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🌷初めての仕事 ティアは、神殿で働くことになった。光の国のシンボルである星とそのまわりにビーズをあしらった制服を渡され、光の部屋で着替えるように言われた。ひとりで光の部屋に入るティア。光の部屋は、ところどころに光の力が生み出した光の石が壁にはめ込まれていて美しかった。着替え終わると光の部屋を出た。ミリアがドアの外で待っていてくれた。「ティアさん、これからよろしくお願いします、わからないことがあったら聞いて下さいね」ミリアは穏やかな口調で、とても優しそうな女性だ。「光の部屋にいる時間は1時間区切りです、光の力を供給することは精神力を要求するので、休憩しながらやってもらいます、ティアさんは1時間です、他には、データ入力の仕事をしてもらいます」ミリアは説明してくれた。「それでは光の部屋に入り、1時間という限られた時間の中でお掃除から始めます」ミリアは、掃き掃除をしてから、拭き掃除をする手順、掃除のやり方を丁寧に教えてくれた。そして掃除が終わると、掃除用具を片付けに行って、またティアとミリアは光の部屋に戻った。「光の部屋はこうしていつも清潔に保たれています」ミリアがそう言って、ティアは身が引き締まる思いがした。
ミリアが話しかけ続けてくれるおかげで幻聴は聞こえない。仕事に慣れるまではミリアがついていてくれるらしい。
「ティアさん、光の石に向けて光の力を解き放って下さい」ミリアは、どうすれば光の部屋で光の力がエネルギーとなり光の国に供給されるか教えてくれた。ティアは言われた通りにした。光の力を供給源として解き放つことは、確かに精神力を要求することだった。ティアは、光の石に向かって祈りを捧げ、光の力を解き放ち続けた。ティアは疲れて来たが、なんとか耐えていた。「お前には無理だ」幻聴が聞こえた。「ティアさん、見て下さい、白い色だった光の石がオレンジ色に変わりました、光の国に光の力がエネルギーとして供給された印です」ちょうど1時間経っていた。ミリアはティアが光の力をきちんと使えることに安堵した。
ミリアとティアは光の部屋を出た。今度はパソコンが設置されている部屋へと案内された。それから、供給量のデータをパソコンに入力する作業をやり、退勤時間になったのでティアは帰る準備をした。「いろいろ教えていただきありがとうございました、失礼致します」ティアはミリアに挨拶をした。「ティアさんは、タイピングが早いですね、助かりました」ミリアはティアの仕事に満足してくれた。「タイピングは好きなんです」ティアは、自宅のパソコンでタイピング練習をしていた。決められた文字を入力するだけなので、良い気晴らしになっていた。ここで役に立って良かったとティアは思った。「ティアさん、お疲れ様でした、また明日よろしくお願いします、明日からは制服を着て来て下さいね」ミリアは思っていたよりも精神的に全然問題を起こさなかったティアの様子に安心したのだった。「はい、それではお先に失礼致します」ティアはとても緊張していたが、ミリアは優しい女性なのでほっとした。