目黒side
9人での楽屋、部屋の脇に並べられた食べ物やら飲み物やらを眺めていた翔太くんが、ふいに呟いた
「あ、駄菓子だ……あべちゃん……」
「なに?呼んだ?翔太」
無意識だったんだろう、小さく呟いたはずの言葉に、返事があって驚いている
「っ!あ、や、駄菓子あったから…」
「あ〜!教えてくれようとしてたの!いつもありがとね」
「…ううん」
「?翔太、もしかしてちょっと調子悪い?」
「そっ、そんなことない!大丈夫!」
「そう?あ、これ、懐かしい!」
「ほんとだ」
阿部ちゃんは、少し様子の変な翔太くんを心配しつつも、いつも通りに会話をする
「佐久間くん、あれ、何とも思わないんですか?」
少し遠くからその様子を見ていた俺は、同じく眺めている人に気づいて声をかける
「ん?かわいいとかわいいが、かわいいことしてるな」
「そうじゃなくて、しょっぴーのことも気づいているんでしょう?」
「まぁな、ずっと阿部ちゃん見てたんだから、翔太の気持ちもな。翔太も俺の気持ちに気付いてたんじゃねぇのか?でも、お互いに何も言わなかったんだから、今も何か言うつもりはないよ」
「………強いですね、佐久間くんは」
「ついでに言うと、お前がずーっと翔太を好きなことも、とっくの昔に気付いてるぞ、蓮」
「…そんなに分かりやすいですか、俺。舘さんにもバレてたんですけど」
「どうだろうな。俺が翔太のことも気にしてたからってのもあると思うぜ」
「はぁ」
「翔太は、今、あいつなりに、この恋を終わりにしようと頑張ってるんだ、それくらいは見てたら分かる。翔太のことだって、俺は大事に思ってるから、今は俺が何か動くべきじゃないんだよ」
「………諦められるんですかね」
「それはお前の頑張りどころだろ!へこたれるなよ、お前はいい男なんだから自信持て。なんせ、この俺の後輩なんだからな!」
「理由弱くないですか?笑」
「なんだと!最強すぎる理由だろ笑」
「ふはは、ありがとうございます笑」
「おう、頑張れよ」
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かわいいとかわいいがかわいいことしてるのを見たい