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テラーノベル(Teller Novel)
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「被検体、205B。それが貴方のお名前です。」

あれからかなりの3年の時間が過ぎた。と、言ってもずっと、ベビーベッドの上でつまらなかっただけだけど。でも、今はこうやって椅子に座り女性の話を淡々と聞いているのが日常。言葉は理解出来るようになった。喋るのは難しいけど。ここに来てから、言語も分からず、動けるようになったら即座に文字を覚えようとしたのを覚えている。そして、今現在進行形で教えてもらっている。

「205B?」

「はい。」

さっきも言った通り、今現在進行形で教えてもらっている。因みに今日が初めてだったりもする。そして今初めて教えてもらった私の今世の名前、205B。これを名前と言うのか?いや、言わねーよ!と言う前世の常識が頭の中を駆け回る。

「では、勉強に入ります。」

この無表情を貫き通している金髪碧眼美人さんが私のお世話係てきな人のクロンさん。クロンさんとは長い付き合いで赤ん坊の時から一緒にいる。なのに、年をとらない謎多き人物。暫くして、勉強時間が終わり私は狭い自室に取り残された。自室と言っても、ドア付きのトイレにベッド、小さなテーブルと椅子にペンと紙だけ。はっきり言って暇。まじで暇。でも、まあ、暇っちゃ暇だけどその分だけ私が死んだ理由について考察出来るから良しとしよう。あれからの3年間。何もせずにぽけーっとしてたわけではない。私なりにちゃんと考察していたのだ。まず、考えられる理由は、不法侵入してきた殺人鬼。まあ、無難だよね。でも、さ?あれはなんと言うか、人間じゃないっしょ。だって、あんな短時間で人間の首切り落としてんだよ?無理じゃん?って、事で考えられる理由その2!あれは全部私の妄想で普通に私が死んだだけ説。これもまあ考えましたよ。前世、ハマってた異世界転生系みたいな流れにさせたくて自分の記憶を捏造させた説。ん、まあこれも無いわな。答えは単純明快、私、あんな無惨に死ぬ異世界転生系見たことも聞いたことも無いですはい。良く考えてみ?誰が好き好んで他人の首ちょんぱして自分を苦しみながら死なせるよ!嫌だわ!せめて一瞬でポックリ逝きたいわ!って、事でその3!この世界からきた得体のしれない何か。はい。分かってますよ。ちょっ、お前何いってんだよ(笑)って、反応になりますよね。でもさ、それしか考えられんのだよ。何?神がやったかもって?いや、無いでしょー。って、事でその3説。いやさ、まあ、ちゃんと根拠はあるからね。そう!それが魔法!スキル!ステータス!の概念。最後テンション低めですはい。だってさ、普通さ、ほら、何?もうちっと、捻ってもいいじゃん?無惨に殺されたと思ったら、何も無い、無の空間の中にずっと居るんだよ?しかも、やっと転生ヒャッホイ!って、顔を上げてみると謎の囚人生活。もっと、テンプレチートの世界に行きたかったぜ。あー、そういえば私の他に居た生徒達はどうなったんだろ。多分、てか、絶対に死んでる…よね?下手したら彼処一帯皆殺し大事件起きてないよね。……無いと言い切れない。まあ、別に私には関係無いしいいけど。死んでようが、死んでなかろうが、今は私の命が一番。命大事にがモットーなのでね。まあ、今は言語やらを覚えるのに専念しましょ。


「様子はどうです?」

「はい。健康状態、精神状態、共に二人は問題ありません。」

「残る一人は?」

「残念ながら不信感を抱いているようです。」

「そうですか。ふむ。では、その3人を共同で活動させたら如何でしょう。それなら彼女の気も変わるかもしれません。」

「はい、畏まりました。しかし、例の転生者はどう致しましょう。」

「ああ、あの出来損ないですか。全くは腹ただしいものです。いつまでもネチネチと。まあ、取り敢えずはあちら側も手出しは出来ません。何せお約束ですからね。でも用心はしててください。」

「はい。畏まりました。」

プツリとモニターに写った画面がきれる。そのモニター部屋に残った一人の女性は顎に手を当て呟く。

「やっと手に入れた被検体なのに邪魔されてはたまりません。こっちも全力で阻止させて頂ますよ。覚悟してくださいね。」

女性はドタリと椅子に座り込みため息をつき、その名を言う。

「魔王軍第2幹部、東雲翔さん。」

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