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暖かな静寂で雨を零して

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暖かな静寂で雨を零して

5 - 第5話 嫌われたくない

♥

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2025年11月17日

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渡辺side



めめはいつも俺を気にかけてくれる

なんでわかるのかなって思うくらいに、弱ってる時には必ずといっていいほど声をかけてくれる

ご飯を作ってくれて、話を聞いてくれる

何かあったことは分かってて、でも余計な詮索はしてこなくって、ただおれがその時に言えることだけを静かに聞いてくれる

だから、めめの傍は居心地がよかった

それに甘えている自覚はあった


瞳に悲しみの色が浮かぶのを見て、傷つけてしまったな、と思った

この前のめめは、いつになく念押しして大丈夫かと聞いてきた

多分だけど、おれがあべちゃんを好きなことも、めめにはバレてて

だから、失恋して落ち込んでいるのもわかってて、それで夜ご飯を作ってくれて元気付けようとしてくれてて

優しいめめの心遣いにおれはちゃんと気付いてて

それなのに、大丈夫という言葉で線を引いてしまった


もう誰かに弱みを見せることも、甘えることも、分からなくなってしまった

いや、正確に言えば、傷つくことを恐れているだけだ

これを言って、離れていってしまわないか、嫌われてしまわないか

そんな風に臆病に周りと距離を取り続ける限り、おれの隣にいてくれる人など現れないと分かっているのに


でも、めめに嫌われるかもしれないと考えると、背筋が凍るような思いがする

頑なに、大丈夫と言い続けるおれに、めめは、そっかと一言、寂しそうに笑って言って、それ以上は詮索せずにいてくれた

なんだかちょっと気まずくって、その日はいつもよりも早く帰った

それからというもの、めめの寂しい笑顔がずっと頭にチラついている

なんだか、めめをまっすぐに見て話ができなくって、つい、いつもよりも距離をとってしまう

そしてまた、寂しい顔をさせてしまう悪循環にハマっていった




暖かな静寂で雨を零して

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コメント

10

ユーザー
ユーザー

互いの優しさに本当に涙です😭 素敵なお話をいつもありがとうございます💕 こちらも🖤を見習って辛抱強く待ちたいと思います!応援しています😊

ユーザー

続き待ってます!!

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