、揺れがあった。
否定しきれないものが何処かにあったような気がした。
『弱さでもいい』
『誰かの為に死ねるなら――私はそれでいい』
血に濡れた手をギュッと握り締める。
寒さではない何かが胸を締め付けていた。
そして上弦の参は不意に一歩距離を詰めた。
「お前、今まで戦ってきた誰よりも生きているな」
その言葉は呪いのように重たかった。
「お前……名は」
彼の手が伸びかけて止まる。
触れようとして触れなかった。
それが彼の限界だった。
鬼である彼と、人間である自分。
気持ちが交わるはずが無い存在。
わかってる。
『私は…煙火陽和』
『貴方は?』
「猗窩座だ」
わかってるのに。
『もし、生まれ変わる事が出来たら。猗窩座は…』
そこまで言って、言葉は喉に消えた。
言ってはいけない事だと思った。
そんな願いは余りにも優し過ぎるから。
彼は何も言わなかった。
ただ、少し目を伏せて――背を向けた。
「今のままじゃ、無理だな」
そう言って雪の中へと消えていった。
鬼である彼は夜の中に溶けていった。
この夜を越えても彼は鬼だった。
でも私は心の何処かで人間に生まれ変わったら傷が癒されることを。もう二度と鬼にならない事を願った。
――それは誰にも言えない願い。
コメント
4件
最高❤️🔥
まじ好き😘😘😘