テラーノベル
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ある日の昼休み。
いつものように、宮舘と目黒は並んで昼食を取っていた。
机の上には、宮舘が作った二人分の弁当が置かれている。
🖤「これ、美味しい」
❤️「ふふ、良かった」
そんな何気ない会話を交わしながら、穏やかな時間が流れていた。
あの夕暮れの池での出来事が、まるで遠い昔のことのように思える。
――そんな時だった。
「……なんだ、仲直りしちゃったのか」
突然、二人の前にひょっこりと顔を出した人物がいた。
🖤「……翔太くん?」
目黒が少し驚いたように顔を上げる。
そこに立っていたのは、渡辺翔太だった。
けれど、その表情にはどこか不満そうな色が浮かんでいる。
💙「俺にあぁ言われたら、ビビって自分から別れるやつばかりなのにさ」
渡辺は呆れたように肩をすくめた。
💙「……お前、意外とやるじゃん」
その言葉に宮舘は、ハッとした。
胸の奥で、点と点が繋がったような感覚があった。
渡辺の話を聞いて目黒と仲直りしてから、ずっと不思議に思っていた。
どうして、目黒は定期的に恋人が変わるのだろうか、と。
【飽きっぽい】とは聞いた。
だから宮舘も、そうなのだと思っていた。
けれど、違ったのだ。
❤️「(……そういうことだったんだ)」
渡辺が、目黒の元恋人達に同じ言葉を吹き込んでいたのだ。
💙『どうせ、フラれるぜ』
その言葉で不安にさせることによって相手が目黒から離れていく。
それを繰り返していただけだった。
宮舘が、ゆっくりと渡辺を見る。
❤️「……どうして、そんなことをするの?」
宮舘の真っ直ぐな問いに渡辺は一瞬、言葉を失ったように黙り込む。
そして、ふいっと視線を逸らした。
💙「…………蓮を変な相手と、くっつけたくねぇんだよ」
ぶっきらぼうな声。
💙「……これでも、大事な幼馴染だからな」
🖤「翔太くん……!」
その言葉に、目黒の瞳がじわりと潤んだ。
いつも素っ気なくて、口を開けば余計な一言ばかりの幼馴染。
しかし、その根っこにあるのは幼い頃から変わらない心配と愛情だった。
そんな目黒の視線が気恥ずかしかったのか、渡辺はすぐに顔を顰める。
💙「……チッ」
そして、照れ隠しのようにそっぽを向いた。
💙「……宮舘。蓮が飽きっぽいのは、本当のことだからな」
❤️「え」
#渡辺翔太
クリオネ?
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zetsu.
3,009
#一般人
クリオネ?
109
🖤「翔太くん!」
💙「精々フラれないように、気を付けろよ」
ひらひらと手を振りながら、渡辺はその場を去っていく。
――まるで、嵐のようだった。
🖤❤️「「…………」」
二人は暫く、その背中を見送っていた。
やがて、目黒が困ったように眉を下げる。
🖤「もー、翔太くんってば……本当に一言多いんだから……」
❤️「ふふ」
宮舘も思わず笑った。
❤️「でも……目黒のこと、本当に大切に思ってる幼馴染なんだね」
🖤「……うん」
目黒は、少し照れくさそうに笑う。
🖤「昔からあんな感じでさ……」
そして、渡辺が去っていった方向を見つめながら続けた。
🖤「分かりにくいけど、実はめちゃくちゃ優しいんだ」
その言葉を聞きながら、宮舘の胸にもじんわりと温かなものが広がっていく。
形も、関係も。
この世界で与えられた立場も違う。
それでも、渡辺の中に自分の知っている【翔太】の面影が確かに見えた気がした。
不器用で、素直じゃなくて。
それでも、
ーー本当は誰よりも優しい人。
❤️「(……やっぱり、翔太なんだな)」
そんな嬉しさが、胸の奥に静かに灯った。
🖤「……ねぇ、舘さん」
目黒の声が、いつもより少しだけ真剣な響きを帯びた。
❤️「ん?」
宮舘が顔を向けると、目黒は真っ直ぐに彼の目を見つめていた。
その瞳に、もう迷いはなかった。
🖤「……最初はさ、不純な理由だったけど」
❤️「…………」
🖤「俺、舘さんといるの本当に楽しいんだ」
❤️「……目黒」
🖤「……だからさ」
ほんの少しだけ、目黒が笑う。
🖤「……俺、離れるつもりなんてないよ」
――真っ直ぐな言葉だった。
あまりにも真っ直ぐで、宮舘は胸の奥を強く掴まれたような気がした。
❤️「……!」
嬉しさと恥ずかしさで頬が熱くなる。
それでも、その言葉を聞けたことがたまらなく嬉しかった。
始まりは、偽物だった。
目黒は、しつこく告白をされる嫌気さから。
宮舘は、淡い恋心を持ち合わせ目黒の提案に乗っかる形から。
お互いに本当の気持ちを知らないまま始まった、恋人の【フリ】。
けれども、彼の言葉は少しずつ、その【フリ】を本物へと近付けているような気がした。
宮舘は、照れながら小さく笑う。
❤️「……うん」
それだけしか言えなかった。
けれど、その一言には胸いっぱいの嬉しさが詰まっていた。
🖤「あ、そうだ」
ふと思い出したように、目黒が顔を上げる。
🖤「舘さん」
❤️「何?」
🖤「もう少ししたら学祭があるんだけど……」
その言葉に宮舘の表情がパッと明るくなる。
❤️「学祭?」
🖤「うん」
目黒も嬉しそうに頷いた。
🖤「その時、俺と一緒に回ろうね」
❤️「……もちろんだよ!」
また一つ、楽しみが増えた。
年に一度の学園祭。
いつもとは違う校舎、賑やかな空気。
――そして、目黒と一緒に過ごす時間。
その想像だけで、宮舘の胸は自然と弾んだ。
❤️「楽しみだね」
🖤「うん」
目黒の笑顔を見つめながら宮舘も微笑んだ。
その瞬間、頭の中に久しぶりに聞く、晴れやかな音声が響き渡った。
【目黒 蓮の悪い噂の誤解が解け、好感度が5%上昇しました】
【現在の好感度は50%となりました】
❤️「……!」
宮舘は思わず目を見開いた。
――【50%】
ついに大台に乗った。
それでも、まだ半分で先は長い。
最初はたった数%しかなかった二人の心の距離が、今では確かにここまで近付いている。
❤️「…………」
宮舘は、そっと目黒を見た。
目黒は何も知らないまま、いつものように笑っている。
けれど宮舘には、その笑顔が以前よりずっと近く感じられた。
やがて学園には、年に一度の祭りを告げる準備の音が響き始める。
少しずつ近付いてくる、学園祭の日。
――それと同じように2人の心の距離も、ゆっくりと確実に加速していくのだった。
コメント
7件
このドキドキする感じが堪んないです♡♡ やっと50%! ときめきながら続き楽しみにしてます♡
💙がただの悪いやつじゃなくて嬉しい✨ これはもう恋人でいいですよね‼️
💙がただの意地悪じゃなくて不器用な優しさがあるの好きだな✨️ そして🖤❤️がどんどん近付いていって本気になっていってるの好きーーー😍😍😍 だから100%になったらどうなるのよ!? でもそれまでにまた一波乱あったり??? 学祭デートも楽しみだな❤️