「おぎゃぁ……?」
ん?んんん?聴覚視覚嗅覚微かながらにある。それと、痛ったいな!?私は思わず涙目になる。てか、ああ、私、ちゃんと涙流せてる。マジ感無量。でも痛い。何?何があんの!?私は立とうとジタバタする。いや、比喩でも何でもないから。だって、だって、だって!起きれないんだもん!しょうがないじゃん!
「びえっ。」
泣きそう。もう泣いてるけど。
「あにゃあああああ!?」
「うえっ!?」
突然の断末魔にびくったー。何々?誰か居るの?私はどうにか横になれないか試行錯誤する。しかし……いや、無理じゃね?はい、始まりましたー!一歩も動けないジタバタ選手権の開幕です!なーんて、冗談はさておき、どうする?
「ほぎゃあああああ!?」
うっせーわ!あ、有名なあの歌のタイトルじゃ無いからね。リアルにうっせーわ!
「にゅ?にゅ?ほにゅう?」
こっちはこっちで、ほにゅうほにゅう言ってる。何?哺乳瓶が欲しいわけ?ねーよ、そんなもん、自分で取ってくるんだな!そんな意味の分からない一人コントを考えていると何かの音が、音?音!あの無音な世界で居た時は音が聞けるなんて思ってもなかった!マジ感無量。
「****。*******。」
来たのは綺麗な女の人。で、で、聞いて聞いて。この人ね、金髪碧眼。はい!日本じゃありませーんね!いや察しは嫌ほどしてたけど。
「ほぎゃほぎゃああ!?」
うっせーわ!もー、何?黙っててくんない?ピーピー喚くなや!その瞬間、私の口らしきものに何かを突っ込まれました。はい。
「ぶえっ!?」
「みゅっ!?」
「ぺぇっ!?」
全員が意味不明な奇声を上げながら悶絶する。いや、見なくても分かるわな。因みに私の奇声は最後のね。てか、何なのさ、これ。これは、チューブ?その単語だけ聞くとヤバそうな人肉売買のアレに聞こえちゃうけど、これ、ミルクだわ。多分、哺乳瓶か何かかな。てか、久しぶりの食事、軽く泣けるな。もう泣いてるけど。
「****、****。」
多分、恐らく、哺乳瓶と思われるものが私の口から離れる。けっぷ…。お腹いっぱいでやんす。
ガチャン
何かが閉まった音が聞こえる。多分、行っちゃったのかな?ふぃー、で、どうしよっか、この状況。整理すると、あの無空間の中から急にこんなところに飛ばされてました、そして何か口に突っ込まれました、以上。
「ぴゃ、ひゃひゃひゃ…」
何だろう、凄く薄気味悪い笑い声になってしまった。でも、うん、まあ、分かってましたよ、だって、ねぇ?多分私、赤ん坊だわ。赤ん坊とは?赤の坊です。赤の坊とは?赤ん坊です。
「ヒューヒューヒュー。」
大丈夫かな?隣に居る子大丈夫かな?過呼吸なってないかい?
「きっきっきっ。」
こっちも大丈夫かな?何か変な笑い声上げてるよ?ここにまともな人は居ないの?誰か、ヘルプミー!
「おぎゃぁおぎゃ…」
その少し前、一人の赤ん坊が誕生した。この世界では珍しい黒髪を持ち、瞳は幻想的な銀。その赤ん坊の男児は普通では無かった。前世の記憶を持つ、転生者、名を柊隼人。
ん?ああ、俺は神様の言った通り転生したのか……。辺りを見渡すとどうやら俺はベビーベッドに居るらしい。にしても、はーっ。これが転生か。ま、今日は寝るとするか。サンキュー、神様!
あの日、俺は廊下で掃除をしていた。そしたら教室から悲鳴が聞こえて中に入ったんだ。俺が目にしたのは黒葛原さんが丁度、血をばら撒きながら倒れた瞬間だった。俺もテンパっていた。いや、テンパる暇も無かった。でも闇雲に俺は親友の名を叫ぶ。
「翔!」
翔は俺の親友だ。中学の時からずっとずっと。中学の時、俺は虐められていた。そんな俺を助けてくれたのが翔だ。翔も同じく虐められていた。理由は知らないが。でも、俺は家が貧乏くさいから、と言う理由だった。全く幼稚だ。俺と翔以外にもいじめはあったが俺たちほどじゃ無かった。基本的には殴られたり金を取られたり様々。俺は勿論敵うはずもなく渋々金を渡していた。が、翔は違った。殴りかかっていた。しかも、無傷で勝利を収めていた。まあ、ほんとに殴るような事はしていないが。まあ、でも穏やかな外見と口調なのにその他の事になると目つきがめっちゃ変わってたな。ま、まあ、そのお陰で俺はいじめから逃れられたし、翔とも仲が良くなった。翔はどちらかと言うと物静かな方だ。でも、それと裏腹に運動神経は抜群だった。あり得るか?50メートル走を5秒台って。誰しもが「いや、測り間違いだろー」と言ったが、どんだけちょっと遅めにやっても5秒台キープ。他も化け物クラス。あん時は化け物かと思ったな。
ドンッ!
翔が黒葛原さんを切った人物……黒いフードを被った女性を押さえつける。そして、翔がフードの女性に乗るような形で身動きを封じる。
「え、何々、何かあったの?」
どんどんと人が溢れる。そして、悲鳴。教室は既に血で溢れかえっており、一人の生徒何て首がない。しかも血だらけな黒葛原さんを助けようと色々と呼びかけをしている状況。
「隼人!先生を呼んで早く救急車と、」
翔の言葉が途中で途切れる。
「かはっ……!?」
翔の口から大量の血が溢れ出す。でも目立った外傷はない。
「しょ、う?」
俺がそう呼びかける前に生徒が一斉に逃げ出す。そして呼び終わると同時にもう誰一人として生きた人は誰も居なかった。あるのは飛び散った肉片だけ。
「いやだ!来んな!」
残ったのは安倍さんと翔と俺。しかし、その安倍さんも肉片となって飛び散った。女性はくるりと倒れた翔の方を見る。そして、腕の足を引きちぎった。
「あ、あ、しょ……う?」
恐る恐る口を開く。
「に……げ、ろ!」
お前、その状態で何で喋れんだよ。お前、腕も足も無いんだぞ。と、思った時には翔の姿は消えていた。今も尚、咀嚼音のする女性の口の中へと。
「あ、ああああ!!!」
そして俺は肉片となった。
「ん、んん。」
朝、か。前世の夢を見ていたような気がする。確かあの掃除の時。俺が死んだ日だ。確か神様の話によれば神様のおっちょこちょいのせいで間違って俺たちの居た教室ら辺に隕石を落としてしまったんだったな。まあ、異世界転生系である系のやつだ。でも、何か…違ったような…まあ、いいか。
「んー、っと。さーて、今日は学園の入学式!頑張りますか!」
俺は歩みだした。
どうも、メラです。さーてさて、今回は新しいキャラが出てきましたねー。その名も柊隼人(ひいらぎはやと)君!通称、らぎはや君!やったね!転生者は16人。その中でもレギュラーのらぎはや君!前世は平凡な高校生だったけどレギュラー入りだよ!やったね!しっかし、ふぅーっ。張り切って設定作ったらえらい世界になってしもうた。ま、いいか。で!ここで報告!山崎君の名前は東雲君に変わりました。一言、東雲君、頑ば。以上!本日はテンション高めでお送りしました。では、アディオス。
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