真っ黒な世界の中、ただ1人。俺がポツン座っていた。
そこに、青い髪の彼奴が優しく笑って頭を撫でてくれた。そんなお前の瞳を見ようと頭をあげた瞬間、お前の心に向かって矢がとんだ。
グさり、…あいつの心に奥深く刺さる。
ポタリ、…ポタリ、…血が落ちていく。
なんで、…なんでと手を伸ばした瞬間…お前の姿は崩れ落ちて言った。
『鬱ッ!!』
やっと、声が出た瞬間そう叫んだ。…が、自分の視点は暗転した。
『…んー、』
夢を見ていた気がする。まぁ、…んな事ええか。
ベッドから起き上がり、布団を勢いよくバンッと投げると風で机の上から書類が落ちてきてしまう。
『あ、ッ…最悪や。』
書類の山になっていた書類が綺麗に雪崩のように落ちてくる。
片付けて居ると、俺についての書類があった。…
『…こりゃあ、…カルテか?』
俺になんでカルテが…、なんておもいながらカルテを広げる。そして読み始める。
wrwr軍所属、前線部隊副隊長トイフェル・シャオロン。出身はr国で、貴族の子供。
年齢は//で、精神病にかかっている
『…は?俺が……?なんでやねん。』
『どういう事や…?精神病…?』
もっと読み進めていると、…俺は、
『…ぇ、……』
原因、そして病状。大切な人を亡くしてしまった事、大きなストレスにより解離性健忘がおこってしまった。
解離性健忘……、病状としては、記憶が短時間で無くなってしまう。
『…いや、…おれは、…え?』
『…大切な…人?…俺、…おれは、……、』
「シャオロンッ!!!」
俺の前にたち、そう叫ぶ大先生
『…ッぇ?!だいせんせッ!!?』
え、…なんでと顔を上げる。…が、そこには真っ赤な血を口からボトボトと吐く。その姿。
『…、…、大…先生?』
か弱い声を放つ彼が、俺の顔を優しく撫でる。
「…守れたんやな…、よかったぁ、…」
『…ッはッ、…ぁぁ!…いや、ッ…おれは、…そんなッ!!いやぁ、ッ!!』
俺のせいで、…?俺の目の前で?…なんで、わかんない、…助けてよ、…どうして、
バンッバリッ…、そう、カルテを破ききる。
『うつ、…、うつぅ!?…、おれが、…俺が殺したんか…!?…いや!ッ…いやぁぁ!!…、』
怖くて怖くて、目を閉じると、そのまま眠ってしまった。
『…ん、…あれぇ、…俺眠ってもうたんかなぁ、…』
目を擦ると、もう夜な事が分かってしまう。
『ちょっと待ってぇや、…今日1日全部寝てたん?』
はぁ、…とため息をつきながらお腹すいたし、ご飯も食べないとなので、起き上がる。
『…ちょっと待って?俺ベッドじゃなくて、床で寝てたん!!?』
それよりも、周りに落ちている紙くずはなんなんだ。
『…、え?漁られた?…怖。…いや、普通にちゃうよな?…こわぁ、』
取り敢えず集めて、そのまま捨てる。
『ふっんぅ、…、ねむぅ。』
目を擦ると、急に視界が綺麗に映る。
『ほんま、…なんなんやろ。』
朝からずっと眠ってしまっていたなんて、…嫌やな。
スタスタと歩いて、ご飯を食べに向かう。
すると、シッマが前から歩いてくる。
『あ、…シッマ〜!!』
俺の姿を認識した瞬間、シッマは俺を睨みつけるように嫌そうな顔をする。
「……なんや、お前。…」
『…なんでそんなあれなん?萎えたわぁ、w』
『あ、…そーや。』
無駄に元気の無いシッマ。何でやねん。…そんな事をおもいながら、話し始める。
『なんで、最近大先生見ないんやろうなぁ…、なんでや思う?』
大先生…最近見ないんよなぁ…イタズラとか仕掛けたいんに…、!
「………、お前、それマジで言っとるんか?」
すると、急に本当に怒り出し…俺を睨みつける。軍人の本気の睨み。殺気は酷く怖かった。
『…え?…あぁおん。』
「……何がなんでやとか言うねん。…お前ふざけんなよ。」
真っ黒な目が、俺を恨むように睨みつける。
『…え?…、どういう?』
困惑している俺にしっまは、
「…お前がッ!!…お前が殺したくせにッ!!!」
そう怒鳴りつけた。
『…俺が……殺した……?』
震える手。怖いと言わんばかりに…泣き出しそうな自分。
『…いや、…そんな…わけ。』
「お前がッあの時…周りを見とったらッ!!!」
「彼奴は死なんかったんにッ!!!」
そっか、…大先生、…あの時。俺を庇って、
死んでしまったんだ。
『…あ、ッ…そんな、…いや、ッ…俺は、別に殺した訳じゃッ!!』
「は?…………そんなん通じる思ってんのか?」
壁にダンッと押さえつけられる。殺気を放つお前の目は怖くて、怖くて…
『…ッ…、おれ、…そんな。』
殺してない……そう、…おれはッ殺してなんか!!
ぐちゃぐちゃと頭の中に黒い感情が俺を苦しめる
「殺してへんって、…そうお前は言えるんかッ!!!?」
おれは、やって…違う、あれは、俺のせいじゃない!!
『…やって俺はッ!!!』
反論しようとした瞬間首に当てられていた力が一気になくなり、そのまま座り込んでしまう。
シッマが力を抜いた…?と顔を上げると、シッマは呆れて…
「…お前には、失望したわ。……もうええよ。」
そう言って俺を睨みつけてそのまま走り去ってしまう。
『…あ…ッ…ちょ、ッ…シッマ!!!』
手を伸ばすが、それは届くことは叶わなかった。
『…いや、ッ…おれ、…どうしたらッ!!』
訳もわからなくなって、ただ嫌われたかもしれない。あれ?鬱は?…どうして?…わからない。気持ちがぐちゃぐちゃとしていて、…気持ち悪くて、部屋に直ぐに戻り鬱がくれた人形を抱きしめる。
俺は怖くて、怖くてただ部屋の隅に泣きながら寄りかかる事しかできない。
『…ッ…うぅ、…ぁ、…ッ…、どぉしたら、…ええのぉ、…おれわからん、…助けて…、』
「……しゃーおちゃん。…何してんの?」
『……へ…?』
優しい声は、その姿は全部鬱だった。優しい声で目が見ひらく、
青い髪が風に靡いていた。ふわりと笑って俺の瞳を優しく眺めていた。
『…なんッ……え?…ッ…おまッ…あ、…ごめッ』
「……ただいま。シャオちゃん…。」
「…戻ってきちゃった。」
そう笑う大先生の翼には、真っ白な翼が生えていた。
コメント
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コミケ尊いッ(◜¬◝ ) いやぁ…ほんますごい!これからも頑張ってくださいぃ
ん〜、僕の好みにどストレートね??