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「ああ・・・そうだな・・・でももし・・・ 」
とジン
「ああっもう!北斗!早くその心配面をしている、大きな男を私の見えない所に連れてって、こっちまで陰気臭さが移るわ 」
「さだこぉ~~~~~~(泣)」
たしかに少しうっとおしい、アリスはクスクス笑いながら、この楽しい夫婦のやりとりを見ていた
「それじゃぁ!行ってくる」
北斗がブラックのメルセデスベンツの、運転席からアリスに手を振る
「本当にすぐもどるから・・・階段の上り下りは気を付けて、疲れたらアリスに遠慮しないで横になれよ、それから―」
「ハイハイ!行ってらっしゃい!」
ジンが助手席から情けない顔で貞子を見る
「アリス・・・本当に本当に、貞子を頼むよ、コイツのお腹には予定日が過ぎた俺達の子が―」
「あ~っっ!もう!北斗!早く車を出してっっ 」
貞子がしっしっと手をヒラヒラした
二人で北斗の車を見送った後、アリスがクスクス笑って言った
クスクス・・・
「たしかにあれはちょっとうっとおしいかも・・・ 」
「でしょ?どうしようもないパパね~」
そう言ってお腹を撫でる貞子は幸せそうだった
「赤ちゃん男の子かしら?女の子かしら?」
「う~んこれはジンと話し合ったんだけど、産まれるまで聞かないことにしたのよ、産まれてからのお楽しみってことで」
「素敵だわ、ジンさんきっと赤ちゃんにメロメロになるわよ」
「もうなってるわ 」
二人はワイワイ言いながら、キッチンへ入って行った
「ねぇ!食器棚の上の土鍋取って」
アリスが脚立に乗って大きな土鍋を降ろす
「本当に貞子さんは何もしないで、私にどんどん言ってね」
アリスはそう言いながら、男の子ならジンさんに似たらいいだろうなと思った
この二人の赤ちゃんが生まれたら、何をプレゼントしてあげたらいいだろう、帰ってからオンラインギフトサイトを、見るのが楽しみになった、北斗さんにも相談しよう
それから30分後
アリスは庭の畑で巨大な白ネギを採ってきた、これをぼたん鍋に入れると、美味しいだろう、裏庭からキッチンへ入る
「ねぇ貞子さん―」
「パァン!!」
その時どこかで大きな風船が割れる音がした
「キャァ!!破水したわっっ!」
貞子の叫び声が家中に響く
アリスが慌てて駆け付けると、貞子の足の間にみるみる水たまりが出来た
「キャー――――ッッ!貞子さん!」
アリスも叫び声をあげる
「あぁぁぁあああぁ」
貞子がうずくまり長々と
低い唸り声があたりに響いた
「うっ・・・い・・痛ーーーーーーい
産まれるーーーッッ!! 」
「ええっ??!! 」
アリスはパニックになった