コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
🌷精神科 ティアの仕事は月曜日から始まり、今日は金曜日。神殿の仕事は、週休二日制で明日は休日。この期間中、光の部屋での仕事はミリアが一緒についていてくれたが、来週の月曜日からは、ティアがひとりで光の部屋に入り、光の力を光の国に供給することになると言われた。
今日は、午後2時から精神科の予約が入っている。ティアは帰宅すると、制服から私服に着替え、休憩してから精神科に向かった。
精神科の先生は男性で、ティアの幻聴の内容を聞いてくる。ティアは、当たり障りのない言葉で答えるだけだった。幻聴の内容を今では行動では紛らわさなくなっても自分にだけ聞こえるものとしてとどめていた。子供の頃空想力が豊かだったティアにとって幻聴の内容などつまらない声だったからだ。
「最近幻聴はどう?なんて言っているのかな?」この男性の先生は、幻聴の内容を分析して、ティアの心理を探ろうとしている。児童精神科の先生は、遊戯療法が中心でティアが幻聴から受けた心の傷を癒してくれたのに。児童精神科はティアにとって楽しかった。児童精神科の先生もティアの幻聴の内容は知りたがったが、この先生のようにしょっちゅう聞いては来なかった。「薬を飲んでいるので、まあ落ち着いています、あいかわらずですね」児童精神科での遊戯療法は楽しかったのに、今では当たり障りのない会話だけが繰り返されていた。「具体的な内容を話してくれないかな?」先生は、どうしても幻聴をティアに話させたいのだ。どんなにひどい内容か知らないくせに。「薬のおかげで大丈夫ですから、それよりもわたし神殿に就職したんです」ティアは、なんとか話題を逸らした。「そうか、君の両親も神殿で働いているんだよね、それはおめでとう」先生は、また話をはぐらかされてしまった。ティアは神殿で働く両親のもとで、光に守られ過ぎて、闇に耐性が全くないのだと先生は考えていた。だからティアにとって好ましくない考えが幻聴となり、ティアはすぐに傷ついてしまうのだろうと。(きっと神殿で働けるのは親のおかげなのだろう、本当にお嬢様だ)先生は、困ったものだと思っていた。