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4. 再会夕暮れの公園。
ベンチに座っていたのは、細くなった背中の藤堂だった。
「……よ」
「……よお」
その一言のあと、しばらく沈黙が続いた。
「オレさ、お前のことずっと恨んでた。
怖かったよ。暴れたお前を見たとき、正直、お前も“敵”に見えた」
「……だろうな」
「でも……時間が経っても、忘れられなかったんだ。あの日、お前が俺をかばったのも、
先生に殴られそうになった俺を“隠した”のも、ちゃんと覚えてる」
陽翔が顔を上げる。
「……マジで?」
「本気で。だから……もう一度、話せてよかった。今の、お前と」
その瞬間、陽翔の肩がふっとゆるんだ。
「……オレさ。あの日のこと、後悔してる。でも、今のお前にそう言ってもらえたなら……
少しだけ、あの時の自分も許せそうだ」
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